こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
憧れのキングサイズベッドを購入したのに、マットレスの裏を見たら黒い点々が…なんて想像もしたくないですよね。
高温多湿の日本では、ベッドとカビは切っても切れない悩みです。
ご安心ください。
その悩みを解決する最高の答えが「すのこベッド」です。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、なぜ日本の寝室にすのこベッドが最適なのか、その科学的な仕組みから、さらに効果を高めるプロの技、そしてカビを寄せ付けないためのお手入れ法まで、徹底的に解説いたします。
なぜ日本の寝室にすのこベッドが最適なのか
数あるベッドの種類の中で、なぜ私たちは日本の寝室に「すのこベッド」を強くおすすめするのでしょうか。
その答えは、この国の気候と、私たちの体の仕組み、そして古くからの文化の中に隠されています。
高温多湿な日本の気候という宿命
日本は、世界的に見ても非常に湿度が高い、いわゆる「多湿気候」の国です。
春には長雨が続き、夏は蒸し暑さが厳しく、秋には台風が多くの雨をもたらします。
そして冬には、暖房による室内外の温度差から、窓や壁に結露が発生します。
私たち日本の暮らしは、一年を通して「湿気」との戦いと言っても過言ではありません。
この湿気は、住まいにとって、そして家具にとって大敵です。
寝室は家の中でも湿気がこもりやすい場所の一つ。
そして、その寝室で最もカビの標的になりやすいのが、ベッドとマットレスなのです。
マットレスの内部や裏側は、空気が滞留しやすく、一度湿気を含むとなかなか乾きません。
カビは「高い湿度」「適度な温度」「栄養分(ホコリや皮脂など)」の3つの条件が揃うと、爆発的に繁殖します。
日本の寝室は、まさにこの条件が揃いやすい、カビにとっては天国のような環境なのです。
この宿命とも言える気候の中で、大切なベッドと健康を守るためには、いかにして湿気を「溜めない」か、「逃がす」か、という視点が、ベッド選びにおいて最も重要になります。
そのための最もシンプルで効果的な答えが、通気性に特化した構造を持つ「すのこベッド」なのです。
人は寝ている間にコップ一杯の汗をかくという事実
寝室の湿度の原因は、外の気候だけではありません。
実は、私たち自身の体からも、大量の湿気が放出されています。
健康な大人は、一晩の睡眠中に、季節を問わず「コップ一杯分(約200ml)」もの汗をかくと言われています。
夏場はもちろん、冬場でも、暖房や厚着によって、意外と多くの汗をかいているのです。
この寝汗のほとんどは、水蒸気として体から発散され、掛け布団や敷布団、そしてマットレスへと吸収されます。
キングサイズベッドにご夫婦二人で寝ているとすれば、毎晩コップ二杯分、約400mlもの水分が、マットレスとその周辺に放出されている計算になります。
もし、ベッドの床板が、通気性のない一枚の板だったとしたら、どうなるでしょうか。
マットレスの底面に溜まった湿気は、行き場を失い、そこに留まり続けます。
これが、マットレスの裏側にびっしりとカビが生えてしまう、最も大きな原因となるのです。
どんなに寝室を除湿していても、自分たちの体から出る湿気を効率的に逃がしてあげなければ、根本的なカビ対策にはなりません。
すのこベッドは、この寝汗による湿気を、マットレスの底面から効率よく発散させるための、いわば「呼吸口」の役割を果たしてくれるのです。
古来からの知恵 すのこは日本の文化
すのこの歴史は古く、その原型は奈良時代の正倉院の宝物の中にも見ることができます。
古来、日本の家屋では、押し入れの床にすのこを敷き、布団や衣類を湿気から守ってきました。
お風呂の床や、お蕎麦を乗せる器など、水気の多い場所で、通気性を確保し、物を清潔に保つために、すのこは様々な形で活用されてきました。
高温多湿な日本の気候の中で、カビや腐敗を防ぎ、快適に暮らすために生み出された、先人たちの素晴らしい知恵の結晶です。
