愛犬や愛猫と寄り添って眠る、至福のひととき。
その幸せな時間を、もっと快適で、もっと安全なものにしませんか。
ペットと一緒に眠るということは、広さや素材、高さなど、ベッド選びに特別な配慮が必要です。
このコラムでは、ベッドの専門家であり、自身も動物を愛する一人として、ペットとオーナー双方にとって最高の睡眠環境を作るためのクイーンベッドの選び方を徹底解説します。
大切な家族との絆を、もっと深めるベッド選びを始めましょう。
ペットと快適に眠るならクイーンサイズがベストな理由
ペットとの添い寝で、まず考えたいのがベッドの「広さ」です。
ダブルベッドでも十分と思いがちですが、お互いの快適な眠りのためには、クイーンサイズが最適な選択肢となります。
人とペット双方のパーソナルスペースを確保
ペットは私たちが思う以上に、ベッドの上でスペースを必要とします。
丸まって寝ているかと思えば、手足を伸ばして寝たり、夜中に何度も寝返りを打ったり。
ダブルベッド(幅140cm)に大人二人とペット一匹では、人間がベッドの端に追いやられてしまうことも少なくありません。
これでは、飼い主さんが安眠できません。
クイーンベッド(幅160cm)なら、その差20cmの「ゆとり」が生まれます。
このゆとりが、人間とペット、双方にとって快適なパーソナルスペースを確保してくれるのです。
飼い主さんは手足を伸ばして眠れ、ペットも窮屈な思いをせずに安心して眠ることができます。
お互いがストレスなく眠れること。
それが、幸せな添い寝生活の第一歩です。
小型犬から大型犬まで対応できる余裕の広さ
ご家庭のペットのサイズによっても、必要なスペースは変わります。
チワワやトイプードルといった小型犬や猫ちゃんなら、ダブルベッドでもなんとかなるかもしれません。
コーギーや柴犬といった中型犬、あるいはゴールデンレトリバーのような大型犬と寝るとなると、ダブルベッドでは明らかに手狭です。
クイーンサイズであれば、大型犬が隣に寝ても、飼い主さんのスペースは十分に確保できます。
多頭飼いのご家庭で、複数のペットと一緒に寝る場合も、クイーンサイズ以上の広さがあると安心です。
将来、新しい家族(ペット)が増える可能性も考えて、初めから余裕のあるサイズを選んでおく。
クイーンベッドの持つ懐の深さは、様々なサイズのペットとの暮らしに、柔軟に対応してくれます。
飼い主の安眠がペットの安心に繋がる
見落としがちな点ですが、飼い主さんがぐっすり眠れているかどうかは、ペットの精神的な安定にも影響します。
狭いベッドで、ペットに気を遣いながら寝て、飼い主さんが寝不足気味になってしまうと、日中の態度にもイライラが現れてしまうかもしれません。
ペットは飼い主さんの心の状態に非常に敏感です。
飼い主さんがリラックスして安眠していると、その穏やかなエネルギーはペットにも伝わり、ペットも安心して眠ることができます。
飼い主さんが自分の睡眠の質を確保するために、十分な広さのベッドを選ぶこと。
それは、巡り巡って、愛するペットの心の健康を守ることにも繋がるのです。
ペットのためにも、まずは自分自身が快適に眠れる環境を整えてあげましょう。
爪や汚れに強いフレーム素材の選び方とは
ペットと暮らす上で、家具の傷や汚れはつきもの。
特にベッドフレームは、ペットが頻繁に触れる場所です。
長く綺麗に使うために、素材選びには特にこだわりましょう。
傷がつきにくい合皮PUレザーフレームのメリット
ペットオーナーに、私が最もお勧めしたいフレーム素材が「合皮(PUレザー)」です。
高品質なPUレザーは、表面が滑らかで、比較的、爪のひっかき傷に強いという特徴があります。
ペットの毛が繊維に絡みつくことがないため、お手入れが非常に簡単です。
汚れた場合も、固く絞った布でさっと拭き取ることができます。
粗相をしてしまった際も、マットレスまで染み込むのを防いでくれる第一の防波堤となってくれます。
