軽くて調湿効果抜群 キングサイズの桐すのこベッドの魅力


こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
日本の寝室にとって永遠の課題である「湿気」。
その悩みを解決するために、古来から日本の暮らしを支えてきた奇跡の木材があることをご存じでしょうか。
それが「桐」です。
嫁入り道具の高級タンスとして知られる桐は、驚くほど軽く、そしてまるで呼吸するかのように湿度を調節する、優れた能力を持っています。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、この桐を贅沢に使った「桐すのこベッド」の計り知れない魅力と、その実力を徹底的に解説していきます。

古来から愛される桐という木材の優れた特性

桐は、日本では古くから高級木材として、大切なものを守るために使われてきました。
その背景には、他の木材にはない、桐だけが持つ、いくつもの優れた特性があります。
その驚くべき能力を知れば、なぜ桐がすのこに最適なのかがお分かりいただけるはずです。

日本の木材で最も軽い その驚きの軽量性

桐の特性として、まず特筆すべきなのが、その「軽さ」です。
桐は、日本国内で手に入る木材の中では、最も比重が軽く、非常に軽量です。
同じ体積の杉と比べても、その重さは3分の2程度しかありません。
この軽さが、ベッドフレーム、特にキングサイズのような大きな家具において、多くのメリットをもたらします。
日頃のメンテナンスや掃除が、非常に楽になります。
キングサイズのベッドともなれば、フレーム自体の重量もかなりのものになりますが、すのこ部分に軽量な桐材が使われていることで、総重量を大きく抑えることができます。
ベッド下の掃除をする際にフレームを少し動かしたり、マットレスを上げてすのこを掃除したりといった作業が、女性の力でも比較的楽に行えるのです。
お部屋の模様替えや、引っ越しの際の移動の負担も、大幅に軽減されます。
この軽さは、ベッド自体の構造にも良い影響を与えます。
床板を持ち上げてベッド下を収納スペースとして使う「跳ね上げ式ベッド」では、床板が軽い桐すのこであることで、ガス圧ダンパーへの負担が減り、よりスムーズで軽い力での開閉が可能になります。
ただ軽い、というだけでなく、その軽さが、日々の暮らしの快適さと、家具としての機能性を、確実に向上させてくれるのです。

湿気を吸って吐く 天然の調湿効果

桐が持つ、最も重要な特性。
それが、まるで呼吸するかのような、優れた「調湿効果」です。
桐の木材の内部は、独立した無数の気泡からなる、多孔質な構造になっています。
この気泡が、湿度が高い時には、空気中の水分を吸収し、逆に、空気が乾燥している時には、内部に蓄えた水分を放出するという、天然の除湿・加湿器のような働きをします。
この性質により、桐で作られた空間の内部は、常に一定の快適な湿度に保たれるのです。
古くから、大切な着物や骨董品、掛け軸などを、桐のタンスや箱に保管してきたのは、この優れた調湿効果によって、湿気によるカビや、乾燥によるひび割れから、中身を守るためでした。
この素晴らしい能力は、寝具にとっても、まさに理想的です。
寝ている間にかく汗によって、マットレスの底面にこもりがちな湿気を、桐のすのこが吸収し、日中の乾燥した時間に、それを放出してくれる。
このサイクルが、マットレスを常にサラッとした、快適な状態に保ち、カビやダニが繁殖しにくい、衛生的な睡眠環境を創り出してくれるのです。
高温多湿な日本の気候において、これほど頼りになる素材は、他にありません。

燃えにくく腐りにくい 高い耐久性と防虫効果

桐は、軽いだけでなく、非常に優れた耐久性も兼ね備えています。
桐は、木材の中でも、熱伝導率が極めて低く、発火点が高いという性質を持っています。
そのため「燃えにくい」木材として知られています。
火事の際に、桐タンスだけは、表面が黒焦げになっても、中の衣類は無事だった、という話が残っているほどです。
桐の成分には、タンニンやパウロニン、セサミンといった、防腐効果や、防虫効果を持つ成分が豊富に含まれています。
湿気の多い場所でも「腐りにくく」、虫がつきにくい、という大きなメリットがあります。
大切な衣類を、防虫剤なしでも、桐タンスが守ってくれるのは、このためです。
この特性は、ベッドのすのことしても、非常に有効に働きます。
湿気による腐食を防ぎ、木材を食べる虫の害からも、ベッドを守ってくれます。
桐は、収縮率が非常に小さく、寸法安定性が高い木材でもあります。
湿度によって、木材が反ったり、割れたり、歪んだりすることが少ないため、長期間にわたって、きしみ音の少ない、安定した品質を保つことができるのです。
軽く、湿気に強く、燃えにくく、腐りにくい。
そして、虫も寄せ付けない。
桐は、まさに、日本の暮らしを守るために生まれた、スーパーウッドなのです。

