クイーンサイズベッドは二人でゆったりと眠れる魅力的なベッドですがその大きさゆえに購入前の確認を怠ると「お部屋まで搬入できない」という悲しい事態を招くことがあります。
このコラムでは17年以上ベッドを販売してきた店主の私がクイーンベッドの購入で失敗しないための搬入経路の確認方法から万が一のための賢い選択肢そして便利な組立設置サービスまで徹底的に解説します。
あなたの寝室に理想のクイーンベッドをスムーズに迎えるための知識をぜひ手に入れてください。
購入前に必須 クイーンベッドの搬入経路チェックリスト
クイーンベッドの購入で最も重要なのが搬入経路の確認です。
これを怠るとせっかく選んだベッドがただの大きな荷物になってしまいます。
ここでは誰でも簡単にできるチェックリストをご用意しました。
このリストを片手にメジャーを持って家の隅々まで確認してみましょう。
なぜ搬入経路の確認が重要なのか
クイーンベッドは幅が約160cmと非常に大きな家具です。
特にヘッドボードやフットボードは一枚の板であることが多く梱包された状態ではさらに大きくなります。
お客様の中には「ダブルベッドとそんなに変わらないだろう」と安易に考えてしまい当日配送員から「これではお部屋に入りません」と告げられ愕然とするケースが後を絶ちません。
搬入ができない場合キャンセル料や返品送料が発生したり最悪の場合は商品を処分せざるを得ないこともあります。
また無理に搬入しようとすれば壁や床そして大切な新しいベッドフレームを傷つけてしまう危険性も高まります。
こうした金銭的な負担や精神的なショックを避けるために事前の搬入経路確認は絶対に不可欠なのです。
楽しいはずの新しいベッド選びが悲しい思い出にならないよう購入ボタンを押す前に一度立ち止まり冷静に経路を確認する時間を作ってください。
それは快適な睡眠環境を手に入れるための最初のそして最も重要なステップです。
私ども販売店としてもお客様にスムーズに商品をお届けし喜んでいただくことが一番の願いです。
だからこそ口を酸っぱくして搬入経路の重要性をお伝えしています。
メジャー一つで防げる失敗です。
ぜひ実践してください。
玄関から寝室までのチェックポイント
それでは具体的にどこを測ればよいのか解説します。
チェックポイントは大きく分けて5つあります。
まずは「玄関ドアの幅と高さ」です。
ここが第一の関門となります。
次に「共用廊下の幅」特にマンションやアパートにお住まいの方は注意が必要です。
廊下の最も狭い部分を測りましょう。
三つ目は「エレベーターの入口の幅と高さそして内部の奥行きと高さ」です。
エレベーターにベッドの部品が乗らなければ階段を使うしかありません。
四つ目は「階段の幅と高さそして踊り場のスペース」です。
直線階段かL字やU字の折り返し階段かによって難易度が大きく変わります。
特に踊り場はベッドの長い部品を回転させるスペースがあるかどうかが鍵となります。
最後に「寝室のドアの幅と高さ」です。
ここまでクリアしても最後のドアでつまずくことがあります。
これらのポイントを測る際は必ず梱包サイズを基準に考えてください。
商品ページに記載されている本体サイズではなく「梱包サイズ」を確認することが重要です。
梱包材の厚みで数センチ大きくなるためその数センチが搬入の可否を分けることがよくあります。
商品ページに梱包サイズの記載がない場合は遠慮なく当店までお問い合わせください。
見落としがちな障害物と採寸のコツ
単純に幅や高さを測るだけでは不十分です。
搬入経路には見落としがちな障害物が潜んでいます。
例えば廊下の照明器具や天井の梁火災報知器などもチェックが必要です。
ベッドを立てて運ぶ際にこれらがぶつかってしまうことがあります。
また階段の手すりも要注意です。
手すりの出っ張りによって有効な幅が数センチ狭くなっている場合があります。
ドアノブも同様でドアを開けた状態でドアノブから反対側の壁までが実際の有効幅となります。
採寸のコツとしては柔らかいメジャーではなく硬い芯のあるコンベックスメジャーを使うことをお勧めします。
