「フロアベッド」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
一体どのようなベッドなのでしょう。
フロアベッドについて、一から十までベッド販売歴が17年以上となる店主が解説していきたいと思います。
フロアベッドの定義
フロアベッドの定義とは、何でしょうか?
まずは、言葉の通り、フロアにあるベッド。です。
床にあるベッドとも言えます。
低い位置にあるのでローベッドと呼ばれる事もありますが、
言葉が違うので、ローベッドとフロアベッドは厳密には違う物と定義します。
ローベッドは、低いベッド一般の事を指します。
フロアベッドは、ローベッドの中でも、マットレスを床のすぐ上に置くタイプを意味します。
従って、フロアベッドとは、マットレスを床の上に置くタイプのベッドと定義します。
フロアベッドの特徴
フロアベッドにはどんな特徴があるのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
低いという特徴
フロアベッドの特徴は、なんと言っても低いという事でしょう。
ローベッドは、まさに低いベッドなのですが、ローベッド以上に低いのがフロアベッドです。
何故なら、ローベッドには、短い脚が付いたものや、サイドフレームの上に床板を載せた物があり、
床からマットレスまでの高さが10cm程度ある物もあります。
でも、フロアベッドは、床に床板を敷き、その上にマットレスを置くのでマットレスまでの高さは、
1cmとか、2cm程度です。
安いという特徴
フロアベッドは材料となるフレームの量が少ない事です。
収納などが付いていないので、引出しなどの部品が少ないのです。
その為、価格的に他のベッドよりも安く抑える事が出来ました。
安い事もフロアベッドの特徴だと思います。
大きなベッドという特徴
フロアベッドは、ベッドを2台連結して大きなベッドとして使うという特徴もあります。
一般的なベッドを複数台使う場合には、並べる、金具で固定する等の様な使い方になります。
フロアベッドの場合、最初から2台を連結して使う様に設計されている商品では、
2台のベッドが1台のベッドの様に使う事が出来ます。
ただ、マットレスは1枚ではなく、2枚に以上になってしまいますが。。。
形の特徴
フロアベッドは、形的に決まった形になってしまいます。
マットレスの四方をフレームで囲う箱型が形としての特徴です。
これ以上ないシンプルな形である事も特徴になると思います。
フロアベッドの種類
フロアベッドには、どんな種類のベッドがあるのでしょうか?
形的に限定されるので、大きな変化が少ないので種類的にも少なくなってしまいます。
フロアベッドでヘッドレスベッド
ベッドのパーツにヘッドボードという物があります。
頭の上の所にある部品です。
そのヘッドボードには棚が付いていたり、コンセントが付いていたりするのですが、
ヘッドボードが無いベッドの事をヘッドレスベッドと呼んでいます。
フロアベッドにもヘッドレスベッドがあります。
形はまさに箱。上下の区別もありません。
すのこタイプのフロアベッド
マットレスを設置する部分にすのこを使用したのがすのこのフロアベッドです。
厳密には、すのこの下の部分に空間が少なく、横との通気性も良くないので
湿気を逃がすための本来のすのこの機能が十分に働けていないのですが、
それでも、すのこは、すのこです。
無いよりはまし。マットレスの湿気を逃がす働きがあります。
フロアベッドのサイズ
フロアベッドにはどんなサイズがあるのでしょうか?