桐すのこベッドが湿気に特に強い理由

すのこベッドは、それ自体が通気性に優れた構造ですが、その素材が「桐」であることで、湿気対策の効果は、他の木材とは比較にならないレベルにまで高まります。
その科学的な理由を、詳しく解説します。

桐の多孔質な構造が湿気をコントロール

桐の木材を、顕微鏡で拡大して見ると、その内部が、非常に細かく、独立した無数の空洞(細胞)で満たされていることが分かります。
まるで、発泡スチロールのような、ハニカム構造になっているのです。
この「多孔質(たこうしつ)」な構造こそが、桐の持つ、様々な優れた能力の秘密です。
この無数の空洞が、木材内部に、たくさんの空気を含んでいます。
空気を多く含むため、熱が伝わりにくく、断熱性が高くなります。
これが「燃えにくい」理由であり、触れた時に、ほんのりとした温かみを感じる理由でもあります。
そして、この空洞が、湿気をコントロールする上で、決定的な役割を果たします。
湿度が高い時には、この空洞が、まるでスポンジのように、空気中の水分を吸収します。
逆に、周りの空気が乾燥すると、今度は、蓄えていた水分を、ゆっくりと放出します。
重要なのは、この水分を吸収・放出するプロセスが、木材の細胞が生きているかのように、非常に緩やかに行われるという点です。
急激な湿度変化を緩和し、周囲の湿度を、常に一定の快適なレベルに保とうとする、天然のエアコンのような働きをしてくれるのです。
この能力が、寝汗で湿度が上がりやすい、マットレスとすのこの間の空間を、常にドライで快適な状態に維持してくれるのです。

マットレスとすのこの間の結露を防ぐ

冬場、暖房をつけた暖かい寝室で、冷たい床や壁の近くで寝ていると、ベッドの下で「結露」が発生することがあります。
私たちの体温や暖房で温められた、湿気を含む空気が、冷たい床板などに触れて、急激に冷やされることで、空気中の水蒸気が、水滴に変わる現象です。
この結露は、マットレスの底面を濡らし、カビの最大の原因となります。
ここで、桐すのこの持つ、もう一つの優れた特性「断熱性」が、大きな力を発揮します。
先述の通り、桐は、内部に多くの空気を含むため、熱を伝えにくい、非常に優れた断熱材です。
床からの冷気が、すのこ板を通して、マットレスに伝わるのを、効果的に防いでくれます。
マットレスの底面が、冷やされにくくなるため、結露が発生するリスクを、大幅に低減することができるのです。
桐すのこが、マットレスと冷たい床との間に、一枚の「断熱層」を形成してくれる、とイメージすると分かりやすいでしょう。
湿気を吸い取る「調湿効果」と、結露を防ぐ「断熱効果」。
この二つの相乗効果によって、桐すのこベッドは、一年を通して、マットレスを、湿気とカビの脅威から、強力に守ってくれるのです。