ベッドという西洋の文化が日本に入ってきた際、この日本の伝統的な知恵である「すのこ」を、ベッドの床板に応用したのが「すのこベッド」です。
それは、まさに西洋の文化と、日本の知恵が融合した、日本の暮らしに最も適したベッドの形と言えるでしょう。
フローリングが主流となった現代の住宅は、昔の日本家屋に比べて気密性が高く、より湿気がこもりやすい構造になっています。
だからこそ、この古来からの知恵である「すのこ」の重要性は、ますます高まっているのです。
すのこベッドを選ぶことは、ただ機能的なベッドを選ぶということだけでなく、日本の気候と向き合ってきた、先人たちの知恵と文化を取り入れることでもあるのです。
すのこの通気性がマットレスをカビから守る仕組み
では、具体的に、すのこの「通気性」は、どのようにしてマットレスをカビから守ってくれるのでしょうか。
そのシンプルながらも非常に効果的な仕組みを、板状の床板と比較しながら、詳しく解説します。
マットレスの下に空気の通り道を作る
すのこベッドの構造は、とてもシンプルです。
マットレスを乗せる床板が、一枚の板ではなく、複数の板を、隙間を空けて並べた「すのこ状」になっています。
この「隙間」こそが、カビ対策の最大の鍵です。
マットレスをすのこの上に置くと、マットレスの底面と、ベッドフレームの床との間に、無数の「空気の通り道」が生まれます。
寝ている間にかく汗や、室内の湿気は、マットレスの内部を通過し、この空気の通り道を通って、下へと抜けていきます。
つまり、すのこは、マットレスが常に「呼吸」できる状態を保ってくれるのです。
キングサイズのような大きなマットレスは、特に中央部分に湿気がこもりやすい傾向がありますが、すのこベッドであれば、ベッド全体の底面から、満遍なく湿気を逃がすことができます。
この空気の通り道は、湿気を逃がすだけでなく、新鮮な空気を取り込む役割も果たします。
マットレス内部の空気が常に入れ替わり、湿度が上がりにくい環境を維持することができるのです。
湿気を溜め込まず常に空気を循環させる
カビは、空気がよどみ、湿気が一箇所に留まることで発生します。
すのこベッドは、この「よどみ」を根本から解消してくれます。
ベッド下の空間と、すのこの隙間、そして寝室の空気が、一つの大きなサイクルとなって、常に対流し、循環するからです。
ベッドの横を人が歩いたり、部屋のドアが開閉したりするだけでも、空気は動きます。
そのわずかな空気の動きが、ベッド下の空気を動かし、すのこの隙間を通して、マットレスの底面の空気を入れ替えてくれるのです。
床との間に空間がある「脚付き」のすのこベッドは、この空気の循環効果が最も高くなります。
ベッドの下全体を、空気が自由に通り抜けられるため、湿気が一箇所に滞留する時間が極めて短くなります。
川の流れがよどまないのと同じ原理です。
常に空気が流れている場所では、カビは繁殖することが難しいのです。
すのこベッドは、寝室の中に、小さな「風の流れ」を作り出し、マットレスを常に新鮮な空気で満たしてくれる、非常に優れた換気システムであると言えるでしょう。
板状の床板との比較でわかる圧倒的な差
すのこベッドの優れた通気性は、通気性のない「板状の床板」と比較すると、その差は歴然です。
引き出し収納付きベッドや、安価な海外製のベッドの一部には、床板が、穴の開いていない一枚の化粧板などでできているものがあります。
このタイプの場合、マットレスの底面は、完全に板で蓋をされた状態になります。
寝汗などによってマットレスの底面に溜まった湿気は、全く逃げ場がありません。
マットレスと板の間は、密閉された狭い空間となり、湿度はどんどん上昇していきます。
まるでカビを培養するための実験ケースのような、最悪の環境です。
気密性の高い現代のマンションなどで、このようなベッドを使用した場合、たとえ毎日部屋の換気をしていたとしても、マットレスの裏側だけは、常に高湿度の状態が保たれてしまいます。
