「寝室が狭いから」と憧れのクイーンベッドを諦めていませんか。
実はレイアウトの工夫次第で6畳や8畳の寝室でもクイーンベッドを置いてゆったりとした空間を作ることは可能です。
このコラムでは17年以上ベッドを見てきた専門家の視点からお部屋の広さ別の具体的なレイアウト実例や空間を広く見せる家具選びのコツそして何より重要な生活動線の考え方まで詳しく解説します。
あなたの寝室を最高にリラックスできる空間に変えるヒントがきっと見つかります。
6畳8畳10畳 寝室の広さ別レイアウト実例集
お部屋の広さが違えば最適なレイアウトも変わります。
ここでは最も一般的な6畳8畳10畳の寝室にクイーンベッドを置いた場合の具体的なレイアウト例をご紹介します。
ご自身の寝室にぴったりの配置を見つける参考にしてください。
6畳寝室でのクイーンベッド配置の限界と工夫
6畳の寝室にクイーンベッドを置くのは挑戦的な試みです。
しかし不可能ではありません。
6畳は約270cm×360cmの広さです。
ここに幅約160cm長さ約195cmのクイーンベッドを置くと部屋の大部分がベッドで占められることをまず理解しましょう。
この場合レイアウトは非常に限定されます。
最も現実的な配置は部屋の奥の壁の中央にベッドの頭を着ける方法です。
これによりベッドの両脇に約55cmずつのスペースが生まれます。
このスペースは人が一人通るのにギリギリの幅です。
そのためサイドテーブルを置くなら壁に付けるスリムなタイプやフロアライトを選ぶなど工夫が必要です。
もう一つの配置はベッドの片側を壁にぴったりと着けてしまう方法です。
こうすると反対側には約110cmの比較的広いスペースが生まれそこにチェストなどを置くことが可能になります。
ただしこの配置はベッドメイキングがしにくくなるというデメリットがあります。
6畳でクイーンベッドを置くなら「寝るための部屋」と割り切ることが大切です。
収納は作り付けのクローゼットを最大限活用し他の家具は極力置かないミニマルな空間作りが成功の鍵となります。
ベッドフレームもヘッドボードがないヘッドレスタイプや薄い宮棚のものを選ぶと圧迫感を少しでも減らせます。
8畳寝室で実現するゆとりのレイアウト
8畳の寝室はクイーンベッドを置くのに現実的で人気の広さです。
8畳の広さは約360cm×360cmの正方形に近い形が多くレイアウトの自由度がぐっと高まります。
最もおすすめなのは壁の中央にベッドを配置するホテルライクなレイアウトです。
この配置ならベッドの両脇にそれぞれ約100cmのスペースが確保できます。
これだけあればコンパクトなサイドテーブルを両側に置いても十分な通路幅を保てますし朝の支度もスムーズです。
ベッドの足元から反対側の壁までにも十分な距離があるためそこにテレビボードやロータイプのチェストを置くことも可能です。
部屋の形が長方形の場合は長い方の壁にベッドをつけるとより空間を有効活用できます。
もし部屋に大きな窓があるならベッドのヘッドボードを窓の前に置くのは避けましょう。
窓を塞ぐと部屋が暗く狭く感じられますし冬場は冷気が気になります。
8畳あればクイーンベッドを置いても窮屈な印象にはなりません。
むしろ大きなベッドが主役となり落ち着きのある上質な空間を演出しやすくなります。
ベッド以外の家具も置けるようになるためご自身のライフスタイルに合わせた快適な寝室作りを楽しめるでしょう。
10畳寝室ならコーディネートも楽しめる
10畳の広さがあればクイーンベッドを置いてもなお空間にかなりの余裕が生まれます。
広さは約360cm×450cmが一般的です。
ここまでくると単に家具を配置するだけでなくインテリアコーディネートを存分に楽しむステージに入ります。
クイーンベッドを部屋の中央に堂々と配置し両脇にはゆったりとしたサイドテーブルを置けます。
ベッドの足元にはベンチやオットマンを置くと海外の寝室のようなおしゃれな雰囲気になります。
また寝室の一角に一人掛けのソファやアームチェアを置いて読書スペースやくつろぎのコーナーを作ることも可能です。
ドレッサーや大きめのチェストを置くスペースも十分にあります。
10畳の寝室では「スリーピングゾーン」と「リラックスゾーン」というように空間をゾーニングする考え方がおすすめです。