これにより正確な直線距離を測りやすくなります。
そして一人で測るのではなく二人でメジャーの両端を持つとより正確性が増します。
さらにスマートフォンで玄関から寝室までの経路を動画で撮影しておくのも非常に有効な方法です。
搬入のシミュレーションがしやすくなりますし不安な場合はその動画を購入予定の店舗に見せて相談することもできます。
家具の搬入は平面的な幅と高さだけでなく立体的な空間で考えなければなりません。
あらゆる角度から障害物がないか慎重に確認することで「まさかこんなものが」という失敗を防ぐことができます。
戸建てとマンション 搬入で気をつけるポイントの違い
お住まいの形態によって搬入の注意点は異なります。
マンションなどの集合住宅と戸建て住宅それぞれに特有のハードルがあります。
ご自身の住環境に合わせてチェックポイントを確認していきましょう。
マンションのエレベーターと共用廊下
マンションにお住まいの方が最も注意すべき点は「エレベーター」です。
クイーンベッドのヘッドボードは長さが160cmを超えることが多くエレベーターの内部に斜めにしても入らないケースがあります。
確認すべきは入口のドアの寸法だけではありません。
エレベーター内部の奥行きと天井高も必ず測定してください。
大きな荷物を運ぶために「トランクオープン機能」が付いているエレベーターもあります。
これは奥の壁の一部がさらに開いて長尺物を積めるようにする機能です。
管理会社に確認してみると良いでしょう。
エレベーターが使えない場合は階段での搬入になりますがその際は他の居住者の方への配慮も必要です。
事前に管理組合や管理人に連絡し搬入日時を伝えておくとスムーズです。
また共用廊下も注意が必要です。
特に玄関ドアが通路の突き当りではなく通路の途中にある「クランク」と呼ばれる構造の場合廊下でベッドの向きを90度変えなければなりません。
この回転に必要なスペースが確保できるかどうかが重要です。
廊下の幅だけでなく角のスペースにも余裕があるか確認してください。
マンションではこうした共用部分の制約が戸建てよりも厳しくなりがちです。
搬入経路の確認はご自身の専有部だけでなく共用部から慎重に行うことが成功の鍵です。
戸建ての階段と曲がり角
戸建て住宅の場合最大の難所は「階段」です。
マンションの階段に比べて幅が狭く勾配が急であったり途中で折り返すU字階段やL字階段であったりすることが多いためです。
特に注意が必要なのは階段の「踊り場」です。
長いヘッドボードを回転させるだけの十分なスペースがあるか天井の高さは十分かを確認してください。
踊り場に窓があっても窓枠や手すりが障害になることもあります。
階段の幅を測る際は壁から壁までではなく手すりの内側から反対側の壁までを測るようにしましょう。
手すりが意外な障害物になります。
もし階段からの搬入が難しいと判断された場合戸建てならではの最終手段として「窓からの吊り上げ搬入」という選択肢があります。
ベランダや2階の窓から家具をロープで引き上げる方法ですがこれは専門の業者による作業となり追加料金が発生します。
また電線や庭木などの障害物がないか作業スペースが確保できるかなど条件も厳しくなります。
吊り上げ搬入を検討する場合は購入前に必ず販売店や配送業者に相談し下見を依頼することをお勧めします。
戸建ては自由度が高い反面こうした特有の構造上の問題があります。
寝室が2階にある場合は階段の確認を特に念入りに行ってください。
搬入できない時の最終手段 分割できるクイーンベッドとは
「どうしても経路が狭くて搬入できそうにない」と諦めるのはまだ早いです。
そんな時に頼りになるのが「分割タイプ」のクイーンベッドです。
この賢い選択肢を知っているかどうかでベッド選びの幅が大きく変わります。
フレームが分割できるメリット
分割タイプのフレームとはその名の通りヘッドボードやサイドフレームなどの大きな部品が初めから二つ以上に分かれて梱包されているベッドのことです。
最大のメリットは言うまでもなく「搬入のしやすさ」です。
