こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
豪華なキングサイズベッドのフレームを選んだ後、次に待っている最も重要な選択。
それが「マットレス」です。
ベッドの寝心地は、フレームではなくマットレスで99%決まると言っても過言ではありません。
体格や眠りの癖が異なるお二人が一緒に使うキングサイズでは、マットレス選びの成否が、これからの毎日の睡眠の質、ひいては健康や夫婦関係にまで影響します。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、マットレスの基本から、お二人に最適な一枚を見つけるための具体的なポイントまで、専門用語を避け分かりやすく徹底解説します。
キングサイズマットレスの種類と特徴
キングサイズ(幅約180cm)のマットレスには、大きく分けて「一体型」と「セパレートタイプ」の2種類が存在します。
それぞれのメリットとデメリットを理解することが、お二人のライフスタイルに合った選択をするための第一歩です。
一体型マットレスのメリットと搬入の注意点
一体型マットレスとは、その名の通り、幅180cmの大きさで一枚に繋がっているマットレスのことです。
最大のメリットは、マットレスの中央に分割線(隙間)がないことです。
ベッドの真ん中でも境目を気にすることなく、広々と眠ることができます。
お子様と一緒に川の字で寝る可能性があるご家庭や、お二人で寄り添って眠りたいカップルにとっては、この「一体感」は非常に大きな魅力となるでしょう。
見た目にも継ぎ目がないため、すっきりと美しいベッドメイキングが可能です。
一体型マットレスには、購入前に必ず確認しなければならない、非常に大きな注意点があります。
それは「搬入経路」の問題です。
幅が180cm、長さが約195cmもある巨大で、なおかつ柔軟性のないマットレスは、一般的なマンションのエレベーターや、家の廊下、階段の踊り場などを通過できない可能性が非常に高いのです。
曲がり角のある廊下や、U字型の階段があるご家庭では、搬入はほぼ不可能に近いと言えます。
せっかく購入したのに、家に入らないという悲劇を避けるため、事前にエレベーターの扉の高さや奥行き、廊下の最も狭い部分の幅、階段の踊り場のスペースなどを、ミリ単位で正確に計測しておくことが絶対条件です。
もし搬入経路に少しでも不安がある場合は、一体型の選択は慎重に考えるべきです。
重量もかなりあるため、シーツ交換やマットレスのローテーションといった日頃のメンテナンスが、一人では困難であるという点も、デメリットとして考慮しておく必要があります。
2枚並べるセパレートタイプの利便性と選び方
セパレートタイプとは、キングサイズの幅180cmを、2枚の小さなマットレスを並べることで作り出す方法です。
最も一般的な組み合わせは、幅80cmのセミシングルサイズと幅100cmのシングルサイズを並べるパターンです。
このタイプの最大のメリットは、なんといっても「搬入の容易さ」です。
一枚一枚がシングルサイズ以下の大きさになるため、ほとんどのご家庭で搬入経路に悩むことなく、スムーズに寝室まで運び込むことができます。
この利便性の高さから、現在の日本の住宅事情においては、キングサイズではこのセパレートタイプが主流となっています。
メンテナンスが楽であることも大きな利点です。
一枚ずつなら重量もそれほどではないため、女性一人でもシーツ交換やマットレスのローテーションを比較的簡単に行うことができます。
お二人の体格や好みに合わせて、左右で異なる硬さのマットレスを選ぶことができるという、睡眠の質を追求する上での究極のメリットも持ち合わせています。
デメリットとして挙げられるのが、2枚のマットレスの間にできる「隙間」や「段差」です。
この境目が気になって、ベッドの中央で眠りにくいと感じる方もいらっしゃいます。
