旅先で訪れたホテルの部屋でドアを開けた瞬間のあの高揚感。
洗練されたインテリアの中心で圧倒的な存在感を放つベッド。
そんな非日常の空間をご自宅の寝室で再現してみませんか。
このコラムでは17年以上ベッドに携わってきた専門家としてホテルライクな寝室を実現するためのクイーンベッド選びのポイントを徹底解説します。
ヘッドボードのデザインから素材選び空間演出のコツまで知ればあなたの寝室は明日から最高に癒やされる特別な場所に変わります。
高級感を演出するヘッドボードデザインのポイント
ホテルライクなベッドの印象を最も左右するのがヘッドボードです。
ベッドの顔とも言えるこの部分にこだわることで寝室の格がぐっと上がります。
高級感を演出するためのデザインの鍵を見ていきましょう。
高さのあるヘッドボードで空間に重厚感を
高級ホテルのベッドを思い浮かべてみてください。
その多くが背の高い立派なヘッドボードを備えているはずです。
高さのあるヘッドボードは視線を自然と上に集めベッドに堂々とした風格と重厚感を与えます。
空間のフォーカルポイントとして確固たる存在感を放ち寝室全体に安定感と落ち着きをもたらすのです。
天井が高く見える効果も期待できます。
一般的な家庭用のベッドは圧迫感を避けるためにヘッドボードが低めに設計されていることが多いですがホテルライクを目指すなら思い切って高さのあるデザインを選んでみてください。
ベッドの前に立った時の見栄えが全く違います。
特にクイーンサイズのような大きなベッドには高さのあるヘッドボードがバランス的にもよく似合います。
それはまるで寝室という舞台の背景セットのようにお部屋の世界観を決定づける重要な要素です。
このヘッドボードの高さを意識するだけであなたのベッド選びはプロの視点に一歩近づきます。
非日常的な空間を演出するための最初のステップとしてヘッドボードの「高さ」に注目してみましょう。
クッション性のある張り込みタイプでくつろぎを演出
ホテルのベッドで感じる心地よさの一つにベッドの上でゆったりと過ごす時間があります。
背中を預けて本を読んだり映画を見たり。
そんな至福の時間をサポートしてくれるのがクッション性のあるヘッドボードです。
布やレザーなどの生地でウレタンなどを包んだ「張り込みタイプ」のヘッドボードは見た目の豪華さだけでなく機能的にも優れています。
もたれかかった時の柔らかな感触は格別でソファのようなくつろぎをベッドの上で実現します。
デザイン的にも「ボタン留め(ボタンタフティング)」が施されたものはクラシックでエレガントな印象を与えます。
光の当たり方によって生まれる陰影が非常に美しく空間に奥行きを感じさせます。
また縦にステッチが入った「チャンネルデザイン」はモダンでスタイリッシュな雰囲気を演出します。
こうした布やレザーの柔らかな質感が寝室に温かみと優雅さをもたらし硬質な素材だけでは作れない居心地の良い空間を作り出します。
デザイン性と快適性を両立した張り込みタイプのヘッドボードはホテルライクな寝室作りのための強力なアイテムです。
シンプルで上質な宮棚付きデザインの選び方
全てのホテルが豪華絢爛なわけではありません。
モダンなシティホテルやブティックホテルでは機能的で洗練されたデザインが主流です。
そうしたスタイルを目指すなら「宮棚付き」のヘッドボードがおすすめです。
ただし家庭的な印象の強い一般的な宮棚付きベッドとは一線を画す選び方が必要です。
ポイントは「シンプルさと上質さ」です。
ごちゃごちゃと物を置くための棚ではなくスマートフォンや読みかけの本眼鏡といった必要最低限のものをスマートに置けるスリムなデザインを選びましょう。
棚の奥行きが浅く直線的でシャープなデザインは生活感を感じさせません。
さらにコンセントやUSBポートが目立たないように配置されていたり間接照明が組み込まれていたりするデザインはまさにモダンホテルの機能美そのものです。
