チェストタイプのベッドは、大容量の収納が出来て、引き出しが5つも付いている便利なベッドです。
収納付きという事で人気があり、多くのサイズ、種類があります。
チェストタイプのベッドには、デメリットもありますが、店主が解説します。
畳のある和風タイプや、すのこの床板のフレーム、ショート丈やヘッドレスタイプもあります。
ベッド販売歴が17年以上となる店主が解説します。
チェストベッド
チェストベッドは、日本の居住環境から発想されたベッドの形です。
部屋が狭い日本でベッドを使うと、どうしても部屋の空間がベッドに占有されてしまいます。
十分な収納スペースを確保出来ない事から出てきたのが、ベッドの下に物をしまうと言う発想です。
チェストベッドに限らず、収納ベッドは、日本で進化したベッドの形と言えます。
収納ベッドの中でも、チェストベッドは引き出しでの収納に特化し、
かつ大容量の収納も出来るようになった究極的な収納ベッドの形です。
利点(メリット)について
チェストベッドは、名前の通り、横から見るとチェストの様に引き出しがたくさんあるベッドです。
引出しが2段以上付いているベッドです。
つまり、たくさんの物をしまう事ができる大容量の収納ベッドの一種です。
それ以上段数が増えると、ベッドの床板の高さが高すぎて使いにくくなり本末転倒です。
引き出しの種類が浅型や深型があり、数も複数あるので、洋服やタオル類、本や雑誌、バックや普段使わない物などを収納出来ます。
引き出しも、BOX構造の商品もあり、ホコリが入りにくくなっている密閉された形です。
また、引き出しの反対側のスペースには、長物収納が入るベッドもあり、
大きなカーペットを丸めたり、季節ものの家電を入れたりと重宝します。
利点は収納だけではありません。
床からマットレス上面までの高さが程よく高いため、足腰が弱った方がベッドから立ち上がる際、ちょうど良い高さになります。
ローベッドなどの高さでは、足腰に負担が大きいため、立ち上がるのが困難な事と対照的です。
また、花粉やほこりなど床の低い位置にたまりがちですが、床板までの高さがある事で
寝ている間に花粉やほこりを吸い込んでしまうことが少なくなります。
欠点(デメリット)について
大容量の収納が出来るため、チェストベッドすのこタイプの床板は当然ながら板になっています。
2021年時点では、すのこの床板になっている商品も出てきました。
形として、マットレスの下面は、板に覆われている事になるのです。
つまり、湿気を逃がす通気性に問題がで出来ます。
マットレスの横方向の通気性は良いのですが、上下の通気性が良くありません。
この事は、収納ベッドの宿命的な欠陥です。
また、BOX構造の引き出しであれば、ホコリが入りにくい形なのですが、
それ以外の引き出しの場合、引き出しの上にマットレスがあり、人が動く物ですから、ホコリが入りやすくなります。
しまっている物にホコリが入ってしまうのです。
また、引出しが多くあるので組み立てが大変です。
最初だけなのですが、手間が掛かります。
組立設置付きを選べはプロが組み立ててくれますが、価格的に高くなってしまいます。
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チェストベッドのサイズと種類
チェストベッドには、どのようなサイズのベッドがあるのでしょうか。
また、どのような種類のベッドがあるのでしょうか。
サイズと種類について解説します。
シングル、セミダブル、ダブル
チェストベッドには、セミシングル、シングル、セミダブル、ダブルと言ったサイズがあります。
商品によって、シングルとセミダブルだけとか、セミシングルとシングルだけと言ったチェストベッドもあります。
詳細は、商品ごとに確認くださいませ。
コンパクト、すのこ、畳、マットレス付き、安い、おしゃれ
チェストベッドには、どのような種類があるかというと、色々と揃っています。
コンパクトなヘッドレスタイプ、すのこの床板が付いたチェストベッド。
畳の床板がある和風のベッド、マットレス付きのタイプ、安い価格のチェストベッド。
おしゃれなフレームデザインのチェストベッド等です。
店主の解説
チェストベッドとは?通常のベッドとの違い
チェストベッドとは、ベッドの下に引き出しなどの収納スペースが組み込まれているベッドのことです。
通常のベッドと異なり、チェストベッドには「収納力」があるという大きな特長があります。
一般的なベッドフレームでは、床下がデッドスペースになりがちですが、チェストベッドではその空間を有効活用し、衣類やリネン類、小物、書類などを整理整頓できます。
収納部分がチェスト(たんす)と同様の構造になっているため、わざわざ別に収納家具を用意する必要がなく、部屋をすっきりとまとめることができます。
特に収納スペースが限られているワンルームや子ども部屋、シニア世代の寝室などにおすすめのスタイルです。
チェストベッドが選ばれる理由
チェストベッドが多くのお客様に選ばれている理由は、まず第一に「収納と寝具の機能を一体化」できる点にあります。
一人暮らしや収納の少ない住宅では、収納家具を増やすと圧迫感が出てしまいますが、チェストベッドであればスペースを有効に使えるため、お部屋の広さを確保できます。