ベッドにはシングルサイズやダブルサイズなどが一般的ですが、
フロアベッドはどんなサイズがあるのか見ていきましょう。
セミシングルからファミリーサイズ
フロアベッドは、サイズの種類が一番数多くあります。
その種類は、セミシングル、シングル、セミダブル、ダブルと一般的なサイズに加えて、
クイーン、キング、WK200、WK220、WK240、WK260、WK280、WK300と、
大型のサイズもあります。
特に、WK200以上のサイズは、連結ベッドと呼ばれていて複数のベッドを連結し1台のベッドとして使います。
一般的なベッドでは連結ベッドは作りにくく、フロアベッドで実現している大きなサイズになります。
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店主の解説
フロアベッドのメリットとは
フロアベッドは、床に近い高さで設計されたベッドのことを指します。
圧迫感がなく、お部屋全体を広く見せることができます。
天井が低いお部屋やワンルームに適しており、空間の有効活用に役立ちます。
フレームがシンプルな構造のものが多いため、ベッド全体の重量が軽く、移動や配置換えがしやすい点も大きなメリットです。
地面に近いため転倒の危険性が低く、小さなお子様のいる家庭でも安心して使用できるのが特徴です。
フロアベッドのデメリット
床に近いことで温かみを感じられるフロアベッドですが、一方でデメリットも存在します。
ホコリが舞いやすいという点が挙げられます。
床に近いため、こまめな掃除が必要です。
冬場は冷気が床から伝わりやすいため、冷え対策として敷物を敷いたり、暖かい寝具を使用する工夫が求められます。
一般的なベッドに比べると高さがないため、立ち上がる際に膝や腰に負担を感じることがあるかもしれません。
これらを考慮した上で、ライフスタイルに合った選択をすることが重要です。
フロアベッドに適したマットレスの選び方
フロアベッドを快適に使用するためには、適切なマットレス選びが重要です。
通気性が良いものを選ぶことがポイントです。
床に近い位置にあるため、湿気が溜まりやすく、カビやダニの発生リスクがあります。
すのこフレームと組み合わせることで、より快適な睡眠環境を作ることができます。
硬さも考慮しましょう。
柔らかすぎるマットレスは底付き感を感じる場合があるため、適度な硬さのものを選ぶことが大切です。
サイズを考慮し、部屋の広さや使用人数に合ったものを選びましょう。
フロアベッドとは に関して店主の見解
「低い暮らし」が生み出す、空間と心の「ゆとり」。フロアベッドの本当の価値とは
「フロアベッド」とは何か。その定義は、単に「床に直接置く、背の低いベッド」というだけではありません。17年以上、お客様の暮らしと向き合ってきた店主としての私の見解は、フロアベッドとは、お部屋に「開放感」を、そして、あなたの心に「ゆとり」をもたらすための、最も効果的な空間設計のテクニックである、というものです。
■空間の「ゆとり」が、心に「ゆとり」をもたらす
フロアベッドの最大の特徴は、その「低さ」が生み出す、圧倒的な開放感です。
- 視覚的な効果:家具の重心が低くなることで、壁の見える面積が広がり、天井が高く感じられます。ベッドという大きな家具を置いているにもかかわらず、お部屋に圧迫感がなくなり、広々とした印象になるのです。
- 心理的な効果:視線が上にすっと抜ける、余白のある空間は、私たちの心に、穏やかで、リラックスした感覚をもたらしてくれます。情報過多で、常に何かに追われている現代だからこそ、一日の終わりに過ごす寝室くらいは、視覚的なノイズが少ない、静かで、落ち着いた場所でありたい。フロアベッドは、そんな無意識の願いを、見事に叶えてくれるのです。
■日本の美意識との、深い親和性
床に近い、低い視点で暮らすスタイルは、元々、私たち日本人が慣れ親しんだ「床座」の文化にも通じます。畳の部屋で感じるような、あの、地に足のついた安心感と、空間との一体感。フロアベッドは、現代の洋室に、その心地よさを、モダンな形で再現してくれます。
私の見解は、こうです。フロアベッドが人気なのは、
単なる省スペースという機能的な価値を超えて、日々の暮らしに、穏やかで、贅沢な「ゆとり」という時間を取り戻したい、という、私たちの心の声そのものなのです。フロアベッドの本当の価値は、そのデザイン哲学にこそあります。
デザインの成否を決める「マットレスの厚み」。私が推奨する、黄金バランスという見解
せっかくお部屋を広く見せるために、スタイリッシュなフロアベッドを選んだのに「マットレスを乗せたら、思ったより高くなってしまった…」「ヘッドボードのデザインが隠れて、不格好に見える…」。これは、フロアベッド選びで最も多くのお客様が陥ってしまう、非常にもったいない失敗例です。店主としての私の見解は、フロアベッドのデザインの成否は、その上に乗せる「マットレスの厚み」で、ほぼ決まってしまう、というものです。
■なぜ「厚み」がそれほど重要なのか?
フロアベッドのデザインは、フレームとマットレスが一体となって初めて完成します。
- 厚すぎるマットレスの弊害:例えば、フレームの床板の高さが数センチのフロアベッドに、厚さ30cmのラグジュアリーなマットレスを乗せると、結局、床からの高さは一般的なベッドと大差なくなってしまいます。これでは「低さ」という最大のメリットが失われ、ヘッドボードもマットレスに埋もれてしまい、アンバランスな印象になってしまいます。
- 薄すぎるマットレスの懸念:逆に、デザイン性を優先して敷布団や数センチの薄型マットレスを選ぶと、床板の硬さをダイレクトに感じてしまう「底付き感」が生じ、寝心地が損なわれる可能性があります。
■店主が推奨する「黄金の厚み」とは?
