こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
「すのこベッドは通気性が良いからカビない」そう思っていませんか。
実はそれは大きな誤解で正しい使い方をしないとすのこベッドでもカビは発生してしまいます。
大切なマットレスやベッドフレームをカビから守り毎日安心して眠るためには正しい知識と対策が不可欠です。
この記事ではすのこベッドにカビが生える意外な原因から今日からすぐに実践できる予防策万が一カビてしまった際の対処法そしてカビに強いベッドの選び方までを網羅した完全ガイドをお届けします。
あなたの寝室をカビの不安から解放しましょう。
すのこベッドでもカビは生える その原因とは
「すのこベッドを選んだのはカビ対策のためだったのに…」という悲しいお声を時々耳にします。
通気性に優れるすのこベッドも万能ではありません。
なぜカビが生えてしまうのか。
まずは敵であるカビの性質とその発生原因を正しく理解することから始めましょう。
カビ発生の三大条件 湿度温度栄養
カビが繁殖するためには三つの条件が揃う必要があります。
それは「湿度」「温度」「栄養」です。
まず湿度は最も重要な要素でカビは湿度70%以上で活発に活動を始め80%を超えると一気に増殖します。
次に温度ですが20℃から30℃がカビにとって最も快適な温度帯です。
まさに人間が心地よいと感じる環境と重なります。
そして最後に栄養です。
カビはホコリや髪の毛フケ皮脂などを栄養源として繁殖します。
実は木材やマットレスの繊維などもカビの栄養になり得ます。
この三つの条件が揃うとカビはどこにでも発生する可能性があります。
そして寝室は残念ながらこの条件が非常に揃いやすい場所なのです。
寝ている間の汗で湿度が上がり人の体温で温度が保たれホコリなどの栄養も豊富にあります。
つまり私たちの寝室はカビにとって絶好の繁殖環境になり得るということをまず認識することが大切です。
すのこベッドはその構造上湿気を逃しやすいというだけでカビの発生条件そのものをなくすわけではないのです。
寝汗と室内の湿気が最大の敵
すのこベッドにカビが発生する最大の原因は私たちが寝ている間にかく「寝汗」です。
人は季節を問わず一晩でコップ一杯分(約200ml)もの汗をかくと言われています。
この汗は水分としてマットレスや敷布団に吸収されその湿気は重力によって下へ下へと移動していきます。
つまりマットレスや敷布団の裏側そしてそれに接するすのこの表面は大量の湿気を常に受け止めている状態なのです。
特に梅雨の時期や夏場は空気中の湿度も高いためこの湿気がなかなか乾きません。
さらに冬場でも油断は禁物です。
寒いからと窓を閉め切り加湿器を多用すると室内の湿度は上昇します。
外気との温度差で窓に結露が発生するような環境はベッドの下でも同様の結露が起こりやすい危険なサインです。
このように寝汗と室内の湿度が組み合わさることでカビの発生条件である「高湿度」が簡単に作り出されてしまいます。
すのこベッドの通気性をもってしても毎日供給され続ける大量の湿気を完全に放出しきるのは難しいのです。
すのこの通気性を過信してはいけない
すのこベッドが通気性が良いと言われるのは床板に隙間があり空気の通り道が確保されているためです。
しかしその通気性を最大限に活かすためにはいくつかの注意点があります。
まずマットレスや敷布団を敷きっぱなしにしているとすのこの隙間が塞がれ空気の流れが滞ってしまいます。
これではせっかくのすのこ構造も意味を成しません。
空気は常に流れていないと湿気を効率よく運び去ることができないのです。
またベッド下のスペースも重要です。
ベッド下に収納ケースなどをぎっしりと詰め込んでいると空気の流れが遮られ湿気がこもりやすくなります。
特にプラスチック製の収納ケースは通気性が全くないため要注意です。
さらにベッドを壁にぴったりとくっつけて配置するのも空気の循環を妨げる原因になります。