この「掃除のしやすさ」は、衛生的な環境を保つ上で、何物にも代えがたいメリットです。
見た目も高級感があり、お部屋のグレードを上げてくれる。
まさに、ペットとの暮らしに最適な素材の一つと言えるでしょう。
木製フレームの場合の注意点と塗装の選び方
温かみのある木製フレームも良い選択肢です。
ただし、木の種類と塗装には注意が必要です。
パイン材などの柔らかい木材は、ペットの爪で傷がつきやすい傾向があります。
できれば、オーク材やウォールナット材など、硬さのある木材を選ぶと良いでしょう。
さらに重要なのが、表面の「塗装」です。
木の表面を硬い塗膜でコーティングする「ウレタン塗装」が施されているものがおすすめです。
この塗膜が、傷や汚れから木材本体を守ってくれます。
オイル仕上げのような、木の質感を活かした塗装は、風合いは素敵ですが、傷がつきやすく、水分も染み込みやすいため、ペットのいるご家庭にはあまり向きません。
デザインだけでなく、塗装の種類まで確認すること。
それが、木製フレームを長く美しく使うためのコツです。
布製ファブリックフレームは避けるべきか
優しい雰囲気が魅力の布製ファブリックフレームですが、正直なところ、ペットのいるご家庭には最も管理が難しい素材です。
布の繊維には、ペットの爪が引っ掛かりやすく、ほつれの原因になります。
抜け毛やフケが繊維の奥に入り込み、掃除機だけでは完全に取り除くのが難しく、アレルギーの原因となるアレルゲンの温床にもなりかねません。
汚れや粗相も、シミになりやすく、クリーニングも大変です。
もし、どうしてもファブリックが良いという場合は、織り目が非常に細かく、爪が引っ掛かりにくい高密度の生地(スエード調のマイクロファイバーなど)を選び、こまめなブラッシングや掃除、そしてカバーが洗えるタイプを選ぶなどの覚悟が必要です。
お手入れの手軽さを最優先するなら、やはりPUレザーか、硬い塗装の木製フレームを選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
ペットが安全に上り下りできる低いベッドフレーム
ベッドのデザインを選ぶ際、人間にとっては些細な「高さ」の違いが、ペットにとっては、日々の健康と安全を左右する重大な問題になり得ます。
愛するペットの足腰を守るための、フレーム選びのポイントです。
関節への負担を減らすローベッドの重要性
高さのあるベッドから、ペットが毎日何度も飛び乗ったり、飛び降りたり。
その光景は微笑ましいものですが、実はペットの足腰には、私たちが思う以上の負担がかかっています。
その衝撃の蓄積は、椎間板ヘルニアや関節炎、脱臼といった、深刻な病気の引き金になる可能性があります。
胴が長く足が短い犬種(ダックスフンドやコーギーなど)や、関節が弱い小型犬、そして筋力が衰えてくるシニア犬にとっては、このリスクは非常に高くなります。
そこで重要になるのが、ベッドの高さを抑えることです。
床からの高さが低い「ローベッド」を選べば、ペットが上り下りする際のジャンプの高さを低く抑え、関節への負担を大幅に軽減することができます。
ペットの将来の健康まで考えた、飼い主さんの愛情あふれる選択。
それがローベッドです。
子犬や老犬にも優しいフロアベッドという選択
ローベッドよりもさらに安全性を高めたのが、マットレスを置く面が床に極めて近い「フロアベッド」です。
フロアベッドなら、ペットはジャンプをする必要がほとんどなく、ステップを上がるような感覚で、安全にベッドへ上がることができます。
まだ体の使い方がおぼつかない子犬や、足腰がおぼつかなくなってきた老犬でも、安心して上り下りさせてあげられます。
ベッドから落ちて怪我をする心配もありません。
飼い主さんにとっても、ペットの足腰の心配をせずに済むというのは、大きな精神的な安らぎに繋がります。
