こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
「ベッドの高さは欲しいけど寝るのは慣れた敷布団が良い」そうお考えになったことはありませんか。
フローリングに直接布団を敷くと湿気やホコリが気になる。
そんな悩みを解決するのが「すのこベッドと敷布団」の組み合わせです。
しかしこの組み合わせは一見良さそうに見えて実はいくつかの重要な注意点があります。
この記事ではすのこベッドで敷布団を使うメリットとデメリットからカビを防ぐための絶対条件そして快適な寝心地を実現するための布団の厚みやフレームの選び方までを徹底解説します。
正しい知識で最高の「すのこ布団ライフ」を始めましょう。
すのこに直接敷布団を敷くメリットデメリット
すのこベッドの上に敷布団を敷くスタイルは、日本の伝統的な睡眠文化と現代的なベッドの利便性を融合させたハイブリッドな形です。
この組み合わせには良い面と注意すべき面の両方があります。
まずはそのメリットとデメリットを正しく理解しましょう。
慣れ親しんだ寝心地と手軽なメンテナンス性
最大のメリットは、やはり長年慣れ親しんだ「敷布団の寝心地」をそのままベッドの上で再現できることです。
マットレスの柔らかなスプリング感が苦手な方や、畳に布団を敷いた時のような硬めの寝心地が好きな方にとって、これは何物にも代えがたい魅力でしょう。
敷布団はマットレスに比べて圧倒的に軽量で扱いやすいため、メンテナンスが手軽なのも大きな利点です。
天気の良い日にはベランダに運んで気軽に天日干しができます。
太陽の光をたっぷり浴びた布団は、湿気が飛んでふかふかになり、ダニ対策としても非常に効果的です。
マットレスではこうはいきません。
フローリングに直接布団を敷く場合と比べて、すのこベッドを使えば床との間に空間ができるため、ホコリを吸い込みにくく、衛生的な環境で眠ることができます。
ベッドの高さがあるため、布団の上げ下ろしやベッドからの立ち座りの際の腰への負担が軽減されるのも嬉しいポイントです。
底付き感や背中の痛みが出やすいという弱点
デメリットとして最も多く聞かれるのが「底付き感」です。
敷布団が薄いために、体重がかかった部分が沈み込み、下のすのこの硬さを背中や腰で感じてしまう現象です。
横向きで寝た際に肩やお尻が圧迫されて痛みを感じる方もいます。
これでは快適な睡眠は得られません。
この底付き感は、敷布団の厚みやすのこの構造によって大きく左右されます。
敷布団はマットレスのように体圧を分散させる機能が低いため、体の重い腰部分が沈み込みやすく、寝姿勢が崩れて腰痛の原因になる可能性もあります。
しっかりとした厚みと硬さのある敷布団を選ばないと、かえって体を痛めてしまうリスクがあるのです。
すのこベッドの硬質な寝心地が、敷布団を介してダイレクトに伝わりすぎる。
これが、すのこ布団スタイルの最大の弱点と言えるでしょう。
敷布団がすのこの隙間に落ち込む可能性
もう一つの注意点が、敷布団がすのこの隙間に落ち込んでしまう問題です。
安価なすのこベッドの中には、コストを抑えるためにすのこの板と板の間隔(ピッチ)が広く開いているものがあります。
このようなベッドの上に薄い敷布団を敷くと、体重がかかった部分の布団がすのこの隙間に「めり込む」ような形になり、表面が波打ってしまいます。
これでは寝心地が悪いだけでなく、敷布団の中綿が偏ったり傷んだりする原因にもなります。
すのこの角が体に当たって痛みを感じることもあります。
敷布団をすのこベッドで使う場合は、このすのこの間隔がなるべく狭いものを選ぶことが非常に重要です。
敷布団で使うことを想定して設計された「布団用すのこベッド」なども販売されています。
すのこベッドは本来マットレスと組み合わせて使うことを前提に設計されているものが多いため、敷布団で使いたい場合は、そのベッドが布団での使用に適しているかどうかを事前に確認する必要があります。
敷布団の湿気対策とカビ予防
敷布団は、マットレス以上に湿気を溜め込みやすい性質を持っています。
すのこベッドと組み合わせる場合でも、油断は禁物です。
この章では、敷布団をカビから守るための、絶対に欠かせない湿気対策について解説します。
マットレス以上に重要 毎日の布団の上げ下ろし
敷布団の湿気対策で最も基本的かつ重要なのが「毎日の布団の上げ下ろし」です。
いわゆる「万年床」の状態は、カビを意図的に育てているようなものだと心得てください。
人は一晩にコップ一杯分の汗をかきますが、敷布団(特に綿布団)は吸湿性が高い分、その湿気を内部に溜め込みやすい性質があります。