カビやダニが繁殖しにくい衛生的な環境

カビやダニが繁殖するためには「高い湿度」「適度な温度」「エサとなる栄養分」の三つの条件が必要です。
桐すのこベッドは、このうちの「高い湿度」という、最も重要な条件を、根本から断ち切ってくれます。
桐の優れた調湿効果によって、マットレス周りの湿度が、カビやダニが好む70%以上になるのを防ぎ、常に50%前後の快適な湿度帯に保とうとします。
湿度が低ければ、カビやダニは、たとえ温度や栄養分があっても、繁殖することができません。
桐の木材自体に含まれる、タンニン、パウロニン、セサミンといった成分には、菌の繁殖を抑える「抗菌作用」や、虫を寄せ付けない「防虫作用」があります。
ダニは、桐の持つこれらの成分を嫌うため、桐材には、そもそも寄り付きにくいのです。
つまり、桐すのこベッドは、湿気をコントロールすることで、カビやダニが「住みにくい」環境を作るだけでなく、木材自体が持つ力で、カビやダニを「寄せ付けない」という、二重のディフェンス機能を持っているのです。
アレルギーの原因となる、ハウスダストの発生を抑制し、非常に衛生的で、健康的な睡眠環境が実現します。
アレルギー体質の方や、小さなお子様がいるご家庭にとって、この衛生面のメリットは、計り知れない価値があると言えるでしょう。

パイン材や杉材との違いを徹底比較

すのこベッドには、桐以外にも、パイン材(松)や、杉材といった、様々な木材が使われています。
それぞれに良い点がありますが、桐と比べると、どのような違いがあるのでしょうか。
具体的なポイントで、徹底的に比較してみましょう。

重量の比較 メンテナンスのしやすさ

最も分かりやすく、そして日々の使い勝手に大きく影響するのが「重量」です。
先述の通り、桐は、日本の木材の中で、最も軽いという特徴を持っています。
これに対して、すのこベッドによく使われるパイン材や杉材は、桐よりも比重が重い木材です。
具体的な比重で比較すると、桐が約0.3であるのに対し、杉は約0.38、パイン材は約0.42から0.5程度となります。
つまり、杉は桐の約1.3倍、パイン材は、約1.4倍から1.7倍も重い、ということになります。
この差は、キングサイズのような、大きなベッドになればなるほど、総重量として、顕著に現れます。
すのこ部分だけで、10kg以上の差が生まれることも珍しくありません。
この重量の差は、日頃のメンテナンスのしやすさに、直結します。
月に一度、マットレスを上げて、すのこに風を通したり、すのこの下を掃除したり、といった作業は、すのこが軽ければ軽いほど、楽に行えます。
桐すのこであれば、女性一人でも、比較的楽に持ち上げることができますが、重いパイン材や杉材のすのこは、一人で動かすのは、一苦労かもしれません。
日々のメンテナンスを、億劫に感じさせない。
この「軽さ」は、ベッドを長く、清潔に使い続ける上で、非常に重要な性能と言えるのです。

調湿性能の比較 日本の気候への適応力

湿気対策の要となる「調湿性能」においても、桐は、他の木材に比べて、頭一つ抜けた能力を持っています。
杉やパイン材にも、ある程度の調湿効果はありますが、桐の持つ、多孔質な細胞構造による、湿度のコントロール能力は、それをはるかに凌駕します。
湿度の高い環境では、より多くの湿気を吸収し、乾燥した環境では、より効果的に水分を放出する。
この吸収・放出のスピードと量が、他の木材とは違うのです。
一年を通して、湿度変化の激しい日本の気候において、マットレス周りの湿度を、最も安定して快適な状態に保つことができるのが、桐すのこです。
杉やパイン材のすのこでも、もちろん、通気性のない一枚板の床板に比べれば、はるかに高い湿気対策効果があります。
しかし「最高の湿気対策」を求めるのであれば、やはり、桐に勝るものはありません。
汗をかきやすい方や、気密性の高いマンションにお住まいの方、あるいは、高価なマットレスを、絶対にカビさせたくない、と考える方にとっては、桐すのこを選ぶ価値は、非常に大きいと言えるでしょう。

耐久性と価格のバランスを考える

耐久性については、木材の硬さという点では、杉やパイン材の方が、桐よりも硬いという性質があります。
一点に強い衝撃が加わった際の「傷のつきにくさ」という面では、杉やパイン材に軍配が上がります。
ベッドのすのことして、長期的に使用する上での「耐久性」は、硬さだけで決まるものではありません。
前述した通り、桐は、湿気による伸縮や反りが非常に少なく、腐りにくく、虫もつきにくい、という、優れた特性を持っています。
長期間にわたって、安定した形状と品質を保つことができるのです。
パイン材や杉材は、桐に比べて、湿気による変形が起きやすく、節が多い部分などから、割れが生じる可能性もあります。
価格の面です。
材料としての価格は、桐の方が、杉やパイン材よりも高価です。
桐を贅沢に使用したすのこベッドは、どうしても、販売価格が高くなる傾向にあります。
杉やパイン材のすのこベッドは、比較的、手頃な価格帯のものが多く、コストパフォーマンスに優れています。
何を最優先するかによって、最適な選択は変わってきます。
最高の調湿性能と軽さを求めるなら「桐」。
コストを抑えつつ、すのこの基本的なメリットを享受したいなら「杉」や「パイン材」。
それぞれの特性を理解し、ご自身の予算と、求める性能のバランスを考えて、選ぶことが大切です。