例えば一体型では幅160cmを超えるヘッドボードも分割タイプであれば幅80cmのパーツ二つになります。
これにより今まで通れなかった狭い廊下や階段の踊り場エレベーターにもスムーズに通すことが可能になります。
特にアパートやマンションにお住まいの方や寝室が2階にある方に大変喜ばれています。
搬入経路の問題でクイーンサイズを諦めていた方もこの分割タイプなら夢を叶えることができます。
組み立てもそれぞれのパーツが小さく軽くなるためご自身で行う場合でも作業の負担が軽減されます。
当店で扱う商品の中にもデザイン性を損なうことなく分割構造を取り入れたものが増えています。
連結部分は金具でしっかりと固定されるため使用上の強度や安定性も一体型と遜色ありません。
商品を選ぶ際に「分割式」や「セパレート」といったキーワードで探してみることをお勧めします。
これは搬入の不安を解消するための非常に有効な解決策です。
マットレスが2枚のセパレートタイプ
フレームだけでなくマットレスも分割できる「セパレートタイプ」を選ぶと搬入はさらに楽になります。
クイーンサイズのマットレスは幅160cm長さ195cmもありその大きさに加えて重くぐにゃりと曲がるため搬入の難易度が非常に高いです。
これを幅80cmのセミシングルサイズのマットレス2枚に分けることで一人でも運べるほど扱いやすくなります。
搬入のしやすさだけでなくセパレートタイプのマットレスには他にもメリットがあります。
一つは「振動が伝わりにくい」ことです。
お二人で眠る場合隣で寝返りを打ってもその振動が伝わりにくいためお互いの眠りを妨げません。
これは睡眠の質を重視するカップルにとって大きな利点です。
もう一つは「硬さの好みを選べる」ことです。
例えば夫は硬め妻は柔らかめが好きという場合でもそれぞれの好みに合わせたマットレスを選ぶことができます。
これは一体型のマットレスでは実現不可能な贅沢な選択です。
将来的にベッドを別々に使うことになった場合もセミシングルベッド二つとして使用できるためライフスタイルの変化にも柔軟に対応できます。
搬入の容易さと睡眠の質の向上そして将来性。
セパレートタイプのマットレスは多くのメリットを持つ賢い選択と言えるでしょう。
分割タイプの寝心地と選び方
分割タイプのベッドで最も気になるのが「中央の溝やすき間」ではないでしょうか。
「マットレスを2枚並べたら真ん中が気になって眠れないのでは」というご心配はもっともです。
しかしご安心ください。
最近の分割ベッドはその点をしっかり考慮して作られています。
まずフレーム自体が中央でしっかりと連結されるため使用中にずれたりぐらついたりすることはありません。
マットレスのすき間については「すきまパッド」または「ベッドパッド」という便利なアイテムで解決できます。
すきまパッドはT字の形をしておりマットレスの間に埋め込むことで段差をなくすものです。
その上からクイーンサイズ用の大きなベッドパッドとボックスシーツを一枚かぶせることで表面はフラットになりまるで一体型のマットレスのような寝心地になります。
実際に使用されているお客様からも「真ん中の溝は全く気にならない」というお声を多数いただいています。
分割タイプを選ぶ際はフレームの連結方法がしっかりしているかマットレスを並べた時に大きな段差ができないかなどを商品ページで確認しましょう。
またすきまパッドやクイーンサイズのボックスシーツがセットになっている商品を選ぶのも一つの手です。
搬入のメリットを享受しつつ寝心地も妥協しない。
それが現代の分割タイプクイーンベッドです。
プロに任せて安心 組立設置サービスの賢い使い方
搬入経路の確認も分割タイプの検討もしたけれどやはり大きな家具の扱いは不安という方も多いでしょう。
そんな時は無理をせずプロの力を借りるのが一番です。
有料の組立設置サービスを上手に活用して手間なく安全に理想の寝室を完成させましょう。
組立設置サービスのメリットと内容
組立設置サービスは単に商品を部屋まで運ぶだけではありません。
その内容は大きく分けて「搬入」「開梱」「組立」「設置」「梱包材の回収」の5つのステップで構成されています。