壁とベッドの間に少し隙間を作るだけで空気の流れは大きく改善されます。
このようにすのこベッドの通気性は万能ではなくその性能を活かすも殺すも私たちの使い方次第なのです。
「すのこだから大丈夫」という過信がカビを招く最大の油断となることを覚えておいてください。
今日からできる簡単カビ予防策
カビの原因が分かったところで次は具体的な予防策です。
カビ対策は難しく考える必要はありません。
毎日のちょっとした習慣や工夫でカビの発生リスクは劇的に下げることができます。
この章では誰でも今日からすぐに始められる簡単なカビ予防策を4つご紹介します。
掛け布団をめくってマットレスの湿気を逃がす
最も手軽で効果的なカビ予防策が朝起きた時に掛け布団をめくっておくことです。
できれば足元側に半分ほどめくり上げてマットレスや敷布団の表面を空気に晒すようにしてください。
私たちは寝ている間に掛け布団と敷布団の間で体から発散される湿気を閉じ込めています。
朝起きてすぐにベッドメイキングをしてしまうとこの湿気をマットレス内部に封じ込めてしまうことになりカビの温床を作り出してしまいます。
掛け布団をめくっておくだけでマットレスの表面から湿気が蒸発しやすくなります。
時間は30分から1時間程度でも構いません。
朝の身支度をしている間だけでも十分な効果があります。
これはホテルの客室清掃でも実践されているプロのテクニックです。
見た目を気にしてすぐにベッドを整えたい気持ちは分かりますがまずは湿気を飛ばすことを優先してください。
この一手間を毎日の習慣にするだけでマットレスとすのこが受け止める湿気の量を大幅に減らすことができます。
コストも時間もかからない最強のカビ対策としてぜひ今日から実践してみてください。
定期的なマットレスの立てかけと陰干し
掛け布団をめくる習慣に加えて週に一度はマットレスや敷布団を壁に立てかける「陰干し」を行いましょう。
これによりマットレスの裏側やすのこの表面に溜まった湿気を一気に放出させることができます。
特に敷布団をお使いの場合は軽量なので毎日でも立てかけるのが理想です。
マットレスの場合は重くて大変ですが週末など時間のある時にぜひ実践してください。
ポイントは直射日光に当てないことです。
直射日光はマットレスの側生地や内部のウレタンを傷める原因になります。
風通しの良い室内で壁に立てかけるだけで十分です。
その際扇風機やサーキュレーターで風を送ってあげるとさらに効率よく乾燥させることができます。
マットレスを立てかけている間はすのこの表面も完全に開放されます。
この機会にすのこに付着したホコリを掃除機で吸い取ったり乾いた布で拭いたりしておくとカビの栄養源を取り除くことができ一石二鳥です。
この定期的なメンテナンスがすのこベッドを長く清潔に保つための鍵となります。
除湿シートや除湿剤の活用
日々のメンテナンスに加えて便利なアイテムを活用するのも非常に効果的です。
特におすすめなのが「除湿シート」です。
これは吸湿性の高い素材で作られたシートでマットレスやすのこの間に敷くだけで寝汗などの湿気を強力に吸収してくれます。
多くの除湿シートには吸湿状態を知らせるセンサーが付いておりセンサーの色が変わったらシート自体を天日干しすることで吸湿機能が回復し繰り返し使えて経済的です。
マットレスを頻繁に立てかけるのが難しい方や特に汗っかきな方にとっては非常に心強い味方です。
またベッド下に置くタイプの「除湿剤」も有効です。
特に床との間にスペースが少ないロータイプのベッドやベッド下に物を収納している場合は湿気がこもりやすいので除湿剤を置いておくことをおすすめします。
クローゼット用の除湿剤などで代用できます。
これらのアイテムはあくまで補助的な役割ですが日々のメンテナンスと組み合わせることでカビ予防の効果をさらに高めることができます。
部屋の換気とサーキュレーターの利用
ベッド自体の湿気対策と同時に寝室全体の湿度をコントロールすることも忘れてはなりません。
最も基本的で重要なのが「換気」です。