では、フロアベッドのデザイン性を損なわず、かつ、快適な寝心地も確保できる、最適なマットレスの厚みとはどれくらいなのでしょうか。
17年以上の経験から、私、店主佐藤が推奨するのは、ズバリ「厚さ15cm〜20cm」の範囲です。厚くても25cm以内には抑えたいところです。
この厚みであれば、フロアベッドの低さを十分に活かしつつ、ポケットコイルなどのスプリングの性能をしっかりと発揮させることができます。体圧分散性にも優れ、快適な睡眠を十分に得られる、まさに「デザイン」と「寝心地」を両立する“ゴールデンバランス”と言えるでしょう。
私の見解は、こうです。フロアベッドを選ぶ際は、フレームのデザインだけでなく、必ず
「乗せるマットレスの厚み」までをセットで考え、最終的なベッドの高さをシミュレーションすること。それが、カタログの写真で見た、あの憧れのスタイリッシュな寝室を、ご自身の部屋で完璧に再現するための、最も重要な秘訣なのです。
最大の弱点「湿気・カビ」との付き合い方。私が「すのこ仕様」を必須と考える理由
フロアベッドが持つ、デザイン上の最大の魅力、それは「床に近いこと」です。しかし、皮肉なことに、その最大の魅力は、実用面における最大の弱点、すなわち「湿気・カビのリスク」と、表裏一体の関係にあります。店主としての私の見解は、この弱点を正しく理解し、賢く対策することこそが、フロアベッドと長く、快適に付き合っていくための、最も重要な知恵である、というものです。
■なぜ、フロアベッドは湿気に弱いのか
理由はシンプルで、ベッドの底面が床に直接、あるいは、ごく近い距離で接しているため、空気の通り道が、ほとんどないからです。私たちは、寝ている間にたくさんの汗をかきます。その湿気はマットレスの底面に溜まりますが、その逃げ場がないと、マットレスの裏側は、カビやダニが繁殖するための、まさに理想的な温床となってしまいます。
■対策1:【絶対条件】床板は必ず「すのこ仕様」を選ぶ
この問題を解決するための、最も重要で、そして最低限の条件。それが、床板が「すのこ」仕様になっているベッドを選ぶことです。
私の見解では、高温多湿な日本の気候において、すのこ仕様でないフロアベッドを選ぶことは、お客様の健康と、高価なマットレスを、大きなリスクに晒す行為に等しいと考えます。すのこの隙間が、わずかながらも空気の通り道を確保し、湿気を外に逃がす助けとなります。
■対策2:【最高の習慣】定期的にマットレスを立て掛けて換気する
すのこ仕様を選んだ上で、さらに、最強のカビ予防策となるのが、この習慣です。
最低でも2週間に一度、できれば週に一度は、マットレスを壁などに立て掛け、ベッドとの接地面に風を通してあげてください。これにより、マットレス内部に溜まった湿気を、完全にリセットすることができます。
■対策3:【保険の一手】除湿シートを活用する
特に湿気が気になる梅雨の時期や、お部屋の風通しが悪い場合には、マットレスとすのこの間に、市販の「除湿シート」を一枚敷くのも大変効果的です。
私の見解は、こうです。フロアベッドの湿気リスクは、欠陥ではありません。それは、そのベッドが持つ、
特別なデザインと付き合っていくための「個性」のようなものです。その個性を理解し、ほんの少しの手間を愛情としてかけてあげること。それが、人気のフロアベッドと、長く美しく付き合っていくための、何よりの秘訣なのです。
店主のつぶやき フロアベッドとは?編
・フロアベッド
・ローベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・ダブルベッドとは?収納付きの場合のメリット・デメリットも紹介
・キングサイズベッドとは?メリットや選ぶ際のポイントなどをご紹介
・ファミリーベッドとは
・ショートベッド・短いベッドとは?
・チェストベッドとは
・ダブルベッドフロアタイプ【低いベッドは扱いやすい】
・キングサイズのフロアベッドとは?
・キングサイズベッドと棚付きフロアベッドの理想的な組み合わせ
・ローベッドとは
・ダブルベッドの定義
・店主がお勧めするフロアベッド3選
・一人暮らしのワンルームにフロアベッド
・フロアベッドは誰が使う
・フロアベッドの選択肢
・フロアベッドのメリットデメリット