素材も重要で安価なプリント化粧板ではなく質感の良い木目調シートや落ち着いた色合いの塗装仕上げのものを選ぶと高級感が漂います。
余計な装飾を削ぎ落としミニマルな中に機能性を宿した上質な宮棚付きベッド。
それは知的で洗練されたホテルライクな空間を創り出すための賢い選択です。
レザー素材や木製フレームでホテルのような空間を創る
ヘッドボードのデザインが決まったら次はフレーム全体の素材に注目しましょう。
素材が持つ質感や色が寝室の雰囲気を決定づけます。
ホテルライクな空間にふさわしい素材選びのコツをご紹介します。
レザーフレームが醸し出す重厚感とモダンな魅力
レザー素材のベッドフレームはそれだけで空間に圧倒的な高級感と重厚感をもたらします。
しっとりとした光沢と滑らかな手触りは他の素材にはない特別な魅力です。
特にブラックのレザーフレームは都会的でモダンなホテルのような雰囲気を演出するのに最適です。
シャープなインテリアと組み合わせればクールでスタイリッシュな寝室が完成します。
一方ホワイトやアイボリーのレザーフレームは清潔感とラグジュアリー感を両立させ明るく開放的なリゾートホテルのような空間を創り出します。
最近ではPUレザー(合成皮革)の品質も非常に向上しており本革さながらの質感を持ちながらもお手入れが簡単で価格も手頃なものが増えています。
水や汚れに強いため飲み物をこぼしてもさっと拭き取れる手軽さは日々の使い勝手を考えると大きなメリットです。
どっしりとした存在感を放ちながらもデザインはシンプル。
このバランスが生活感を感じさせないホテルライクな空間作りに繋がります。
非日常的な特別感を求めるならレザーという選択肢は非常に有効です。
高級感を高める木製フレームの色と質感
温かみと落ち着きを重視するなら木製フレームがおすすめです。
ただしどんな木製フレームでも良いわけではありません。
ホテルライMクな雰囲気を出すには「色」と「質感」が重要です。
色は明るいナチュラルカラーよりも深みのある「ウォールナットブラウン」や「ダークブラウン」といった落ち着いた色調を選びましょう。
こうしたダークカラーは空間全体を引き締め高級感と静寂な雰囲気をもたらします。
まるで高級ホテルのスイートルームのような重厚で格調高い寝室を演出できます。
質感も大切です。
木目がプリントされた安価なシート張りではなく天然木の突板や無垢材に近い上質な質感のものを選びたいところです。
滑らかで美しい木目が流れるフレームはそれ自体が芸術品のような存在感を放ちます。
また木製フレームはレザーやファブリックなど他の素材との相性も抜群です。
ヘッドボードだけが異素材になっているデザインなども人気です。
自然素材ならではの安らぎとホテルならではの格調高さ。
その両方を兼ね備えた上質な木製フレームは長く愛せる確かな選択と言えるでしょう。
異素材ミックスでワンランク上のデザインを
より洗練されたハイレベルなホテルライク空間を目指すなら「異素材ミックス」のデザインに挑戦してみましょう。
単一の素材で作られたベッドよりも複数の素材を組み合わせたベッドの方がデザインに深みと奥行きが生まれます。
最も代表的な組み合わせが「木とファブリック(布)」です。
例えばウォールナットの重厚なフレームにグレーのファブリック製ヘッドボードを組み合わせたデザイン。
木の硬質な印象と布の柔らかな印象が互いを引き立て合い温かみがありながらもモダンで洗練された空間を創り出します。
まさに現代のライフスタイルホテルのような雰囲気です。
また「木とレザー」の組み合わせもクラシックで高級感があります。
他にも「木とスチール」の組み合わせはインダストリアルでスタイリッシュな印象を与えます。
例えばベッドの脚の部分だけが黒いスチールになっているデザインなどは空間をきりっと引き締める効果があります。
このように異なる素材を組み合わせることでありきたりではないワンランク上の寝室を演出できます。