ベッド周りを睡眠のための静かな空間とし部屋の入口側や窓際に趣味のスペースを作ることでメリハリのある豊かな寝室時間が生まれます。
ウォークインクローゼットがある間取りならさらに自由度は高まります。
クイーンベッドという大きな家具を置いてもその存在感に負けないだけの空間的体力があるのが10畳の寝室です。
ぜひあなたの個性を反映させた理想のプライベート空間を創造してください。
部屋を広く見せる家具の配置とフレームカラーの選び方
同じ広さの部屋でも家具の配置や色の選び方一つで体感的な広さは大きく変わります。
ここではお部屋を少しでも広く開放的に見せるためのテクニックを伝授します。
視線を誘導するフォーカルポイントの作り方
部屋を広く見せるコツは入室した瞬間の視線をコントロールすることです。
部屋に入って最初に目がいく場所を「フォーカルポイント」と言います。
寝室ではベッドがその役割を担うのが自然です。
このフォーカルポイントを意識的に作ることで空間に奥行きが生まれ広く感じさせることができます。
具体的な方法としては部屋の入口から最も遠い対角線上の壁にベッドのヘッドボードを着けるのが効果的です。
これにより部屋に入った時に視線が自然と部屋の奥まで誘導され空間の広がりを最大限に感じられます。
ベッドの上にはアクセントになるようなクッションを置いたりヘッドボードの上の壁に一枚のアートを飾ったりするのも良いでしょう。
視線が一点に集まることで散らかった印象がなくなり部屋全体が整って見えます。
逆にやってはいけないのは入口のすぐ近くに背の高い家具を置くことです。
これでは視線が遮られてしまい圧迫感が出てしまいます。
寝室の主役であるクイーンベッドを最も美しいフォーカルポイントとして演出すること。
これが狭い寝室を広く見せるための第一歩であり最も効果的なテクニックの一つなのです。
明るい膨張色と低い家具で圧迫感を軽減
色彩と家具の高さも部屋の印象を左右する重要な要素です。
広く見せたいなら「膨張色」を積極的に使いましょう。
白やアイボリーベージュライトグレーといった明るい色は光を反射し壁や空間を実際よりも広く遠くに見せる効果があります。
ベッドフレームの色を選ぶ際はこうした明るい色を選ぶのがおすすめです。
壁紙の色とフレームの色を同系色で揃えるとベッドが壁に溶け込むように見えその存在感を和らげることができます。
逆に黒やダークブラウンなどの「収縮色」は重厚感があり格好良いのですが空間を引き締めて見せるため狭い部屋では圧迫感につながりやすいので注意が必要です。
次に重要なのが家具の高さです。
クイーンベッドのような大きな家具は高さがあるとそれだけで部屋に圧迫感を与えてしまいます。
そこでおすすめなのがベッドフレームやチェストテレビボードなどを「背の低い家具」で統一することです。
家具の高さが低くなることで天井までの空間が広がり部屋全体が開放的な印象になります。
特にベッドはフロアベッドやローベッドと呼ばれるタイプのものが効果絶大です。
視線が下に集まることで天井が高く感じられ驚くほど部屋が広く見えます。
ヘッドレスやすのこデザインで抜け感を演出
圧迫感をなくし「抜け感」を演出することも部屋を広く見せる上で欠かせないテクニックです。
「抜け感」とは視線が遮られずに奥まで通る感覚のことです。
これを作り出すのに最も効果的なのが「ヘッドレスタイプ」のベッドフレームです。
ヘッドボードがないだけでベッド周りの壁面がすっきりと見え視線が奥まで抜けるため部屋が広く感じられます。
壁に直接クッションを置いてヘッドボード代わりにすることもできます。
またデザイン性の高い「脚付きタイプ」のベッドフレームもおすすめです。
ベッドの下に空間ができることで床が見える面積が増えます。
この「床が見える」ということが抜け感につながり部屋に広がりをもたらします。
脚付きタイプは通気性が良くお掃除がしやすいという実用的なメリットもあります。
ベッドの床板が「すのこ」になっているデザインも効果的です。
すのこの隙間が視覚的な軽やかさを生み出し重厚感を和らげてくれます。
このようにフレームのデザインを選ぶ際に「いかに視線を遮らないか」「いかに軽やかに見せるか」という点を意識してみてください。
重厚で存在感のあるデザインよりもシンプルで抜け感のあるデザインを選ぶこと。
それが狭い寝室にクイーンベッドを置く際の賢い選択です。