衣替えの時期や季節ごとの布団、趣味用品など、かさばるアイテムをしまっておく場所としても便利です。
収納の種類も豊富で、引き出しタイプや跳ね上げ式、浅型・深型など、使い方や生活スタイルに合わせて選べるのも魅力です。
特に整理整頓が苦手な方や、荷物が多いご家庭では重宝される傾向にあります。
チェストベッドの選び方のポイント
チェストベッドを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくと失敗がありません。
まず確認すべきは「収納タイプ」です。
引き出しが片側にあるタイプは、設置場所によって引き出しの向きを選べるものが多く、壁際に寄せて設置したい方におすすめです。
跳ね上げ式はマットレスを上げてベッド下全体を収納に使えるので、大容量を求める方に向いています。
次に「サイズ」と「高さ」も重要です。
収納力を重視するあまり高さが出すぎると、乗り降りが大変になることもあります。
さらに「通気性」や「すのこ構造」なども確認ポイントです。
湿気対策をしたい場合には、すのこタイプを選ぶことでカビやダニの発生を抑える効果が期待できます。
チェストベッドのメンテナンスと長持ちさせるコツ
チェストベッドは長く使える家具ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
引き出しや収納部分はホコリが溜まりやすいため、月に1回程度は掃除機や乾いた布での清掃をおすすめします。
湿気の多い場所に設置している場合は、引き出し内に除湿剤や防カビ剤を入れておくと良いでしょう。
木製フレームの場合は、乾拭きを中心にお手入れし、濡れたまま放置しないよう注意が必要です。
マットレスとの相性も大切で、重すぎるマットレスを乗せると引き出しに負担がかかる場合があります。
定期的にネジや金具のゆるみをチェックし、異音やガタつきがあれば早めに調整を行いましょう。
こうした日々のケアで、より長く快適にお使いいただけます。
おすすめの利用シーンと設置場所の工夫
チェストベッドは、限られた空間を有効活用したい場面で特に効果を発揮します。
一人暮らしのワンルームでは、クローゼットが小さかったり収納棚を置くスペースがなかったりしますが、チェストベッドを導入することで、それらの問題を一挙に解決できます。
子ども部屋では、おもちゃや教科書、衣類など散らかりがちなアイテムを引き出しにまとめることで、お部屋をすっきり保てます。
シニア世代には、布団の上げ下ろしが不要で収納も手が届きやすい位置にあるため、体に負担をかけにくいという利点があります。
設置時には、引き出しの開閉方向や周囲の家具との配置バランスも考慮し、動線を妨げないレイアウトにするとより快適に使用できます。
店主の解説2
チェストベッドの品質は「BOX構造」で決まる。頑丈さ・清潔さの秘密を解説
チェストベッドの「選び方」を語る上で、まず最初にお客様に知っていただきたい、最も重要なキーワード。それが、このベッドの心臓部とも言える「BOX(ボックス)構造」です。なぜなら、この構造こそが、チェストベッドの「頑丈さ」と「清潔さ」を保証し、一般的な引き出し付きベッドとは一線を画す、決定的な違いを生み出しているからです。
■一般的な「引き出し付きベッド」との構造的な違い
まず、比較的安価なベッドに多い「引き出し付きベッド」は、ベッドフレームを組み立てた後、その下の空間にキャスター付きの引き出しをはめ込む(あるいは置くだけの)構造です。この構造の弱点は、ベッドフレームと引き出しの間に隙間が多く、床のホコリが内部に侵入しやすいことです。
一方、チェストベッドが採用する「BOX構造」は、引き出し収納部分そのものが、あらかじめ工場で頑丈に組まれた完成品の「箱(BOX)」になっています。そして、その複数の箱を連結させてベッドの土台を完成させます。まさしく「タンス」と「ベッド」が一体化した、非常に合理的な構造なのです。
■「BOX構造」がもたらす、3つの絶大なメリット
- 圧倒的な頑丈さ(耐久性):BOX構造は、収納BOX自体がベッドの基礎となるため、マットレスや人の体重を「面」全体でしっかりと支えます。そのため、きしみや揺れが極めて少なく、抜群の安定感と高い耐荷重を誇ります。長く安心して使いたい方には、最も信頼できる構造です。
- 究極の清潔さ(防塵性):BOX構造の引き出しは、四方が板で完全に囲まれています。そのため、ベッド下から舞い上がるホコリが、引き出しの内部に侵入するのをほぼ完璧にシャットアウトします。オフシーズンの大切な衣類やリネン類を、いつでも清潔な状態で保管できる。これは、ホコリが入りやすい一般的な引き出しベッドにはない、大きな魅力です。
- 意外と簡単な組み立て:「収納付きは組み立てが大変そう」というイメージがありますが、BOX構造は引き出し部分がすでに完成しているため、実は組立式のベッドよりもパーツ点数が少なく、組み立てが比較的簡単なケースが多いのです。