この問題は、T字型のウレタンを隙間に埋める「すきまパッド」や、2枚のマットレスをまとめて覆うことができるキングサイズ用の「ベッドパッド」と「ボックスシーツ」を併用することで、ほとんど気にならないレベルまで解消することが可能です。
搬入のリスクやメンテナンスの手間、そして個々の寝心地の追求といった点を総合的に考えると、多くの方にとって、このセパレートタイプが最も現実的で賢い選択と言えるでしょう。
三つ折りや折りたたみ式のキングサイズはあるのか
お客様から「キングサイズで、三つ折りや折りたたみ式のマットレスはありますか」というご質問をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、一般的なベッド用のスプリングコイルや厚手のウレタンを使用した、本格的な寝心地のキングサイズマットレスで、折りたたみ式のものは「ほとんど存在しない」のが現状です。
その理由は、キングサイズという大きさと厚みを持つマットレスを、折りたたむ構造にすること自体が技術的に非常に難しく、折り目部分の耐久性に大きな問題が生じるためです。
折りたたみマットレスは、主に省スペースを目的としたり、来客用として使われたりするシングルサイズなどが中心です。
もし、キングサイズで収納性を重視したいという場合は、マットレス自体を折りたたむのではなく、ベッドフレームの方を「折りたたみ式すのこベッド」などにして、その上に薄手の敷布団や軽量のウレタンマットレスを2枚並べて使う、という形になります。
これでは高級ベッドのようなしっかりとした寝心地や、体圧分散性は期待できません。
どうしても収納が必要な場合は、ベッド下に大容量の収納スペースを持つ「チェストベッド」や「跳ね上げ式収納ベッド」を選び、その上に高品質なセパレートタイプのマットレスを置く、という組み合わせが、寝心地と収納力を両立させるための最適な答えとなります。
キングサイズのマットレス選びにおいては、基本的には「一体型」か「セパレートタイプ」の二択であり、折りたたみという選択肢は、寝心地を最優先する観点からは、あまり現実的ではないとご理解いただくのが良いでしょう。
二人で寝るなら硬めか柔らかめか
マットレス選びで誰もが悩むのが「硬さ」の問題です。
これが、体格や好みの異なるお二人が一緒に使うとなると、さらに難易度が上がります。
どちらか一方が我慢するのではなく、お二人にとっての最適解を見つけるための考え方をご紹介します。
体格差を考慮した硬さ選びの基本
マットレスの最適な硬さは、その人の体重や体型によって変わります。
基本的には、体重が重い、あるいは筋肉質でがっしりとした体型の方は、体が沈み込みすぎないように、反発力の強い「硬め」のマットレスが適しています。
体重が軽い、あるいは細身で華奢な体型の方は、体がマットレスに馴染みやすいように、比較的「柔らかめ」のマットレスが合いやすいとされています。
もし、ご夫婦の体格差が大きい場合、例えばご主人が大柄で、奥様が小柄な場合、どちらか一方の体重に合わせてマットレスを選んでしまうと、もう一方は快適な睡眠を得られません。
大柄なご主人に合わせて硬めのマットレスを選ぶと、小柄な奥様にとっては体が全く沈腰や背中に隙間ができてしまい、体を痛める原因になります。
逆に、小柄な奥様に合わせて柔らかめのマットレスを選ぶと、大柄なご主人は腰が沈み込みすぎてしまい、「く」の字の不自然な寝姿勢になり、腰痛を引き起こす原因となります。
このようなミスマッチを防ぐためには、まずはお互いの体型の中間をとるような、適度な反発力とフィット感を両立した「普通(ミディアム)」の硬さのマットレスを試してみるのが一つの方法です。
後述する「ポケットコイルマットレス」は、体の凹凸に合わせて独立して沈み込むため、体格差のあるお二人でも比較的合いやすい傾向があります。
腰痛持ちの方が避けるべきマットレスとは
「腰痛持ちには硬いマットレスが良い」と、昔からよく言われますが、これは必ずしも正しくありません。
確かに、腰が沈み込みすぎる柔らかすぎるマットレスは、腰痛を悪化させる原因になるため避けるべきです。
逆に硬すぎるマットレスも腰痛には良くありません。