一日に最低でも2回窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。
空気の入口と出口を2ヶ所作ると効率よく換気ができます。
雨の日でも空気が動くだけで湿度の淀みを解消できます。
さらに効果的なのが「サーキュレーター」や扇風機の活用です。
サーキュレーターは部屋の空気を循環させるための家電でエアコンと併用すれば部屋全体の温度や湿度を均一に保つことができます。
特にベッド下のような空気が滞りやすい場所にサーキュレーターで風を送ってあげるのはカビ対策として非常に有効です。
眠っている間もタイマー機能などを利用して弱い風を送り続けるとベッド周りの湿度が上がるのを防げます。
エアコンの除湿(ドライ)機能や除湿機を適切に使うことももちろん効果的です。
寝室の湿度を常に60%以下に保つことを目標にこれらの方法を組み合わせて快適な空気環境を維持してください。
万が一カビが生えた時の対処法
予防策を講じていても様々な要因が重なりカビが生えてしまうこともあります。
しかし慌てる必要はありません。
カビは早期発見早期対処が肝心です。
この章ではすのこにカビを見つけてしまった際の具体的な対処法をステップごとに解説します。
正しい方法で除去し再発を防ぎましょう。
まずは消毒用エタノールで拭き取る
すのこの表面にポツポツとした白や緑のカビを見つけたらまずは「消毒用エタノール(アルコール)」を使って除去しましょう。
薬局などで手軽に入手できます。
濃度は70%から80%のものが殺菌効果が高くおすすめです。
まず作業を始める前に必ず窓を開けて換気を良くしてください。
マスクとゴム手袋を着用するとより安全です。
乾いた布やキッチンペーパーにエタノールをたっぷりと染み込ませカビが生えている部分を優しく拭き取ります。
ゴシゴシ擦るとカビの胞子を周りに広げてしまう可能性があるのであくまで表面を撫でるように拭き取るのがポイントです。
カビが見えなくなってもその周辺にはカビの根が残っている可能性があるので少し広めの範囲を拭いておくと安心です。
拭き終わったら別の乾いた布で水分を拭き取りしっかりと乾燥させます。
エタノールは揮発性が高いのですぐに乾きますが扇風機などで風を当てるとより確実です。
この初期段階で対処できればカビが深く根を張るのを防ぐことができます。
頑固な黒カビには専用の除去剤を
エタノールで拭いても落ちない頑固な黒カビは木材の内部にまで色素が沈着してしまっている状態です。
こうなると表面を拭くだけでは除去できません。
その場合は「木材用のカビ取り剤」を使用します。
浴室用などの塩素系漂白剤は効果が強い反面木材を傷めたり変色させたりする可能性があるのであまりおすすめできません。
木材専用の製品を選ぶのが安心です。
使用する際は必ず製品の取扱説明書をよく読み換気や保護具の着用などの注意事項を厳守してください。
カビ取り剤をスプレーまたは塗布したらしばらく放置してカビの根まで成分を浸透させます。
その後水で濡らして固く絞った布で薬剤をきれいに拭き取ります。
一度で落ちない場合はこの作業を繰り返します。
ただしどんなに強力な薬剤を使っても木材の奥深くまで浸透した色素を完全に消すのは難しい場合もあります。
あくまで見た目を改善しさらなる繁殖を食い止めるための処置と考えるのが良いでしょう。
カビ取り後の乾燥と再発防止策
カビの除去作業が終わったら最も重要なのが「徹底的な乾燥」です。
水分が残っていると再びカビが繁殖する原因になります。
薬剤を拭き取った後はドライヤーや扇風機を使ってすのこを完全に乾かしてください。
天気が良ければ風通しの良い日陰で半日ほど干すのも効果的です。
そして無事にカビを除去できたからといって安心はできません。
なぜそこにカビが生えたのかという原因を考え再発防止策を講じることが大切です。
これまでの使い方を見直しマットレスを定期的に立てかける部屋の換気を徹底するなどこのコラムで紹介した予防策を改めて実践してください。
