寝室が狭い、収納が足りない。
そんなお悩みは、ベッド選びで解決できるかもしれません。
今回ご紹介するのは、ベッド下の空間を巨大な収納庫に変えてしまう「跳ね上げ式ベッド」です。
まるで部屋にクローゼットが一つ増えたかのような、圧倒的な収納力。
このコラムでは、その驚きの仕組みとメリットから、お部屋に合わせた賢い選び方、そして気になる湿気対策まで、専門店の視点から詳しく解説します。
収納を制して、すっきりとした理想の寝室を手に入れましょう。
跳ね上げ式ベッドとは その仕組みと絶大なメリット
「跳ね上げ式」という名前は聞いたことがあっても、その具体的な仕組みやメリットはご存じない方も多いかもしれません。
まずは、この画期的なベッドの基本から見ていきましょう。
ベッド下が大容量収納庫に変わるガス圧ダンパーの仕組み
跳ね上げ式ベッドとは、ベッドの床板部分が、マットレスを乗せたまま車のハッチバックドアのように開閉するベッドのことです。
このスムーズな開閉を実現しているのが、ヘッドボード側や側面に取り付けられた「ガス圧ダンパー」です。
ガス圧の力を利用することで、クイーンサイズの重たいマットレスが乗っていても、女性一人でも驚くほど軽い力で、安全に持ち上げることができます。
そして、持ち上げた床板の下には、ベッドのサイズとほぼ同じ大きさの、巨大な収納スペースが出現します。
通常はデッドスペースになってしまうベッド下の空間を、まるごと一つの大きな収納庫として活用できる。
これが跳ね上げ式ベッドの最大の魅力であり、その画期的な仕組みなのです。
引き出し式収納との決定的な違い
収納付きベッドには、他に「引き出し式」もありますが、跳ね上げ式には決定的な違いとメリットがあります。
引き出し式の場合、引き出しを引き出すためのスペースがベッドの横に必要になります。
クイーンベッドの横に、さらに50cm以上の通路を確保するのは、お部屋の間取りによっては難しい場合があります。
跳ね上げ式はベッドの上方向に開くため、ベッドの脇にスペースは全く必要ありません。
ベッドを壁にぴったりつけて配置することも可能です。
狭い寝室において非常に大きなメリットです。
引き出し式は、引き出しの箱やレールの分だけ、収納スペースが細かく区切られ、容量も少なくなります。
跳ね上げ式は、ベッド下の空間を仕切りなく、まるごと使えるため、スーツケースや布団といった、引き出しには入らない大きな物やかさばる物を、そのまま収納することができるのです。
部屋にクローゼットが一つ増える程のメリット
跳ね上げ式クイーンベッドがもたらす収納力は、まさに「部屋にクローゼットがもう一つ増える」と言っても過言ではありません。
その収納容量は、一般的な引き出し式ベッドの数倍にも及びます。
今まで部屋を占領していた収納家具、例えばチェストや整理タンスなどを、丸ごと一つ減らすことが可能になります。
収納家具が一つなくなるだけで、寝室は驚くほど広く、すっきりとした印象に変わります。
床が見える面積が増え、生活動線もスムーズになります。
物が片付くだけでなく、空間そのものにゆとりが生まれるのです。
収納が少ない、部屋が狭い、物が多い。
そんなお悩みを抱える方にとって、跳ね上げ式ベッドは、単なるベッドではなく、住空間を劇的に改善するための、最も賢い解決策の一つと言えるでしょう。
縦開きと横開き 部屋の間取りに合わせた選び方の正解
跳ね上げ式ベッドには、開く方向によって「縦開き」と「横開き」の2種類があります。
どちらを選ぶべきかは、お部屋の形やレイアウトによって決まります。
正しい選び方を知って、使いやすさを最大限に引き出しましょう。
縦開きタイプの特徴とおすすめの間取り
「縦開き」は、ベッドの足元側が持ち上がり、ヘッドボード側を軸にして開くタイプです。
跳ね上げ式ベッドの中では最も一般的で、種類も豊富です。
このタイプが適しているのは、ベッドの左右両側に、壁や他の家具があってスペースの余裕がないお部屋です。
ベッドの足元に、人が一人立って開閉作業ができるスペース(約50cm以上)さえあれば設置可能です。
比較的、どんな間取りにも合わせやすいのが特徴です。
