失敗しないチェストベッドの搬入!購入前に確認すべき通路と設置場所

こんにちは!ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
デザインや収納力で心惹かれるチェストベッドを見つけ、購入ボタンを押す…その前に、一つだけ絶対に確認していただきたいことがあります。
それは「お部屋まで無事に搬入できるか」という問題です。
私が17年間、数多くのお客様を見てきた中で、最も悲しい瞬間が「素敵なベッドが届いたのに、お部屋に入らない…」という事態です。
チェストベッドは部品が大きく、重いため、事前の搬入経路の確認が不可欠。
この記事では、失敗しないための採寸のコツから、難関箇所のチェックポイントまで、プロの視点で徹底的に解説します。

まずは梱包サイズをチェック!見落としがちなポイント

チェストベッドの搬入を考える時、多くの方がベッドが完成した後の「本体サイズ」を基準に考えてしまいます。
実際に運び込むのは、分解されたパーツが段ボールに入った「梱包」の状態です。
この「梱包サイズ」こそが、搬入の可否を判断する上で最も重要な数字となります。

「ベッド本体のサイズ」と「梱包サイズ」は全くの別物

まず大前提として、ベッドの商品ページに記載されている「幅100cm × 長さ200cm」といったサイズは、あくまで組み立て終わった後の寸法です。
チェストベッドは、通常3〜5個、多いものだと7個以上の段ボールに分かれて届きます。
そして、搬入経路を通れるかどうかは、その段ボールの中で「最も大きいもの」のサイズによって決まります。
シングルベッドの本体幅が100cmだとしても、ヘッドボードの梱包サイズが105cm × 90cm × 10cmだった場合、幅が60cmしかない廊下は物理的に通ることができません。
本体サイズだけを見て「うちの廊下は110cmあるから大丈夫」と判断してしまうのは、非常によくある失敗例です。
私たち販売店のウェブサイトでは、通常、商品詳細ページの下の方に「梱包サイズ」や「梱包重量」といった情報を記載しています。
複数の箱のサイズがリストアップされているはずですので、その中で「最も長い辺」「最も広い面」を持つ箱がどれかを確認してください。
メジャーを片手に、まずこの最大梱包サイズをしっかりとメモに控えること。
これが、失敗しない搬入計画の第一歩であり、最も重要な準備となります。
この情報を確認せずに購入してしまうと、玄関先で途方に暮れることになりかねませんので、絶対に忘れないでください。

最も大きな部品はどれ?ヘッドボードと側板の罠

チェストベッドの梱包の中で、最大の難関となることが多い部品は、主に「ヘッドボード」と「側板(サイドフレーム)」です。
宮棚(棚やコンセント、照明が付いたタイプ)付きのヘッドボードは、厚みと重さがあり、梱包も大きくなる傾向があります。
シングルサイズのベッドでも、ヘッドボードの梱包は幅100cm超え、高さも90cm前後になることが珍しくありません。
この一枚の大きな「板」が、曲がり角や階段で回転できるかどうかが、搬入の鍵を握ります。
もう一つの難関が、引き出し収納が一体化した「側板(サイドフレーム)」です。
チェストベッドの中には、引き出し部分がすでに箱(ユニット)として完成された状態で届く「半完成品」タイプがあります。
このタイプは組み立てが楽な反面、側板の梱包が「長さ約200cm × 高さ約50cm × 奥行き約50cm」といった、非常に大きくて重い箱になることがあります。
この長さ2mの巨大な箱を、自宅の廊下や階段でどうやって運ぶか、具体的に想像してみてください。
エレベーターの扉の高さや、階段の踊り場の広さが、この側板の長さよりも小さい場合、搬入は絶望的となります。
どの部品が最も大きいのかを事前に把握し、その「最大の敵」を基準に搬入経路をシミュレーションすることが極めて重要です。
商品ページで梱包サイズを確認する際は、ただ数字を見るだけでなく、どの箱がヘッドボードで、どの箱が側板なのかを意識しながらチェックすると、よりリアルに搬入の難易度をイメージできるでしょう。

玄関・廊下・階段・エレベーター、難関箇所の採寸方法

最大梱包サイズを把握したら、次はいよいよご自宅の搬入経路の採寸です。
メジャーを手に、玄関から寝室までの道のりを一つずつ丁寧にチェックしていきましょう。
ここでは、特に失敗しやすい難関箇所の正しい測り方をお教えします。