敷きっぱなしにしていると、布団の裏側とすのこの間に湿気がこもり、カビが繁殖するための絶好の環境を作り出してしまいます。
朝起きたら、必ず布団を畳むか、ベッドの上で半分に折りたたんで、布団の裏側とすのこの表面を空気に触れさせる習慣をつけましょう。
軽量な敷布団なら、壁に立てかけておくだけでも効果的です。
これを毎日繰り返すことで、その日のうちに湿気をリセットし、カビの発生リスクを大幅に減らすことができます。
すのこベッドだから大丈夫、という考えは禁物です。
マットレス以上にこまめなメンテナンスが必要である、ということを肝に銘じてください。
定期的な天日干しで内部の湿気をリセット
毎日の布団の上げ下ろしに週に1〜2回は「天日干し」を行いましょう。
太陽の紫外線には殺菌効果があり、布団内部の湿気を完全に乾燥させることで、カビだけでなくダニの繁殖も抑制できます。
特に湿度の高い梅雨の時期や、汗を多くかく夏場は、できるだけ頻繁に干すのが理想です。
天日干しが難しい場合は、布団乾燥機を活用するのも非常に有効です。
高温の温風で布団全体を乾燥させることができるため、天日干しと同等かそれ以上の効果が期待できます。
すのこベッドのフレーム自体も、布団を干している間に空気に晒されるため、ベッド全体の湿気対策になります。
この機会に、すのこの上に溜まったホコリを掃除機で吸い取るなど、ベッドフレームの掃除も合わせて行うと、カビの栄養源を取り除くことができ、さらに効果的です。
この定期的な完全乾燥が、敷布団を長く清潔に保つための秘訣です。
除湿シートの活用は必須と心得る
日々のメンテナンスを補助し、カビ対策を万全にするための必須アイテムが「除湿シート」です。
吸湿性の高いシリカゲルなどの素材で作られたシートで、すのこと敷布団の間に敷いて使います。
寝汗などの湿気を敷布団が吸い込む前に、このシートが強力に吸収し、すのこへの湿気の移行を防いでくれます。
多くの製品には、湿気の吸収状態を知らせるセンサーが付いており、センサーの色がピンクなどに変わったら、シート自体を天日干しすることで吸湿機能が回復し、繰り返し使えて経済的です。
敷布団を毎日上げ下ろしするのが難しい方や、汗っかきな方にとっては、まさに生命線とも言えるアイテムです。
敷布団で寝る場合は、この除湿シートは「あったら良いもの」ではなく、「なくてはならないもの」だと考えてください。
除湿シートを敷くことで、万が一布団のメンテナンスを少し怠ってしまった場合でも、カビの発生を最後の砦で食い止めてくれる保険のような役割を果たしてくれます。
敷布団の厚みはどれくらい必要か
すのこベッドで敷布団を使う際の快適性を左右するのが、敷布団の「厚み」です。
薄すぎる布団は底付き感の原因となり、体を痛めてしまう可能性があります。
この章では、快適な寝心地を実現するために必要な敷布団の厚みについて解説します。
目安は10cm以上 底付き感を防ぐ最低ライン
すのこベッドの上で快適に眠るための敷布団の厚みは、最低でも「10cm以上」を目安にしてください。
一般的な敷布団の厚みは7〜8cm程度のものが多いですが、これだと体重が重い方や横向きで寝る方は、すのこの硬さを感じてしまう可能性が高いです。
厚みが10cm以上あるボリュームタイプの敷布団であれば、クッション性が増し、底付き感を大幅に軽減できます。
ただし、これはあくまで最低ラインの目安です。
体重のある方や、より快適な寝心地を求める方は、12cm以上の極厚タイプを選ぶとさらに安心です。
購入時には、製品の厚みの表記を必ず確認しましょう。
長年使って中綿がへたってしまった薄い敷布団をそのまま使うのは避けるべきです。
新品の状態での厚みが重要になります。
体圧分散性に優れた固綿入りの三層構造敷布団
厚みと同時に、敷布団の「構造」にも注目することが大切です。
腰痛対策や寝心地を重視するなら、ポリエステルなどの固綿シートを、柔らかな巻き綿で挟んだ「三層構造」の敷布団がおすすめです。
中心にある固綿が、体をしっかりと支える芯材の役割を果たし、体重が重い腰部分の沈み込みを防ぎます。
理想的な寝姿勢を保ちやすく、腰への負担を軽減します。
同時に、表面の柔らかな巻き綿が、体の凹凸にフィットし、優しい肌触りを提供します。
この構造により、ただ厚いだけの布団に比べて、体圧分散性が向上し、底付き感を感じにくくなります。
一枚ものの綿布団に比べてへたりにくいのも特徴です。
敷布団を選ぶ際は、単に厚みだけでなく、こうした機能的な構造を持っているかどうかもチェックすると、より質の高い睡眠を得ることができます。
薄い敷布団ならアンダーマットレスとの併用を