数ヶ月から一年程度で、マットレスの裏側に、黒いカビの斑点がびっしりと発生してしまう、という悲劇が、実際に多く報告されています。
その点、すのこベッドであれば、このようなリスクを劇的に低減できます。
キングサイズのような高価なマットレスを、長く、清潔に使い続けたいと願うなら、床板が「すのこ」であることは、もはや選択肢ではなく、必須の条件であると、私たちは考えています。
さらに湿気対策効果を高めるプロの技
すのこベッドは、それ単体でも非常に高い防カビ効果を発揮しますが、いくつかの簡単な工夫を組み合わせることで、その効果をさらに高め、鉄壁の湿気対策を施すことが可能です。
プロが実践する、ワンランク上のテクニックをご紹介します。
除湿シートとの併用で効果を最大化する
すのこベッドの湿気対策効果を、さらに確実なものにするための最強のパートナー、それが「除湿シート」です。
除湿シートは、マットレスの下や、ベッドパッドの下に敷くだけで、寝汗などの湿気を強力に吸収してくれる、薄いシート状のアイテムです。
すのこが湿気を「逃がす」役割だとすれば、除湿シートは湿気を「吸い取る」役割を果たします。
この「逃がす」と「吸い取る」の二段構えで、マットレスを湿気から徹底的に守るのです。
雨が続いて部屋の湿度が高い日や、汗をかきやすい夏場には、絶大な効果を発揮します。
多くの除湿シートには、湿気を吸うと色が変わって、干し時を知らせてくれる「吸湿センサー」が付いています。
センサーの色がピンクなどに変わったら、天気の良い日に数時間干すだけで、吸湿力が復活し、繰り返し使えるので非常に経済的です。
消臭効果や、ダニの繁殖を抑える防ダニ効果を兼ね備えた製品も多く、衛生的な睡眠環境を保つ上でも、非常に役立ちます。
キングサイズの場合は、シングルサイズ用の除湿シートを2枚並べて使うと、ぴったりとカバーできます。
すのこベッドと除湿シート。
この組み合わせは、日本の寝室における、カビ対策の「黄金コンビ」と言えるでしょう。
定期的にマットレスを立てかける習慣
どんなに優れたすのこベッドを使っていても、マットレスの底面は、常に私たちの体重で、すのこと密着しています。
より完璧な湿気対策を目指すなら、月に一度から二度、定期的にマットレスをすのこから離し、直接空気に触れさせてあげる習慣をつけることをお勧めします。
最も効果的なのは、マットレスを壁などに「立てかける」ことです。
マットレスの表裏両面、そしてすのこ自体にも、たっぷりと風を通すことができ、内部にこもった湿気を完全にリフレッシュさせることができます。
キングサイズの一体型マットレスは重くて大変ですが、2枚に分かれているセパレートタイプであれば、一枚ずつなので、比較的楽に立てかけることが可能です。
時間は、1時間から2時間程度でも十分です。
その際、寝室の窓を開けて、換気しながら行うと、さらに効果が高まります。
もし、マットレスを立てかけるのが難しい場合は、マットレスの片側を持ち上げて、その下に椅子やクッションなどを挟み、マットレスとすのこの間に、大きな隙間を作ってあげるだけでも、かなりの効果があります。
朝起きた時に、掛け布団をすぐに元に戻さず、めくったままにしておく、というのも、毎日の生活の中で簡単にできる、有効な湿気対策です。
寝室の換気とベッドの配置の重要性
ベッド自体の対策と合わせて、寝室全体の環境を整えることも、カビ対策には欠かせません。
基本中の基本ですが「毎日の換気」を習慣にしましょう。
朝起きたら、寝室の窓を2ヶ所以上開け、空気の通り道を作って、5分から10分程度、空気を入れ替えます。
睡眠中に部屋にこもった湿気を、一気に外に追い出すことができます。
意外と見落としがちなのが、ベッドの「配置」です。
お部屋を広く使うために、ベッドのヘッドボードやサイドを、壁にぴったりと付けて設置していませんか。
実は、この壁との隙間のない状態が、空気のよどみを生み、カビの温床となるのです。
外気との温度差が生じやすい、北側の壁や、窓際の壁にベッドを付けている場合は、結露が発生しやすく、非常に危険です。