まず配送のプロが最適な方法でベッドをお部屋の指定の場所まで安全に運び入れます。
次に大量に出る段ボールやビニールなどの梱包材を丁寧に開梱します。
そして最も手間のかかる組立作業を専門の工具を使い手際よく正確に行います。
ネジの締め忘れや部品の付け間違いといった心配もありません。
組立が終わったらお客様が希望する位置にベッドを正確に設置します。
最後に作業で出た大量の梱包材をすべて持ち帰り処分してくれます。
この梱包材の処分が意外と大変で自治体のルールに従って分別し収集日に出す手間を考えるとこのサービスは非常に価値があります。
これらの作業をすべてプロに任せることでお客様は時間と労力を節約できるだけでなく床や壁を傷つけるリスクや組立中の怪我のリスクからも解放されます。
特に重たい収納付きベッドや構造が複雑なベッドの場合はこのサービスの利用を強くお勧めします。
安心と時間を買うという意味で組立設置サービスは非常に賢い投資なのです。
サービス利用のタイミングと費用感
組立設置サービスを利用すべきか迷う方もいらっしゃるでしょう。
こんな方には特にお勧めです。
まずDIYや家具の組立てに自信がない方や苦手な方。
クイーンベッドは部品も大きく重いため無理をすると怪我につながる可能性があります。
またお一人暮らしの方やご夫婦共働きでお忙しい方にとっても時間と労力を大幅に節約できるため大変有益です。
特にチェストベッドや跳ね上げ式の収納ベッドは構造が複雑で重量もあるためプロに任せるのが賢明です。
費用はベッドの種類やお住まいの地域によって異なりますが一般的には1万円から3万円程度が目安となります。
この費用をどう捉えるかですがもしご自身で組立てて半日かかったとしたらその時間を時給換算してみてください。
あるいはもし床や商品を傷つけてしまった場合の修理費用を考えてみてください。
そう考えると専門サービスの料金は決して高くないむしろリーズナブルであると感じられるのではないでしょうか。
商品を注文する際にオプションとして選択できる場合がほとんどです。
搬入や組立に少しでも不安を感じたら迷わずこのサービスの利用を検討してみてください。
後悔しないための安心保険だとお考えいただくのが良いでしょう。
申込み方法と当日の流れ
組立設置サービスの申込みは非常に簡単です。
通常は商品をインターネットで注文する際に購入画面で「組立設置サービスを希望する」といったチェックボックスにチェックを入れるだけで完了します。
商品代金と合わせてサービス料金が決済されます。
サービスを申し込むと後日配送業者からお客様へ直接連絡が入り具体的なお届け日時の打ち合わせを行います。
この時にご自身の都合の良い日時を指定できます。
サービス当日までにお客様にしていただくことは一つだけです。
それは「ベッドを設置するスペースを空けておくこと」です。
部屋の中を片付け作業スペースを確保しておくと当日の作業がスムーズに進みます。
当日は配送員が2名体制で訪問するのが一般的です。
到着後まず搬入経路を改めて確認し養生が必要な場合は丁寧に行います。
その後お客様に設置場所の最終確認をしてから開梱と組立作業を開始します。
作業時間はベッドのタイプにもよりますが30分から1時間程度です。
組立が完了したらお客様に最終確認をしていただき問題がなければサインをして作業終了となります。
面倒なことはすべてプロが行いお客様は見ているだけで大丈夫です。
あっという間に夢のクイーンベッドが目の前に現れその日から快適な眠りを手に入れることができます。
店主のつぶやき クイーンベッド搬入の注意点 経路確認と分割タイプ紹介
・クイーンサイズベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・クイーンベッド搬入の注意点 経路確認と分割タイプ紹介
・ホテルライクな寝室を実現するクイーンベッドの選び方
・木製 金属製 レザー製 クイーンサイズベッド素材別の特徴と選び方
・ショートベッド購入前にチェック 搬入経路と設置スペースの測り方