【第一関門:玄関ドア】ドアノブや郵便受けが盲点に

最初の関門は玄関ドアです。
ドアを開けて、開口部の「幅」と「高さ」を測ります。
この時、注意したいのが「有効寸法」で測る、ということです。
ドアの幅が90cmあっても、ドアノブが出っ張っていれば、実際に通れる幅はもっと狭くなります。
ドアノブや、ドアガード(U字ロック)、郵便受けの出っ張りなどを考慮し、最も狭い部分の幅を測ってください。
ドアを90度に開けた場合、ドア自体の厚みも有効幅に影響します。
ドアを最大まで開いて測るのが基本です。
高さに関しても同様で、ドアの上部についているドアクローザー(ドアがゆっくり閉まる装置)などが障害にならないか確認しましょう。
もし、梱包サイズがギリギリで通らない場合、最後の手段として「ドアを蝶番(ちょうつがい)から外す」という方法もあります。
少し手間はかかりますが、これだけで数センチの余裕が生まれ、搬入可能になるケースもあります。
マンションの場合は、玄関ドアだけでなく、共有エントランスの自動ドアや、各階のエレベーターホールから玄関までの通路も忘れずにチェックしてください。
アルコーブ(玄関前の少しへこんだスペース)が狭いと、そこで荷物を回転させることができず、立ち往生する場合があります。

【第二関門:廊下と曲がり角】「直線」だけでなく「回転」できるかが重要

玄関を無事に通過しても、次なる関門が廊下、特に「曲がり角(コーナー)」です。
直線の廊下は、その幅が梱包の一番短い辺よりも広ければ問題ありません。
重要なのは、L字やコの字に曲がっているコーナー部分です。
ここでは、荷物を寝かせたり立てたりしながら回転させて通ることになります。
この時、判断基準となるのは「廊下の幅」と「天井の高さ」です。
ヘッドボード(105cm × 90cm)を運ぶ場合、廊下の幅が95cmしかないと、そのままでは通りません。
荷物を縦にすれば、高さ90cmなので通過できます。
問題は、その縦にした状態で曲がり角を曲がれるか、です。
この時、天井が低いと、荷物の上部が天井にぶつかってしまい、回転させることができません。
曲がり角の採寸は非常に複雑ですが、一つの簡単な確認方法として、実際に荷物と同じ大きさの「段ボール」や「新聞紙を繋ぎ合わせたもの」などを用意し、それを搬入経路で動かしてみるのが最も確実です。
図面だけではわからない「体感的な通りやすさ」を確認できます。
廊下の途中に梁(はり)や柱の出っ張りがある場合は、その部分の幅と高さをピンポイントで測ることを忘れないでください。

【最難関:階段】手すりや照明、天井高をすべて測る

戸建て住宅やメゾネットタイプのマンションで、寝室が2階以上にある場合、最大の難関となるのが「階段」です。
階段の搬入は、平面の廊下とは異なり、荷物が常に「斜め」の状態で運ばれるため、採寸が非常に複雑になります。
階段の幅を測りますが、ここでも手すりの出っ張りを考慮した「有効幅」を測ることが重要です。
手すりが壁から5cm出っ張っていれば、階段の幅はその分狭くなります。
最も重要なのが「高さ」です。
Uターンするような「回り階段」や、途中に「踊り場」がある階段の場合、その曲がる部分の天井が低くなっていることが多くあります。
荷物を立てて運んでいる際に、この低い天井に荷物の上部がぶつかってしまい、それ以上進めなくなる、というケースが搬入失敗の典型例です。
階段の最も狭い部分、そして最も天井が低い部分をピンポイントで探し出し、そこを最大梱包サイズの荷物が通過できるかを厳密に確認してください。
階段の壁に取り付けられた照明器具も、意外な障害物になります。
照明の出っ張りを考慮した上で、荷物が当たらないかをシミュレーションしましょう。
階段の搬入可否の判断はプロでも難しい場合があります。
少しでも不安を感じたら、無理せず専門家(購入店のスタッフや、有料の下見サービスなど)に相談することをお勧めします。

お部屋での組み立てスペースは十分にありますか?

無事に寝室まで荷物を運び込めても、まだ安心はできません。
チェストベッドは部品が多いため、組み立てるための「作業スペース」が必要になります。
ベッドを置く場所だけでなく、その周りの空間も重要です。

「ベッドを置くスペース」≠「組み立てるスペース」という事実

これは非常によくある誤解なのですが、「ベッドを置くスペースさえあれば、組み立てはできる」と考えてしまう方がいらっしゃいます。
実際には、まず届いた複数の段ボールを開梱し、中からヘッドボード、側板、引き出しの材料といった全ての部品を取り出して広げるスペースが必要です。
そして、ベッドフレームを組んでいく際には、その周りを人が動き回り、工具を使ってネジを締めたりするスペースも必要になります。
6畳のお部屋にシングルベッドを置く場合、ベッドを置いた後の空きスペースはかなり限られます。
その状態で、長さ2m近い側板や、大きなヘッドボードを振り回しながら組み立て作業を行うのは、至難の業です。
壁や床、そして大切なベッドフレーム自体を傷つけてしまう原因にもなります。
したがって、購入前には「ベッドを設置するスペース」だけでなく、「ベッドを組み立てるための作業スペース」が確保できるかを、必ず確認する必要があります。
この認識を持つか持たないかで、当日の作業のスムーズさが全く違ってきます。