理想的なのは、ベッドの全ての側面を、壁から「5cmから10cm」程度離して設置することです。
たったこれだけの隙間を作るだけで、ベッドの周りに常に空気が流れるようになり、湿気が滞留するのを防ぐことができます。
すのこベッドの通気性を最大限に活かすためにも、この「壁から離す」という配置の工夫を、ぜひ実践してみてください。
カビさせない為のすのこベッドの正しいお手入れ法
すのこベッドを長く、清潔に使い続けるためには、定期的なお手入れが欠かせません。
カビを寄せ付けないための、日常的なお掃除から、もしもの時の対処法まで、具体的な方法をご紹介します。
普段の簡単なお掃除 掃除機や乾拭き
すのこベッドの日常的なお手入れは、決して難しいものではありません。
ベッド周りのホコリは、カビの栄養源となります。
週に一度程度、ベッドのフレーム部分や、ヘッドボードの棚などを、乾いた柔らかい布で優しく拭き、ホコリを取り除きましょう。
ベッド下の空間も、ホコリが溜まりやすい場所です。
脚付きのすのこベッドであれば、掃除機やフローリングワイパーが奥まで届くので、こまめに掃除をしてください。
マットレスの表面も、シーツ交換の際に、掃除機をかける習慣をつけると、ダニの繁殖を防ぐのに効果的です。
すのこの隙間から下に落ちたホコリが気になる場合は、マットレスを少しずらして、掃除機のノズルで吸い取るようにしましょう。
これらの簡単なお手入れを習慣にすることが、カビの発生しにくい、クリーンな環境を維持するための第一歩です。
半年に一度の大掃除 すのこの拭き掃除
日常的なお掃除に季節の変わり目など、半年に一度は、マットレスを完全に下ろして、すのこ自体の本格的なお掃除を行うことをお勧めします。
すのこ板の表面に付着したホコリを、掃除機で丁寧に吸い取ります。
水で濡らして、これ以上ないというほど固く絞った雑巾で、すのこ板の一枚一枚を、木目に沿って丁寧に拭き上げていきます。
この時、雑巾に水分が残りすぎていると、かえって木材に湿気を与えてしまい、カビの原因になるので、くれぐれも注意してください。
汚れが気になる場合は、薄めた中性洗剤を使っても良いですが、その場合は、その後必ず、洗剤成分が残らないように、水拭きと乾拭きを徹底してください。
拭き掃除が終わったら、すぐにマットレスを戻さず、しばらくの間、窓を開けて、すのこに直接風を当て、完全に乾燥させます。
この一手間が、すのこを長持ちさせ、見えない部分のカビの発生を、未然に防ぐことに繋がるのです。
もしカビが初期発生してしまった場合の対処法
どんなに対策をしていても、梅雨の時期など、条件が重なると、すのこに僅かなカビが発生してしまう可能性はゼロではありません。
もし、黒い点々としたカビの初期症状を発見した場合は、慌てず、正しく対処することが重要です。
カビの胞子を吸い込まないように、マスクと手袋を着用してください。
消毒用のエタノール(アルコール)を、乾いた布に染み込ませ、カビが発生している部分を、優しく、丁寧に拭き取ります。
アルコールには、カビを殺菌する効果があります。
擦りすぎると、カビの菌糸が木材の奥に入り込んでしまうので、あくまで表面を拭き取る感覚で行ってください。
拭き取った後は、アルコールが完全に蒸発するまで、よく乾燥させます。
もし、拭き取っても黒ずみが残ってしまう場合は、目の細かいサンドペーパー(紙やすり)で、表面を軽く削り取る、という方法もあります。
削った後は、木材が毛羽立っているので、乾いた布で木くずをきれいに拭き取ってください。
重要なのは、カビを発見したら、被害が広がる前に、すぐに初期段階で対処することです。
そして、カビが発生したということは、その場所の湿度が高い、あるいは換気が不十分である、というサインです。
お手入れと同時に、寝室の環境を見直すきっかけにしましょう。
店主のつぶやき キングサイズすのこベッドでカビ対策は万全 湿気に強い理由
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