桐すのこベッドを長く使うためのお手入れ方法

優れた特性を持つ桐材ですが、その能力を最大限に引き出し、長く美しく使い続けるためには、桐ならではの、お手入れのコツがあります。
他の木材とは少し違う、桐との上手な付き合い方を知っておきましょう。

桐は水分に弱い 乾拭きが基本

桐は、湿気を吸う能力が高い木材自体は、水分にあまり強くありません。
濡れた雑巾でゴシゴシと拭いてしまうと、木材が水分を吸いすぎてしまい、表面が毛羽立ったり、シミになったりする原因になります。
桐すのこベッドの日常的なお手入れは、必ず「乾いた、柔らかい布」で、優しくホコリを拭き取る「乾拭き」を基本としてください。
掃除機で、すのこの表面や隙間のホコリを吸い取るのも、効果的です。
もし、どうしても水拭きが必要な汚れが付いてしまった場合は、雑巾を、これ以上ないというほど、固く、固く絞ってから、手早く拭き、すぐに乾いた布で、水分を完全に拭き取ってください。
そして、その後、風を当てて、しっかりと乾燥させることが重要です。
桐は、水分を嫌う、ということを、常に心に留めておいてください。

汚れが付いた場合の対処法 サンドペーパーの活用

もし、桐のすのこに、拭いても取れないシミや、黒ずみが付いてしまった場合。
多くの桐すのこベッドは、桐の自然な風合いを活かすため、表面に塗装が施されていない「無垢」の状態で仕上げられています。
この無垢の桐材だからこそできる、効果的なお手入れ方法が「サンドペーパー(紙やすり)」で、表面を軽く削る、という方法です。
ホームセンターなどで手に入る、目の細かいサンドペーパー(240番から400番程度)を用意し、汚れた部分を、木目に沿って、優しく、均一に削ります。
強く削りすぎると、その部分だけが凹んでしまうので、あくまで表面の薄皮を一枚剥がすような感覚で行ってください。
汚れが消えたら、削った部分と、その周りの境界線が、自然に馴染むように、ぼかすように削ります。
乾いた布で、削りカスをきれいに拭き取れば、まるで新品のような、きれいな木肌が蘇ります。
この方法は、汚れだけでなく、小さな傷を目立たなくする際にも有効です。
自分でメンテナンスをして、美しさを再生できる。
これも、無垢の桐材ならではの、大きな魅力です。

凹みはお湯で元に戻る 驚きの復元力

桐材が持つ、もう一つの驚くべき特性、それが「復元力」です。
もし、すのこに、何か硬いものを落としてしまい、小さな「凹み傷」ができてしまったとしても、諦める必要はありません。
桐には、その凹みを、元に戻す、不思議な力が備わっています。
その方法は、とても簡単です。
凹んだ部分に、濡らしたタオルや、水を数滴垂らして、水分を染み込ませます。
そして、その上から、アイロンのスチームを当てたり、濡れタオルを置いて、その上から高温のアイロンを数秒押し当てたりします。
すると、凹んで潰れていた桐の繊維が、水分と熱によって膨張し、むくむくと盛り上がって、凹みが、ほとんど分からなくなるのです。
桐の繊維が、非常に柔らかく、弾力性に富んでいるからこそ可能な、まさに魔法のような現象です。
ただし、この方法は、繊維が断ち切られてしまう「切り傷」には効果がありません。
あくまで、打撃による「凹み傷」にのみ有効です。
アイロンを当てすぎると、焦げ付きの原因になるので、様子を見ながら、慎重に行ってください。
この驚きの復元力を知っていると、桐のベッドへの愛着が、さらに深まることでしょう。

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