収納スペースがベッドの長手方向に長くなるため、スキー板やスノーボード、ラグ、ギターといった「長尺物」を収納するのに非常に便利です。
車のトランクを開けるような感覚で、日常的に使うというよりは、シーズンオフのものをしまうといった使い方に向いています。
横開きタイプの特徴とおすすめの間取り
「横開き」は、ベッドの長辺の片側が持ち上がり、側面を軸にして開くタイプです。
このタイプが適しているのは、ベッドの足元側に壁やデスクなどがありスペースが取れないけれど、ベッドの片側には十分な通路スペースがあるお部屋です。
正方形に近い形のお部屋などで、ベッドの片側を壁につけず、通路として広く確保しているレイアウトにぴったりです。
横開きのメリットは、開口部が広いため、収納スペース全体が見渡しやすく、奥にしまった物も取り出しやすい点です。
まるで巨大な収納ボックスの蓋を開けるような感覚で、日常的に使う衣類ケースなどを整理して収納するのにも向いています。
お二人で使う場合も、どちらからでもアクセスしやすいため、便利さを感じられるでしょう。
自分の部屋に最適なのはどちらかを見極めるコツ
「うちの部屋には、結局どっちがいいの?」と迷ったら、一度、お部屋にメジャーを置いて、ベッドの配置をシミュレーションしてみましょう。
クイーンベッドをどこに置くかを決めます。
その上で、ベッドの「足元」と「横」、どちらのスペースがより広く確保できるかを確認してください。
答えはシンプルです。
足元にスペースがあるなら「縦開き」、横にスペースがあるなら「横開き」です。
何を収納したいかも重要な判断基準です。
年に数回しか使わないスーツケースや季節家電、長尺物をしまうのがメインなら、開閉頻度が少なくても済む「縦開き」。
衣類や趣味の道具など、比較的頻繁に出し入れするものを整理したいなら、中身が見やすく取り出しやすい「横開き」が便利です。
ご自身の生活スタイルと、お部屋の間取り。
その両方から考えることが、最適な一台を見つけるための正解への近道です。
スーツケースや布団も丸ごと入る驚きの収納力
跳ね上げ式ベッドの真価は、その圧倒的な収納力にあります。
今まで置き場所に困っていた、あの大きな荷物も、これ一台で全て解決するかもしれません。
普段使わない大物や長物をすっきり隠す
クローゼットや押し入れを圧迫している、厄介な大物たち。
その代表格が「スーツケース」です。
年に数回の旅行でしか使わないのに、非常に場所を取りますよね。
扇風機やヒーターといった「季節家電」も、シーズンオフの間の置き場所に困るものです。
ゴルフバッグやスノーボード、釣り道具といった「趣味の道具」も同様です。
跳ね上げ式ベッドは、こうした「普段は使わないけれど、捨てるわけにはいかない大物」たちの、最高の隠れ場所になります。
これらをベッド下にまとめて収納することで、クローゼットのスペースに劇的なゆとりが生まれます。
日常的に使う衣類がすっきりと整理でき、朝の身支度もスムーズになります。
物を隠すことで、生活空間を広く、美しく使う。
それが跳ね上げ式ベッドがもたらす価値です。
来客用の布団や季節の寝具の最適な収納場所
もう一つの収納の悩みどころが、「寝具」です。
お客様用の布団一式や、季節ごとに入れ替える羽毛布団や毛布、タオルケットなど。
これらは非常にかさばり、押し入れの大部分を占領してしまいがちです。
跳ね上げ式ベッドの、広くて仕切りのない収納スペースは、こうした寝具を収納するのにまさに最適です。
布団圧縮袋などを使えば、さらにコンパクトに収納できます。
ベッド下は、ホコリが入りにくい密閉された空間なので、大切な寝具を清潔な状態で保管できるのも嬉しいポイントです。
必要な時にさっと取り出せ、使い終わったらまたすぐにしまえる。
このスマートな収納サイクルが実現すれば、急な来客にも慌てることはありません。
寝具の収納場所をベッド下に集約する。
日本の住環境において、非常に合理的で賢い解決策と言えるでしょう。
収納力の深さレギュラーとラージとグランド
跳ね上げ式ベッドを選ぶ際には、収納部分の「深さ」もチェックしましょう。
多くのモデルで、収納容量の違う複数のタイプが用意されています。