クイーンベッドと他の家具との快適な生活動線
見た目のレイアウトだけでなく実際にその部屋で生活する上での動きやすさ「生活動線」の確保は非常に重要です。
ここでは快適な寝室ライフを送るために必要なスペースについて解説します。
人が通るために必要な最低限の通路幅
ベッドを置いた後でも人がスムーズに移動できる通路幅を確保することは快適な寝室の絶対条件です。
一般的に人がストレスなく横向きにならずに通れる幅は「60cm」が最低ラインと言われています。
ベッドの脇や足元などメインとなる通路にはこの60cmを死守するようにレイアウトを考えてください。
もしスペースに余裕があるなら「80cm」以上確保できると理想的です。
80cmあれば両手に荷物を持っていても楽に通れますし二人同時にすれ違うことも可能になります。
クイーンベッドの幅は約160cmです。
例えば幅360cmの8畳の部屋の中央に置いた場合両脇には100cmずつの通路が確保できます。
これなら非常に快適です。
しかし幅270cmの6畳部屋に置くと両脇は55cmずつとなり少し窮屈に感じるかもしれません。
この通路幅を確保するためにベッドのサイズを諦めるか他の家具を置かないという選択が必要になります。
通路を測る際は壁からベッドフレームの一番出っ張っている部分までで測るのを忘れないでください。
この通路幅の考え方は寝室だけでなく家全体の快適性に関わる基本中の基本です。
メジャーを片手に快適な動線をデザインしましょう。
クローゼットや引き出しを開けるためのスペース
通路幅と合わせて見落としがちなのがクローゼットの扉やチェストの引き出しを開閉するためのスペースです。
ただ人が通れるだけでは意味がありません。
家具が機能的に使えなければ快適とは言えません。
例えば観音開きのクローゼットの場合扉を開けるためには扉の幅と同じだけのスペースがベッドとの間に必要です。
扉の幅が50cmなら少なくとも50cm以上の空間がないと扉がベッドにぶつかってしまい全開にできません。
チェストの引き出しも同様です。
引き出しを最後まで引き出すためには引き出しの奥行き+自分が立つスペースが必要です。
一般的には家具の前には「70cmから80cm」のスペースを確保しておくのが望ましいとされています。
レイアウトを考える際はベッドを置くだけでなくクローゼットの扉を開いた状態や引き出しを引き出した状態を想像してみてください。
もしスペースが足りない場合はクローゼットの扉を折れ戸や引き戸にリフォームするのも一つの手です。
またチェストの代わりにベッド下に収納がある「収納付きベッド」を選ぶのも賢い選択です。
家具を置くこととそれを使うことをセットで考える。
これが快適な生活動線を作るための秘訣です。
ベッドメイキングに必要なスペースの確保
毎日行うベッドメイキング。
この作業がしやすいかどうかも寝室の快適さを大きく左右します。
クイーンサイズの大きなシーツを交換したり掛け布団を整えたりするにはベッドの周りにそれなりのスペースが必要です。
特にベッドの片側を壁にぴったりつけてしまうとシーツの角をマットレスに潜り込ませる作業が非常に大変になります。
腰をかがめて無理な体勢になるため毎日のこととなるとストレスに感じてしまうかもしれません。
理想を言えばベッドの三方に通路を確保することですが狭い寝室では難しい場合も多いでしょう。
もし壁付けにする場合でもせめて「20cmから30cm」ほどの隙間を空けておくだけで作業のしやすさが格段に変わります。
このわずかなスペースに自分の体を入れて作業ができるからです。
また掃除機をかける際にもこの隙間は役立ちます。
ベッドの足元側も同様です。
掛け布団を整える際にベッドの足元側をぐるりと回れるスペースがあると便利です。
毎日の小さなストレスをなくすためにベッドメイキングという日常の動作をシミュレーションし必要なスペースを確保することをぜひ検討してみてください。
見た目のおしゃれさだけでなく日々の使いやすさにこだわることこそが真に満足できる寝室レイアウトの鍵なのです。
圧迫感をなくすならフロアタイプのクイーンベッドが正解
狭いお部屋にクイーンベッドを置く際の最大の敵は「圧迫感」です。
この圧迫感を劇的に解消してくれる救世主が「フロアタイプ」のベッドです。