「今使っている敷布団は薄いけれど、まだ使えるので買い替えたくない」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、敷布団の下に「アンダーマットレス」を敷くという方法が非常に有効です。
アンダーマットレスとは、厚さ3〜5cm程度のウレタンフォームなどでできた、敷布団の下に敷くための専用マットレスです。
これを一枚加えるだけで、すのこと敷布団の間にクッション層が生まれ、底付き感を劇的に改善することができます。
体圧分散性も向上するため、寝心地が格段に良くなります。
アンダーマットレス自体は軽量なので、敷布団と一緒に立てかけて干すことも可能です。
三つ折りにできるタイプを選べば、収納にも困りません。
この方法は、薄い敷布団の弱点を補うための非常に合理的な解決策です。
敷布団の寝心地は好きだけれど、もう少しクッション性が欲しい、というニーズにも応えてくれます。
敷布団派におすすめのすのこベッドフレーム
敷布団で寝ることを前提とした場合に、どのようなすのこベッドフレームを選べば良いのか、そのポイントを解説します。
全てのすのこベッドが敷布団に適しているわけではありません。
敷布団派のための、賢いフレーム選びの秘訣をお教えします。
すのこの間隔が狭い頑丈なフレームを選ぶ
敷布団で使う場合に最も重要なのが、「すのこの板と板の間隔(ピッチ)が狭い」フレームを選ぶことです。
この間隔が広いと、前述の通り、布団が隙間に落ち込んでしまい、寝心地が悪くなる原因になります。
すのこの間隔が狭く、板一枚一枚が太く厚い「頑丈すのこ」仕様のベッドを選びましょう。
このようなフレームは、体重を点で支える敷布団の使用を想定して設計されていることが多く、安定感が抜群です。
フレーム全体の耐荷重が高いものを選ぶことも重要です。
敷布団はマットレスに比べて体重がダイレクトにフレームに伝わるため、頑丈な作りのものを選ぶと、きしみやたわみが少なく、長く安心して使えます。
商品を選ぶ際には、「布団使用可能」と明記されているか、すのこの構造がどうなっているかを写真や説明文でしっかりと確認してください。
無塗装の桐すのこは調湿効果が高い
湿気対策をさらに強化したいなら、すのこの素材に「桐」を使用し、なおかつ塗装が施されていない「無塗装」のものがおすすめです。
桐は、木材の中でも特に優れた調湿効果を持つことで知られています。
湿度が高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には放出するという性質で、布団の下の湿度を快適に保ってくれます。
塗装が施されていない無塗装の状態であれば、木の呼吸が妨げられず、この調湿効果を最大限に発揮することができます。
桐は軽量なので、ベッドフレーム自体の重さが抑えられ、模様替えなどの際に扱いやすいというメリットもあります。
天然の桐が持つ爽やかな香りには、リラックス効果や防虫効果も期待できます。
敷布団という湿気を溜めやすい寝具を使うからこそ、すのこ素材の機能性にもこだわる。
これが、カビに悩まされない快適な睡眠環境を作るための上級テクニックです。
布団のずり落ちを防ぐ立ち上がり付きフレーム
敷布団を使っていると、寝ている間に布団がベッドからずり落ちてしまうことがあります。
特に寝相が悪い方は、朝起きると布団が床に落ちていた、という経験もあるのではないでしょうか。
そんな悩みを解決してくれるのが、ベッドフレームのサイドに「立ち上がり(フットボードやサイドガード)」が付いているデザインです。
この少しの立ち上がりがあるだけで、布団のずり落ちを効果的に防ぐことができます。
マットレスの場合は、その重みでずれにくいですが、軽い敷布団の場合は、このガードの存在が大きな安心感に繋がります。
全ての辺が囲まれている必要はなく、足元や片側だけでも十分に効果があります。
布団を干す際に、この立ち上がりに立てかけることができるという便利な使い方もあります。
布団派の方は、こうした細やかなデザインにも注目してフレームを選ぶと、日々の小さなストレスが解消され、より快適な睡眠ライフを送ることができます。
店主のつぶやき すのこベッドと敷布団の組み合わせは大丈夫? 正しい使い方と注意点
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・布団が使えるベッド
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・ベッドサイズ
・ベッド
・すのこベッドと敷布団の組み合わせは大丈夫? 正しい使い方と注意点