特にカビが生えた場所は一度カビのテリトリーになった場所です。
他の場所よりもカビが生えやすい状態になっていると考え除湿シートを敷くなど重点的に対策をすることをおすすめします。
カビとの戦いは除去して終わりではなく再発させないための継続的な努力が最も重要です。
カビに強いすのこベッドの選び方
最後にベッド販売のプロとしてこれからすのこベッドを購入する方へ向けて「カビに強いすのこベッド」を選ぶためのポイントを3つご紹介します。
ベッドは長く使うものですから購入時の選択が将来のカビのリスクを大きく左右します。
ぜひ参考にしてください。
調湿効果に優れた桐材のすのこを選ぶ
すのこベッドの素材は様々ですがカビ対策という観点で最もおすすめなのが「桐(きり)」です。
桐は古くから日本の箪笥の材料として使われてきたことからも分かるように非常に優れた「調湿効果」を持っています。
湿度が高い時には湿気を吸収し乾燥している時には湿気を放出するというまるで呼吸するような性質でベッド周りの湿度を快適な状態に保とうとします。
この性質がカビの繁殖に必要な高湿度状態を防ぐのに役立ちます。
また桐は木材の中でも非常に軽量であるためマットレスを上げ下ろしする際の負担が少なく日々のメンテナンスが楽になるというメリットもあります。
さらに桐に含まれるタンニンやセサミンといった成分には防虫効果や抗菌効果があることも知られています。
価格は他の木材に比べて少し高くなる傾向にありますがその機能性を考えれば十分に価値のある選択です。
カビに本気で対策したいならまずは「桐すのこ」のベッドを検討してみてください。
床との空間が広い脚付きタイプが有利
ベッドのデザインもカビへの強さに影響します。
通気性を最大限に確保するためには床とすのこの間に十分な空間がある「脚付きタイプ」のベッドが有利です。
この空間が広ければ広いほど空気の通り道が大きくなり湿気が滞留しにくくなります。
お掃除ロボットが入れるくらいの高さ(10cm以上)が一つの目安になります。
ベッド下の掃除がしやすいという衛生面のメリットもあります。
逆に床にすのこを直接置くようなフロアタイプやロータイプのベッドは床との間に空間がほとんどないため湿気がこもりやすくカビのリスクは高くなります。
もしデザインの好みでロータイプを選ぶ場合はより一層日々のメンテナンスや換気を心がける必要があります。
また脚付きタイプでもベッド下に物を詰め込みすぎると空気の流れを妨げてしまうので収納は腹八分目を心がけましょう。
このようにベッドの高さはカビ対策において重要な要素です。
布団派なら頑丈で厚みのあるすのこを
マットレスではなく敷布団をすのこベッドで使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
その場合はすのこの「頑丈さ」と「厚み」に注目してください。
敷布団はマットレスに比べて薄いため体重が直接すのこにかかりやすく湿気もダイレクトに伝わります。
すのこの板が薄かったり板と板の間隔が広すぎたりすると寝心地が悪いだけでなく耐久性にも問題が生じます。
また薄いすのこは湿気の影響で反りや割れが起きやすくなります。
敷布団で使うことを想定して設計された頑丈なモデルはすのこの板が厚く桟の数も多いため耐久性が高く安定した寝心地を提供します。
板一枚一枚がしっかりとしているため湿気による変形にも強いです。
すのこの表面が平らで角が丸く加工されているものなら布団を傷める心配もありません。
布団派の方は「布団使用可能」と明記されている頑丈設計のすのこベッドを選ぶことがカビ対策と快適な睡眠を両立させるための重要なポイントとなります。
店主のつぶやき すのこベッドのカビ対策完全ガイド 正しい使い方で湿気を防ぐ方法
・すのこベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・すのこベッドのカビ対策完全ガイド 正しい使い方で湿気を防ぐ方法