硬すぎるマットレスは、お尻や背中といった体の出っ張った部分だけで体重を支えることになり、腰の部分が浮いてしまいます。
腰回りの筋肉が常に緊張した状態になり、血行が悪化し、かえって腰痛を悪化させたり、新たな痛みの原因になったりするのです。
理想的なのは「自然な寝姿勢を保てる」マットレスです。
自然な寝姿勢とは、真っ直ぐに立った時の背骨のS字カーブを、横になった時もそのままキープできる状態のことです。
これを実現するためには、マットレスにある程度の柔らかさがあり、お尻や肩甲骨の出っ張りを吸収しつつ、腰のくびれの部分はしっかりと支えてくれる、優れた「体圧分散性」が必要になります。
腰痛にお悩みの方が選ぶべきは、単に硬いマットレスではなく、「高反発」で「体圧分散性」に優れたマットレスです。
高反発ウレタンや、高密度のポケットコイルマットレスなどが、その代表格です。
柔らかすぎる低反発マットレスや、硬すぎるだけの安価なマットレスは、腰痛持ちの方は避けるべきと言えるでしょう。
最終手段は左右で異なる硬さにする選択
お互いの体格差や好みの違いが大きく、どうしても一枚のマットレスでは双方が満足できない。
そんな場合の最終手段にして、最高の解決策が、前述したセパレートタイプの利点を活かし「左右で異なる硬さのマットレスを選ぶ」という方法です。
幅80cmのセミシングルサイズと幅100cmのシングルサイズを並べる場合、ご主人はシングルサイズの硬めのマットレス、奥様はセミシングルサイズの少し柔らかめのマットレス、といったように、それぞれが自分の体に完璧に合った一枚を選ぶことができます。
お互いが一切の妥協をすることなく、毎晩理想的な寝心地で眠ることができます。
この方法を選ぶ際に注意したいのが、2枚のマットレスの「厚み(高さ)」を必ず同じにすることです。
硬さが違っても、厚みが同じであれば、並べた時に大きな段差が生まれることはありません。
ブランドやシリーズが異なると、厚みが微妙に違うことがあるので、できるだけ同じメーカーの同じシリーズ内で、硬さ違いのモデルを選ぶのが賢明です。
この方法なら、腰痛持ちのご主人と、ソフトな寝心地が好きな奥様、といった組み合わせでも、それぞれが自分の体を労わりながら、最高の睡眠環境を構築することが可能です。
お互いの健康を尊重し、睡眠の質を最大限に高めたいと考えるお二人にとって、これはまさに究極の選択と言えるでしょう。
コイルとウレタンそれぞれのメリット
マットレスの寝心地を決定づける心臓部、それが内部の構造です。
大きく分けて、バネを使った「コイル」タイプと、樹脂素材の「ウレタン」タイプがあります。
それぞれの種類とメリットを理解し、お二人のニーズに合ったものを選びましょう。
ポケットコイル 横揺れが少なく二人に最適
二人で寝るためのマットレスとして、私たちが最も強くおすすめするのが、この「ポケットコイル」です。
ポケットコイルは、一つひとつのコイルスプリングが独立した不織布の袋に包まれており、マットレス内部にぎっしりと並べられています。
この構造の最大のメリットは、それぞれのコイルが独立して体の重みを支えるため、横方向への振動が伝わりにくいという点です。
パートナーが寝返りを打ったり、夜中にベッドから起き上がったりしても、その動きが自分の眠っている側にほとんど伝わってきません。
お互いの眠りを妨げることなく、朝までぐっすりと眠ることができます。
体重差のあるご夫婦や、眠りの深さが違うお二人にとっては、この「揺れの独立性」は非常に大きな価値を持ちます。
コイルが「点」で体を支えるため、体の凹凸に沿ってきめ細かくフィットし、優れた体圧分散性を発揮します。
特定の部分に圧力が集中するのを防ぎ、理想的な寝姿勢を保ちやすくなります。
コイルの数や配列、硬さを変えることで、様々な寝心地のバリエーションを作れるのも特徴です。
コイルの数が多いほど、よりきめ細かく体を支えることができます。
二人で寝るための快適性を最優先するならば、ポケットコイルは間違いなく、最も有力な選択肢となるでしょう。