なぜフロアベッドがおすすめなのかその理由と選び方を解説します。
フロアベッドが部屋を広く見せる理由
フロアベッドが部屋を広く見せる最大の理由は「視線の低さ」にあります。
通常のベッドと比べて高さが圧倒的に低いため部屋に入った時の視線が自然と低くなります。
これによりベッドの上部の壁面に大きな余白が生まれ天井が高く感じられるのです。
人間の目は空間の上半分がスッキリしていると部屋全体を広いと認識する傾向があります。
フロアベッドはこの視覚効果を最大限に利用したデザインと言えます。
またベッド自体の体積が小さいため物理的に空間を占める割合が少なくなり部屋全体の開放感が高まります。
特にワンルームや6畳といった限られた空間ではその効果は絶大です。
通常の脚付きベッドを置いた時とフロアベッドを置いた時とでは同じクイーンサイズでも部屋の広さの体感が全く違ってきます。
まるで天井が一段高くなったかのような錯覚を覚えるほどです。
クイーンベッドという大きなサイズが与える威圧感を打ち消し空間に溶け込ませる。
それがフロアベッドの持つ最大の魔法であり狭い寝室にこそおすすめしたい理由なのです。
圧迫感という悩みを抱えているならまずフロアベッドを検討してみてください。
きっとその開放感に驚くはずです。
フロアベッドのメリットとデメリット
部屋を広く見せるという最大のメリットを持つフロアベッドですがもちろんデメリットも存在します。
両方をよく理解した上で選ぶことが大切です。
まずメリットのおさらいです。
第一に「開放感」が手に入り部屋が広く見えること。
第二に高さが低いため「安定感」があり地震の際も安心なこと。
第三に小さなお子様がいるご家庭では「落下の心配が少ない」ことも大きな利点です。
ではデメリットは何でしょうか。
一つ目は「立ち上がりのしにくさ」です。
床に近い位置から起き上がるため腰や膝に負担がかかりやすいと感じる方もいます。
ご年配の方や足腰に不安のある方は注意が必要です。
二つ目は「湿気とほこり」の問題です。
床との距離が近いため湿気がこもりやすくカビ対策が重要になります。
床板がすのこになっているタイプを選ぶなど通気性を意識しましょう。
また床面のほこりを吸いやすいという点も挙げられます。
こまめな掃除が欠かせません。
三つ目のデメリットは「ベッド下収納が使えない」ことです。
収納スペースが少ないお部屋にとっては大きな問題かもしれません。
これらのデメリットを許容できるかどうかご自身のライフスタイルと照らし合わせて慎重に検討することが後悔しないベッド選びにつながります。
おしゃれで機能的なフロアベッドの選び方
フロアベッドを選ぶ際はデザイン性と機能性の両方に注目しましょう。
まずデザインですがシンプルで直線的なものを選ぶとよりシャープでモダンな印象になり部屋をすっきりと見せることができます。
フレームの素材も重要です。
温かみのある木目調のものや高級感のあるレザー調のものなどお部屋のテイストに合わせて選びましょう。
色はもちろん白やナチュラルカラーなどの明るい色がおすすめです。
機能面で注目したいのがヘッドボードです。
フロアベッドは高さが低い分ヘッドボードもコンパクトな設計のものが多いですがその限られたスペースを有効活用したものが増えています。
例えばスリムながらもスマートフォンや目覚まし時計を置ける「宮棚付き」のタイプ。
枕元で充電ができる「コンセント付き」のタイプ。
優しい光でリラックスできる「照明付き」のタイプなどです。
こうした機能が付いているとサイドテーブルを置く必要がなくなりスペースをさらに有効活用できます。
またマットレスを置く面よりもフレームが少しだけ広い「ステージタイプ」のフロアベッドも人気です。
このはみ出した部分がサイドテーブル代わりになりデザイン的にもおしゃれです。
ぜひご自身の使い方に合ったおしゃれで機能的な一台を見つけてください。
店主のつぶやき 狭い寝室でも置ける クイーンベッドの最適レイアウト術
・クイーンサイズベッド
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・ベッド
・狭い寝室でも置ける クイーンベッドの最適レイアウト術
・クイーンサイズベッドの色で決まる寝室インテリアコーディネート
・長く使えるクイーンサイズベッドの選び方 家族構成の変化に対応