「うちの子は、もう若くないから」と、添い寝を諦めていた方も、フロアベッドなら、再びその夢を叶えることができるかもしれません。
ペットの生涯に寄り添う。
フロアベッドは、そんな優しい選択肢なのです。
ペット用ステップやスロープとの併用
「どうしても、高さのあるデザインのベッドが好き」「ベッド下を収納スペースとして活用したい」そんな場合は、無理に低いベッドを選ぶ必要はありません。
その代わり、ぜひ「ペット用のステップ(階段)」や「スロープ(坂道)」をベッドの横に設置してあげてください。
これらを使えば、ペットはジャンプをすることなく、安全にベッドと床を行き来できます。
選ぶ際のポイントは、ペットが安心して使える、十分な幅と奥行きがあり、表面が滑りにくい素材でできていることです。
ステップの段差が、ペットの足の長さに合っているかも確認しましょう。
初めは使ってくれない子もいますが、おやつなどで誘導して、ここが安全なルートだと教えてあげれば、次第に上手に使ってくれるようになります。
ベッドのデザインの選択肢を広げつつ、ペットの安全も確保する。
ステップやスロープは、そんな賢い併用アイテムです。
ペットとの睡眠環境を快適にするための工夫
最高のベッドフレームを選んだら、最後の仕上げです。
寝具や日頃のケアを少し工夫することで、ペットとの眠りは、さらに快適で衛生的なものになります。
丸洗いできる寝具で常に清潔を保つ
ペットと一緒に寝る以上、抜け毛やフケ、よだれ、足の裏の汚れなどは避けて通れません。
寝室の衛生環境を保つために、寝具は「丸洗いできる」ことを絶対条件にしましょう。
高価なマットレスを汚れから守るために、必ず「洗えるマットレスプロテクター」を装着してください。
その上で、シーツや掛け布団カバー、そして特に直接肌とペットが触れる「敷きパッド」は、洗濯機で気軽に洗えるものを選び、こまめに洗濯する習慣をつけましょう。
洗い替えを数枚用意しておくと、さらに安心です。
ポリエステルなどの化学繊維は、乾きが早いので、頻繁な洗濯には便利です。
常に清潔な寝具で眠ることは、人間だけでなく、ペットの皮膚の健康にとっても、非常に大切なことです。
防水シーツやペット用ベッドの活用術
粗相が心配な、トイレトレーニング中の子犬や、体力が落ちてきた老犬、あるいは猫ちゃんと暮らすご家庭では、「防水シーツ」の活用を強くお勧めします。
マットレスプロテクターとシーツの間に一枚挟んでおくだけで、万が一の時も、マットレスへの被害を完全に防ぐことができます。
精神的な安心感が全く違います。
ベッドの上に、ペット自身の「お気に入りのブランケット」や「小さなペット用ベッド」を置いてあげるのも、有効な工夫です。
そこをペットの定位置にしてあげることで、抜け毛や汚れがその場所に集中し、ベッド全体の掃除が楽になります。
ペットにとっても、自分の匂いがついた安心できるテリトリーがあることで、よりリラックスして眠ることができるでしょう。
抜け毛対策とアレルギーへの配慮
ペットとの暮らしで、切っても切れないのが「抜け毛」との戦いです。
寝具の素材を、毛が絡みつきにくいレザーや高密度のコットンなどにすることに加え、日頃のケアも重要です。
粘着式のカーペットクリーナー(コロコロ)をベッドの脇に常備し、気づいた時にさっと掃除する習慣をつけましょう。
寝室に「空気清浄機」を置くのも、非常に効果的です。
空気中に舞う抜け毛やフケ、アレルゲンを補足し、飼い主さんとペット、双方のアレルギー対策になります。
もちろん、ペット自身の体を定期的にブラッシングしてあげることも、抜け毛の量を減らす上で最も基本的な対策です。
こうした地道な工夫を重ねることで、ペットがいても、清潔で快適な睡眠環境を維持することは、十分に可能なのです。
店主のつぶやき 愛犬や愛猫と眠る幸せを叶えるクイーンベッドの選び方
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