ボンネルコイル 優れた耐久性と通気性
「ボンネルコイル」は、古くからある伝統的なマットレスの構造で、全てのコイルスプリングがワイヤーで連結されています。
コイル全体が一体化しているため、体を「面」で支えるのが特徴です。
寝心地は畳の上に布団を敷いたような、しっかりとした硬めの感触になります。
ポケットコイルに比べて、価格が比較的リーズナブルであることもメリットの一つです。
連結されたコイルは耐久性が高く、へたりにくいという長所も持っています。
構造的に内部に空洞が多いため、通気性にも優れており、湿気がこもりにくいという点も、日本の気候には適しています。
二人で寝る上での大きなデメリットとして、コイルが全て連結されているため、横揺れが伝わりやすいという点が挙げられます。
一方が動くと、その振動がマットレス全体に伝わってしまうため、パートナーの動きに敏感な方にはあまり向いていません。
体の凹凸に合わせて細かく沈み込むポケットコイルと比べると、体圧分散性も劣ります。
硬めの寝心地が好みで、耐久性とコストパフォーマンスを重視し、お互いの振動はそれほど気にならない、というお二人であれば、選択肢の一つとなるでしょう。
高反発ウレタン 寝返りのしやすさが魅力
コイルを使用しない、ノンコイルマットレスの代表格が「ウレタンフォーム」です。
その中でも「高反発ウレタン」は、その名の通り、反発力が強く、押し返す力に優れているのが特徴です。
体が沈み込みすぎず、しっかりと支えられるため、寝返りが非常に打ちやすいという大きなメリットがあります。
人は、一晩に20回から30回程度の寝返りを打つことで、体の血行を促し、体温を調節しています。
この寝返りがスムーズに行えるかどうかは、睡眠の質に大きく影響します。
高反発ウレタンは、体を動かそうとする力をサポートしてくれるため、少ない力で楽に寝返りを打つことができるのです。
コイルを使用していないため、非常に軽量で、日頃のメンテナンスや移動が楽であるという利点もあります。
体圧分散性にも優れており、腰痛持ちの方にも適しています。
ただし、ウレタン素材は一般的に通気性があまり良くないため、湿気対策が重要になります。
すのこベッドと組み合わせたり、除湿シートを活用したりといった工夫が必要です。
品質の低いものは耐久性が低く、すぐにへたってしまう可能性もあるため、密度(Dという単位で示される)が高い、品質の良いものを選ぶことが大切です。
低反発ウレタン 体を包み込むフィット感
高反発ウレタンと対照的な特徴を持つのが「低反発ウレタン」です。
こちらは、反発力が弱く、ゆっくりと沈み込み、ゆっくりと元に戻るのが特徴です。
この性質により、体の形に合わせてじんわりとフィットし、まるで体を優しく包み込むような、独特の寝心地を生み出します。
体圧分散性は非常に高く、体にかかる圧力を一点に集中させず、広範囲に分散させる効果に優れています。
床ずれ防止用の医療寝具などにも利用されています。
この包み込まれるようなフィット感は、一度体験するとやみつきになる方も多く、根強い人気があります。
二人で寝る上では、いくつかの注意点があります。
体が沈み込むため、寝返りが打ちにくいというデメリットがあります。
寝返りを妨げられると、睡眠の質が低下する可能性があります。
フィット感が高い分、夏場は熱がこもりやすく、暑く感じることがあります。
通気性もあまり良くないため、湿気対策は必須です。
そして、腰痛持ちの方にとっては、腰が沈み込みすぎてしまい、寝姿勢が崩れて症状を悪化させる危険性もあります。
この独特の寝心地が、お二人ともに好みである場合は良い選択肢となりますが、一方が寝返りを重視する場合や、暑がりの方、腰痛をお持ちの方がいる場合は、慎重に検討する必要があるでしょう。
マットレスの寿命と正しい買い替え時期
どんなに高品質なマットレスでも、残念ながら永遠に使えるわけではありません。
マットレスは消耗品です。
寿命が過ぎたマットレスを使い続けることは、睡眠の質を低下させ、健康を害する原因にもなります。