チェストベッドを選ぶということは、単に引き出しの数で選ぶということではありません。そのベッドが、長期的な使用に耐える、信頼の「BOX構造」を採用しているかどうか。それが、質の高いチェストベッドを選ぶための、最初の、そして最も重要なチェックポイントなのです。
引き出しと長物収納の使い分け。収納力を120%引き出すプロの整理術
チェストベッドの最大の魅力である、タンスさながらの多様な収納スペース。これを最大限に使いこなすには、それぞれの引き出しの「特性」を理解し、しまう物に合わせて「住所」を決めてあげることが重要です。まるで機能的なキッチンのように、どこに何があるか一目瞭然で、出し入れもスムーズ。そんな理想の収納を実現するための、プロならではの具体的な整理術をご紹介します。
■浅い引き出し:使用頻度の高い小物たちの指定席
ベッドの足元側にあることが多い浅めの引き出し。ここは、毎日使うような、細々としたアイテムの収納に最適です。
- 最適なアイテム:下着、靴下、Tシャツ、ハンカチ、タオル類など。
- 収納のコツ:Tシャツや下着類は、平たく畳んで重ねるのではなく、クルクルと丸めて「立てて」収納するのがおすすめです。こうすることで、上から見てどこに何があるかすぐに分かりますし、下の物を探すために中身をひっくり返す必要もありません。100円ショップなどで手に入る仕切り付きの収納ケースを活用すれば、さらに整理がはかどります。
■深い引き出し:かさばる衣類や厚手のアイテムはお任せ
十分な深さがある引き出しには、厚手の衣類や少し高さのあるものを収納しましょう。
- 最適なアイテム:冬物のセーターやトレーナー、ジーンズ、パジャマ、バッグなど。
- 収納のコツ:ここでも基本は「立てる収納」です。セーターなども、ふんわりと畳んで立てて並べることで、シワを防ぎつつ、取り出しやすくなります。引き出しの深さを活かして、シーズンオフの衣類を圧縮袋に入れて収納すれば、驚くほどの量をしまうことが可能です。
■長物収納スペース:年に数回しか使わない物の隠し場所
普段は開けることのない、引き出しの反対側にある広大なスペース。ここは、大きくて普段は使わない物のための、とっておきの場所です。
- 最適なアイテム:スーツケース、ゴルフバッグ、スノーボード用品、ラグやカーペット、来客用の布団一式、季節家電(扇風機など)。
- 収納のコツ:このスペースは、マットレスと床板を一度持ち上げてからでないとアクセスできません。そのため、収納するのは年に1〜2回しか出し入れしない物、と割り切ることが大切です。キャスター付きの薄型収納ケースなどを活用すると、奥にしまった重い物もスムーズに引き出すことができ、格段に使いやすくなります。
それぞれのスペースの役割を決めてあげるだけで、チェストベッドはあなたにとって最強の収納パートナーとなります。寝室からタンスが一つ消え、驚くほど広々とした快適な空間が手に入るでしょう。
快適さと安全性を両立する「マットレスの厚み」とは?チェストベッドの選び方の要点
チェストベッドを選ぶ際、収納力やデザインと並んで、お客様にぜひ注目していただきたい、非常に重要なポイントがあります。それが、組み合わせる「マットレスの厚み」です。チェストベッドは、その大容量の引き出し収納ゆえに、ベッドフレーム自体の高さが、一般的なベッドよりも高くなる傾向があります。この「高さ」と、マットレスの「厚み」のバランスを考えることが、日々の快適さと安全性を両立させるための、隠れた選び方の要点なのです。
■厚すぎるマットレスがもたらす、思わぬデメリット
寝心地を良くしたいという想いから、厚みが30cm以上あるような、分厚いマットレスを選びたい、というお客様もいらっしゃいます。しかし、もともと高さのあるチェストベッドに、この分厚いマットレスを乗せるとどうなるでしょうか。
床からマットレスの上面までの高さが、70cm、80cmにもなってしまうことがあります。こうなると、
- ベッドへの乗り降りが、まるで「よじ登る」ような感覚になり、毎日のこととなると非常にストレスになる。
- 小柄な方やお子様にとっては、転落時の危険性が高まる。
- お部屋に占めるベッドの体積が大きくなりすぎ、圧迫感が生まれてしまう。
といった、思わぬデメリットが発生してしまうのです。
■店主が推奨する「黄金のバランス」
では、チェストベッドのデザインと機能性を損なわず、かつ、快適な寝心地も確保できる、最適なマットレスの厚みとはどれくらいなのでしょうか。
一般的に、人がベッドに腰掛けた時に、膝が直角に曲がり、足の裏が床にしっかりと着く高さ(約50cm〜60cm)が、最も体に負担がなく、使いやすいとされています。
このことから逆算すると、床板高40cmのチェストベッドであれば、厚み20cm前後の標準的なマットレスを組み合わせるのが、まさに「黄金のバランス」と言えるでしょう。この厚みであれば、ポケットコイルなどのスプリングの性能も十分に発揮でき、快適な寝心地を確保できます。もし、もう少し低い方がお好みであれば、厚み10cm〜15cm程度の薄型マットレスを選ぶのも、良い選択です。
チェストベッドの選び方とは、収納力だけでなく、「床板の高さ+マットレスの厚み=最終的なベッドの高さ」を計算し、ご自身の体にとって最も快適で安全な高さを、意識的に選ぶことでもあるのです。