最低限必要な作業スペースの目安と確保のコツ

では、具体的にどれくらいの作業スペースが必要なのでしょうか。
一概には言えませんが、私がお客様にご案内している目安は、「ベッドを設置するスペースに最低でもその三方に50cm〜60cm以上の余裕があること」です。
つまり、シングルベッド(約1m × 2m)を組み立てるなら、理想としては「2m × 3m」程度の何もない空間が欲しいところです。
これだけのスペースがあれば、部品を広げ、安全に作業を進めることができます。
お部屋にそれだけのスペースがない場合は、どうすれば良いでしょうか。
コツは「事前の準備」にあります。
ベッドが届く前に、お部屋にある他の家具(タンスやデスク、テレビ台など)を、できる限り別の部屋に移動させておきましょう。
それが難しい場合は、お部屋の隅に寄せ、大きなビニールシートなどで覆って、ホコリや傷から保護します。
床も重要です。
開梱時や組み立て時に床を傷つけないよう、古い毛布やカーペット、あるいは届いた段ボール自体を床に敷いて、作業スペースを養生しておきましょう。
そして、組み立ては必ず説明書をよく読み、手順通りに進めること。
最初に引き出しをすべて作ってしまうと、その置き場所に困ることもあります。
フレームを先に組み、ある程度形になってから引き出しを作るなど、スペースを有効に使う工夫も必要です。

搬入経路が不安な方へ。
「組立設置サービス」という選択肢

ここまで読んでみて、「うちの搬入経路、ちょっと厳しいかも…」「組み立てるスペースも自信がないな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、多くの通販サイトでは心強い味方を用意しています。

有料組立設置サービスのメリット・デメリット

「組立設置サービス」とは、商品の配達時に、配送スタッフが寝室まで商品を運び込み、 その場で開梱・組み立てを行い、希望の場所に設置してくれる有料のオプションサービスです。
このサービスの最大のメリットは、何と言ってもその「安心感」と「手間の削減」です。
搬入のプロが、豊富な経験に基づいて、荷物を巧みに運び込みます。
自分たちでは無理だと思った狭い階段でも、プロの技術で通してしまうこともあります。
万が一、搬入中に壁や商品を傷つけてしまった場合も、運送会社の保険で対応してもらえるので安心です。
重い部品の持ち運びや、複雑で時間のかかる組み立て作業から一切解放されます。
体力に自信のない方や、忙しくて組み立てる時間がない方にとっては、絶大なメリットと言えるでしょう。
組み立て後に出る大量の段ボールや発泡スチロールといった梱包材を、すべて持ち帰って処分してくれるのも非常に嬉しいポイントです。
デメリットはやはり「追加料金」がかかることです。
サービスによっては、配送日時の指定が通常配送よりも制限される場合があります。
これらのメリット・デメリットを天秤にかけ、ご自身の状況に合わせて利用を検討するのが良いでしょう。

サービスの料金相場と、依頼する際の注意点

組立設置サービスの料金は、販売店や配送業者、お住まいの地域、ベッドのサイズによって異なりますが、一般的な相場としては【2万円〜3万円】程度です。
決して安い金額ではありませんが、搬入・組み立てにかかる時間や労力、そして失敗のリスクを考えれば、十分に価値のある投資だと私は思います。
このサービスを依頼する際には、いくつか注意点があります。
このサービスは、基本的に商品を購入する「同時」に申し込む必要があります。
商品が出荷された後から追加で依頼することはできない場合がほとんどですので、ご注意ください。
サービス内容をよく確認すること。
「開梱・組立・設置」は基本ですが、「梱包材の回収」までが含まれているかは、必ず確認しましょう。
稀に、回収は別料金というケースもあります。
そして最も重要な注意点が、このサービスは「搬入を保証するものではない」ということです。
プロが作業しても、物理的に通れない経路はどうすることもできません。
その場合でも、サービス料金や往復の送料が請求されることが一般的です。
ですから、このサービスを頼む場合でも、これまでご説明してきた「搬入経路の事前確認」は、お客様ご自身で必ず行っていただく必要があります。
「サービスを頼んだから大丈夫」と過信せず、あくまで「大変な作業を代行してもらう」ためのサービスとご理解いただくことが、トラブルを避けるための鍵となります。

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