適切な買い替え時期を見極めるためのサインを知っておきましょう。
素材別の寿命年数の目安 コイルとウレタン
マットレスの寿命は、内部に使われている素材や、その品質によって大きく異なります。
あくまで一般的な目安ですが、素材別の寿命年数を知っておくことは、買い替え計画を立てる上で役立ちます。
バネを使った「コイルマットレス」ですが、比較的安価な「ボンネルコイル」で、寿命は5年から8年程度と言われています。
連結されたコイルは丈夫ですが、長年の使用でバネが弱ったり、表面の詰め物がへたってきたりします。
コイルが独立している「ポケットコイル」は、ボンネルコイルよりも耐久性が高く、寿命は8年から12年程度が目安です。
ただし、コイルの品質や数、表面の詰め物の量や質によって、寿命は大きく左右されます。
バネを使わない「ウレタンマットレス」ですが、こちらは品質の差が寿命に最も大きく現れます。
安価で密度の低いウレタンは、2年から3年でへたってしまうこともあります。
密度の高い高品質な「高反発ウレタン」や「低反発ウレタン」であれば、5年から8年程度の寿命が期待できます。
ラテックスなどの天然素材のマットレスは、耐久性が高く、10年以上使えるものもあります。
これらの年数は、あくまで適切なメンテナンスを行った上での目安です。
使い方や、寝る人の体重によっても寿命は変わってきますので、年数だけでなく、次にご紹介するような「買い替えのサイン」を総合的に見て判断することが重要です。
寝心地の悪化は買い替えのサイン 体の不調に注意
マットレスの寿命を判断する上で、年数以上に重要なのが「寝心地の変化」や「体の不調」です。
以下のようなサインが現れたら、それはマットレスが寿命を迎え、買い替えを検討すべき時期に来ているという、体からのメッセージかもしれません。
最も分かりやすいサインは「朝起きた時に、体のどこかが痛む」ことです。
腰や背中、肩などに、以前はなかった痛みや凝りを感じるようになったら要注意です。
マットレスのへたりによって体圧分散性が失われ、不自然な寝姿勢で眠っていることが原因である可能性が高いです。
「寝つきが悪くなった」「夜中に何度も目が覚める」「寝ても疲れが取れない」といった、睡眠の質の低下も、重要なサインです。
マットレスが体をしっかりと支えられなくなると、無意識に寝返りの回数が増えたり、逆に寝返りが打ちにくくなったりして、深い眠り(ノンレム睡眠)を妨げてしまいます。
「ベッドの真ん中が心地よく感じるようになった」というのも、意外なサインです。
いつも寝ている腰の部分が凹んでしまい、相対的にあまり使われていない真ん中の部分の方が、反発力が残っていて心地よく感じる、という現象です。
これらの体のサインは、見た目にはまだ問題ないように見えても、マットレスの内部が劣化していることを示しています。
見た目でわかる劣化のサイン 凹みや汚れ
体の不調と合わせて、マットレスの「見た目」にも、買い替えのサインははっきりと現れます。
シーツを外し、マットレス本体を明るい場所でじっくりと観察してみてください。
最も分かりやすいのが「目に見える凹み」です。
一番体重のかかる腰の部分が、明らかに窪んでいて、手で押しても元に戻らないようなら、それは内部のスプリングやウレタンが完全にへたってしまっている証拠です。
この凹みが、不自然な寝姿勢と腰痛の最大の原因となります。
マットレスの表面を触ってみて、内部の「スプリングの感触」がゴツゴツと体に当たるようになっていたら、それも寿命のサインです。
スプリングの上にある詰め物(ウレタンや綿)がへたってしまい、クッション性が失われている状態です。
寝返りを打つたびに「ギシギシ」「キーキー」といった音が鳴るようになった場合も、内部のスプリングが破損したり、劣化したりしている可能性があります。
表面の生地に、汗による「シミ」や「黄ばみ」、そして「カビ」による黒い斑点などがないかもチェックしましょう。
長年の使用で蓄積された汚れや湿気は、ダニや雑菌の温床となり、アレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす原因にもなります。