ご自身が目指すホテルのスタイルを想像しながら素材のコンビネーションを楽しんでみてください。
間接照明やファブリックで作るワンランク上の寝室
完璧なホテルライク空間を完成させるにはベッド本体だけでなく照明やファブリック(布製品)といった周辺アイテムの力が不可欠です。
最後の仕上げで寝室を格上げするテクニックをご紹介します。
ヘッドボードの間接照明が創る癒やしの光
ホテルの部屋に入って感動する要素の一つが「照明」です。
天井のメイン照明だけでなく壁や足元など様々な場所に間接照明が配置されムーディーでリラックスできる光の空間が作られています。
この効果を最も手軽に自宅で再現できるのが「間接照明付きのヘッドボード」です。
ヘッドボードの上部や背面にLEDライトが組み込まれており柔らかな光が壁を照らし出します。
この光が直接目に入らないため非常に落ち着いた癒やしの空間を演出できます。
夜寝る前のひとときに天井の明かりを消してこの間接照明だけで過ごせば一日の疲れがすーっと溶けていくようです。
読書灯としても十分な明るさを確保できるモデルもあります。
後からスタンドライトを置く必要がないためベッド周りがすっきりと片付くのもメリットです。
この間接照明があるかないかで寝室の雰囲気は劇的に変わります。
まさにホテルライクな空間作りのための切り札とも言える機能です。
ベッドを選ぶ際にはぜひこの間接照明の有無をチェックしてみてください。
ベッドリネンは白を基調に清潔感を
なぜホテルのベッドはあんなにも気持ちよく見えるのでしょうか。
その大きな理由の一つが「白いリネン」です。
シーツ掛け布団カバー枕カバーといった寝具をすべて白で統一すること。
これがホテルライクなベッドメイキングの基本中の基本です。
白は清潔感の象徴です。
ぱりっと糊のきいた白いシーツは「このベッドはあなたのために完璧に準備されました」というおもてなしのメッセージを伝えます。
また白は光を反射するため部屋全体を明るく広く見せる効果もあります。
どんな色のフレームやインテリアにも合わせやすい万能色でもあります。
素材にもこだわりたいところです。
ホテルのような滑らかで気持ちの良い肌触りを求めるなら糸の打ち込み本数が多い「高密度コットン」のサテン織りなどがおすすめです。
ご家庭で洗濯することを考えると乾きやすくシワになりにくい素材を選ぶのも良いでしょう。
まずは基本の白一式を揃えてください。
それだけであなたのベッドは生活感から解放され一気にホテルのような清潔感と非日常感をまとうことになります。
ベッドスローとクッションでアクセントカラーを加える
白で統一した清潔感のあるベッドをさらにホテルのように仕上げる最後の魔法が「アクセントアイテム」です。
主役は「ベッドスロー」と「装飾用クッション」です。
ベッドスローとはベッドの足元にかけられた細長い布のことです。
これを一枚加えるだけでベッド全体が驚くほど引き締まりプロがスタイリングしたような洗練された見た目になります。
白のリネンをベースにしているのでスローの色は自由に選べます。
寝室のカーテンやラグの色と合わせたり思い切って大胆なアクセントカラーを選んだりするのも楽しいです。
素材もベルベットやフェイクファーなどリッチな質感のものを選ぶとより高級感がアップします。
そして装飾用のクッションです。
眠るための枕の後ろにデザイン性の高いクッションを2つ3つ並べるだけでベッドに立体感と華やかさが生まれます。
クッションカバーはベッドスローの色と合わせたり柄物を取り入れたりしてコーディネートを楽しみましょう。
このひと手間があなたのベッドを単なる寝具からインテリアの主役へと昇華させます。
非日常を味わえるおすすめホテルライクベッド5選
最後に私ども「眠り姫」が自信を持っておすすめするホテルライクなクイーンベッドのスタイルを5つご紹介します。
あなたの理想のホテルステイを思い描きながらご覧ください。
アーバンクラシック レザーベッド