「レギュラー」「ラージ」「グランド」といった名称で区別されています。
「レギュラータイプ」は、収納部の深さが約25cm前後。
衣類を入れた収納ケースや、雑誌、小物などを収納するのに適しています。
「ラージタイプ」は、深さが約32cm前後。
一般的なサイズのスーツケースや、小型の家電などを収納することができます。
そして「グランドタイプ」は、深さが約39cm前後にもなり、最大の収納力を誇ります。
特大のスーツケースや、分厚いお客様用の布団セットなど、とにかくかさばる物を収納したい方におすすめです。
当然、深くなるほどベッド全体の高さも高くなるため、お部屋に置いた時の圧迫感も考慮する必要があります。
何を収納したいのかを具体的にリストアップし、それに合った最適な深さを選ぶこと。
これが、収納力を最大限に活かすための重要なポイントです。
跳ね上げ式ベッドの湿気対策と通気性の真実
「ベッド下の密閉された空間に、湿気がこもってカビが生えたりしないの?」お客様から最もよくいただくご質問です。
ご安心ください。
その疑問と対策について、正直にお答えします。
跳ね上げ式ベッドの湿気は大丈夫なのか
確かに、跳ね上げ式ベッドの収納部は、引き出し式に比べて密閉度が高い構造です。
湿気対策についてご心配されるのは当然のことです。
湿度の高い日本の気候では、何も対策をしなければ、湿気がこもり、カビやダニの原因となる可能性は否定できません。
現在のベッドメーカーは、この湿気問題を十分に認識しており、その対策を施した製品を開発しています。
構造上の工夫と、ご家庭での少しの心がけ。
この二つを組み合わせることで、湿気の問題は十分にクリアでき、快適にお使いいただくことが可能です。
ただ「大丈夫ですよ」と言うだけでなく、具体的にどのような工夫がなされ、どのように使えば良いのかを、次の項目で詳しくご説明します。
通気性を確保するための工夫とすのこ仕様
メーカーによる湿気対策として、まず挙げられるのが、マットレスを乗せる「床板の構造」です。
床板が一枚の板になっているタイプもありますが、最近の高品質なモデルの多くは、通気性に優れた「すのこ仕様」になっています。
すのこの隙間から、マットレスと収納スペースの間に空気が流れる道ができるため、湿気がこもりにくくなります。
収納庫の底板や側板に「通気孔」と呼ばれる空気穴を設けているモデルもあります。
こうした工夫により、収納庫内部の空気が完全に滞留するのを防いでいます。
クイーンサイズのような大きな跳ね上げ式ベッドでは、中央で分割されているタイプも多く、その分割部分が空気の通り道となることもあります。
ベッドを選ぶ際には、こうした通気性を確保するための工夫がなされているか、商品ページをよく確認してみてください。
上手な湿気対策で快適に使うためのコツ
メーカーの工夫にご家庭でできる簡単な湿気対策を行うことで、さらに安心して跳ね上げ式ベッドをお使いいただけます。
最も効果的で簡単なのが、「定期的な換気」です。
週に一度、シーツを交換するタイミングなどで、ベッドの床板を開けっ放しにして、収納庫の空気を入れ替えてあげましょう。
扇風機などで風を送ってあげると、さらに効果的です。
収納庫の中に、市販の「除湿剤」や「竹炭」などを置いておくのも良い方法です。
四隅は湿気が溜まりやすいので、重点的に配置しましょう。
そして、当然のことながら、濡れたものや湿ったものを、そのまま収納しないように気をつけてください。
スキーウェアなどは、完全に乾かしてから収納することが大切です。
こうした少しの心がけで、跳ね上げ式ベッドの収納スペースは、常にドライで快適な状態に保つことができます。
正しく理解し、上手に付き合っていくこと。
それが、この便利なベッドを最大限に活用する秘訣です。
店主のつぶやき 収納力最強 跳ね上げ式クイーンサイズベッドで寝室をスッキリ
・クイーンサイズベッド
・跳ね上げ式ベッド
・大容量収納ベッド
・収納ベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・収納力最強 跳ね上げ式クイーンサイズベッドで寝室をスッキリ
・ショートベッドの収納力徹底比較 跳ね上げ式なら布団も入る