衛生面での問題も、マットレスの重要な寿命と考えるべきです。
これらの見た目のサインが一つでも見られたら、それはもう限界の合図です。
キングサイズベッドのマットレスに関して店主の見解
「一枚もの」への憧れを捨てよ?搬入リスクとメンテナンスから見る、シングル2枚連結(セパレート)の圧倒的優位性
キングサイズベッド(幅180cm)をご検討中のお客様から、「ホテルのような一枚ものの大きなマットレスで寝たい」というご相談をよくいただきます。
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
継ぎ目のない広大なマットレスに大の字になるのは、まさにキングサイズの醍醐味だからです。
17年間ベッドを販売し、配送現場の現実を見てきた私、店主佐藤としての見解は、「日本の住宅事情において、キングサイズマットレスは『シングル2枚(セパレート)』を選ぶのが最も賢明である」という結論に至っています。
最大の理由は「搬入」です。
キングサイズの一枚ものマットレスは、幅180cm×長さ195cm×厚さ20〜30cmという巨大な壁のような物体です。
重さも30kg〜40kgを超えます。
これを、日本の一般的な住宅の階段、廊下の曲がり角、マンションのエレベーターに通すことは、至難の業です。
圧縮ロール梱包で届くタイプもありますが、一度開封して復元してしまったら、引越しや部屋の模様替えの際、二度と部屋から出せないという「巨大な置物」と化すリスクがあります。
シングルマットレス(幅90cm〜97cm)を2枚並べるスタイルであれば、搬入の心配はほぼゼロになります。
そして何より、私がセパレートを推す理由は「メンテナンス性」にあります。
マットレスを長持ちさせるためには、3ヶ月に一度、頭側と足側を入れ替える「ローテーション」が必須です。
40kg近い一枚ものキングマットレスを、狭い寝室で持ち上げてひっくり返すのは、大人二人掛かりでも重労働で、腰を痛める原因にもなります。
シングル2枚なら、女性一人でもなんとか動かせる重さです。
日々のシーツ交換や、風を通すための陰干し作業のハードルが下がれば、結果としてマットレスは清潔に保たれ、寿命も延びるのです。
「でも、真ん中の隙間が気になるのでは?」
ご安心ください。
現在は、2枚のマットレスを強力に固定する「連結バンド」や、隙間を埋める「すきまパッド(スペーサー)」、そして2台を丸ごと包み込む「ファミリーサイズボックスシーツ」という三種の神器があります。
これらを駆使すれば、セパレートでありながら、体感的には一枚ものと変わらないフラットな寝心地を作り出すことが可能です。
「ロマン(一枚もの)」よりも「現実(セパレート)」を取る。
これが、キングサイズベッドを10年、20年と快適に使い続けるためのプロの鉄則です。
「隣の人が起きても気づかない」を実現するために。
夫婦の安眠を守るポケットコイルの絶対的価値
キングサイズベッドを選ぶ最大の動機は、「二人で寝ても狭くないから」だと思います。
ここで注意していただきたいのは、「広さ」と「振動」は別問題であるということです。
いくら幅が広くても、相手が寝返りを打つたびに地震のように揺れるマットレスでは、熟睡することはできません。
就寝時間が異なるご夫婦や、どちらかが眠りの浅いタイプである場合、振動問題は深刻です。
この問題を解決するために、私が強く推奨するのが「ポケットコイルマットレス」です。
安価な「ボンネルコイル」は、スプリング全体が連結されているため、一箇所にかかった荷重が全体に波及します。
つまり、夫が寝返りを打つと、妻側のスプリングも連動して揺れてしまうのです。
キングサイズのような大きな面であればあるほど、この揺れは増幅されやすくなります。
対して、ポケットコイルは、一つ一つのコイルが独立した袋に入っており、点で体を支える構造です。
これは「独立懸架サスペンション」のようなもので、夫が動いた部分のコイルだけが沈み込み、隣の妻側のコイルには振動を伝えません。