都会の夜景が似合う洗練されたシティホテルのような寝室を目指すならこのスタイルです。
フレーム全体が滑らかなブラックやダークグレーのPUレザーで覆われヘッドボードにはボタン留め加工が施されています。
全体的に高さを抑えたロースタイルでありながらレザーの持つ重厚感が空間に落ち着きと格を与えます。
シャープなラインとクラシックなディテールが融合したデザインはモダンでありながら飽きることがありません。
モノトーンのインテリアでまとめればクールで知的な空間が完成します。
ステンレスやガラスといった硬質な素材のサイドテーブルとの相性も抜群です。
日々の喧騒を忘れさせてくれる静かで上質な時間を約束してくれる一台です。
リゾートモダン ウォールナット調ベッド
豊かな自然に囲まれたモダンなリゾートホテルのような癒やしの空間を求めるならこのスタイルがおすすめです。
フレームは深みのある美しい木目が特徴のウォールナット調で仕上げられています。
ヘッドボードはあえて装飾を排し高くまっすぐに伸びたシンプルなデザイン。
ここにアースカラーのファブリックを張り込むことで木の温もりと布の優しさが融合した極上のリラックス空間が生まれます。
観葉植物のグリーンや麻などの自然素材を使ったインテリアと組み合わせることでアジアやハワイのリゾートのような穏やかな空気が流れます。
心と体を解放しゆったりとした時の流れを感じさせてくれるベッドです。
ブティックグラム ベルベット調ベッド
デザインコンシャスなブティックホテルのような個性的でおしゃれな寝室にしたいならこのスタイルはいかがでしょうか。
ヘッドボードからフレームの側面まで全てがベルベット調の生地で覆われた総張り込みのベッドです。
色は深みのあるネイビーブルーやフォレストグリーンボルドーなど宝石のようなリッチカラーがおすすめです。
ヘッドボードには縦のラインが美しいチャンネルステッチが施されエレガントな中にモダンな表情を加えています。
脚部はゴールドやブラックのスチール製で華奢なデザインを選ぶとよりグラマラスな印象になります。
非日常的で少し大胆なこのベッドは寝室の絶対的な主役となりあなたの個性を輝かせてくれるでしょう。
ファンクショナルラグジュアリー 照明付きベッド
日本の新しい高級ホテルのようにミニマルな美しさと最高の機能性を両立させたいならこのスタイルです。
無駄を削ぎ落とした直線的なフォルムのヘッドボードには柔らかな光を放つ間接照明が組み込まれています。
スイッチ一つで寝室が癒やしの空間に変わります。
スリムな宮棚にはスマートフォンを充電できるコンセントやUSBポートがスマートに設置されており機能性も万全です。
フレームの色は清潔感のあるホワイトや上質なグレーなどがおすすめです。
見た目はあくまでシンプルですがその細部に最新の快適さが宿っています。
何もしない贅沢を心ゆくまで堪能できるまさに現代のラグジュアリーを体現したベッドです。
グランドスイート ハイバックベッド
まるで映画のワンシーンのような最高級スイートルームの寝室を自宅で再現したい。
そんな究極の夢を叶えるのがこのスタイルです。
特徴は何と言っても天井に届きそうなほど高く壮大なハイバックのヘッドボードです。
ウレタンをたっぷり含んだファブリック張りで体を優しく包み込みます。
ヘッドボードの左右が少し手前にせり出したウィングバックデザインはプライベート感を高め圧倒的な存在感と安心感を両立させます。
このベッドを置けばそこはもう単なる寝室ではありません。
あなただけの特別なサンクチュアリです。
日常を忘れさせてくれるほどの非日常感と包容力。
これ以上ない贅沢な眠りを求めるあなたに捧げる究極の一台です。
店主のつぶやき ホテルライクな寝室を実現するクイーンベッドの選び方
・クイーンサイズベッド
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・ホテルライクな寝室を実現するクイーンベッドの選び方