この「振動の遮断性」こそが、二人寝における平和維持装置となります。
キングサイズならではのメリットがあります。
それは「左右で硬さの違うマットレスを選べる(セパレートの場合)」という点です。
男性と女性では、体重や筋肉量、骨格のラインが大きく異なります。
大柄な男性は沈み込みすぎない「硬め」を好み、曲線的な体型の女性はフィット感のある「柔らかめ」を好む傾向があります。
一枚もののマットレスでは、どちらかが我慢するか、間をとって中途半端な硬さにするしかありませんでした。
シングル2枚を並べるキングサイズなら、夫は「ハードタイプ」、妻は「ソフトタイプ」のポケットコイルを選び、並べて一つのベッドとして使うことができます。
(※高さ・厚みが同じシリーズを選ぶことが前提です)
「一緒に寝る幸せ」と「個々の最適な寝心地」。
この両方を妥協せずに叶えられるのが、ポケットコイル×セパレートキングサイズの最大の魅力です。
予算を削ってボンネルコイルにするくらいなら、フレームのグレードを下げてでも、マットレスはポケットコイルに投資してください。
それが、17年間の経験から断言できる、夫婦円満の秘訣です。
シーツ交換の苦労を甘く見てはいけない。
「ボックスシーツ」と「パッド一体型」で乗り切る家事楽テクニック
キングサイズベッドのマットレス選びにおいて、盲点となりがちなのが「リネン類(シーツ・パッド)の運用」です。
お店で寝心地を試している時は気づきませんが、いざ自宅に届いて、最初の洗濯をしようとした時に、皆様その「巨大さ」に絶望することになります。
幅180cm〜200cmのキングサイズ用シーツや敷きパッドは、洗濯機に入れただけでドラムがいっぱいになります。
干す場所も、物干し竿一本を丸々占領します。
そして何より、重いマットレスを持ち上げて、四隅にゴムを引っ掛けるベッドメイキング作業は、毎週となると相当な重労働です。
この「家事の負担」を考慮せずに購入すると、シーツ交換がおっくうになり、不衛生な環境になりがちです。
店主佐藤からの提案です。
キングサイズマットレスを選ぶ際は、同時に「パッド一体型ボックスシーツ」を複数枚用意してください。
通常は「汗を吸う敷きパッド」と「マットレスを覆うボックスシーツ」の2枚をセットする必要がありますが、これを一枚に合体させた商品があります。
これなら、着脱の手間が一度で済み、洗濯物の量も減らせます。
ズレ防止にもなり、見た目もスッキリします。
前述した「シングル2枚(セパレート)」で運用する場合の裏技もあります。
普段の洗濯時は、シングルサイズのシーツ2枚として別々に洗うのです。
これなら洗濯機の容量も気にせず、干すスペースも確保しやすいです。
そして、来客時や、どうしても一枚の大きなベッドとして見せたい時だけ、上から全体を覆う「ファミリーサイズのキルトケット」や「大きなベッドスプレッド」を掛ける。
これだけで、家事の負担を劇的に減らしつつ、キングサイズの豪華さを維持できます。
マットレスの上に置く「ベッドパッド」も、ウール(羊毛)など吸放湿性に優れた素材を選ぶことをおすすめします。
キングサイズは二人分の汗(一晩でコップ2杯分以上!)を受け止めるため、湿気がこもりやすい環境です。
良いパッドを一枚挟むだけで、マットレス本体への湿気ダメージを軽減し、カビの発生を防ぐことができます。
「寝心地」だけでなく、「その後の生活(家事・メンテナンス)」まで想像して準備をすること。
これが、巨大なキングサイズベッドと賢く付き合うための、プロのアドバイスです。
店主のつぶやき キングサイズベッドの寝心地はマットレスで決まる 最適な選び方
・キングサイズベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・キングサイズベッドの寝心地はマットレスで決まる 最適な選び方
・キングサイズすのこベッドとマットレスの相性 最適な組み合わせ
キングサイズベッドの寝心地はマットレスで決まる 最適な選び方