こんにちは！ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
静かな夜、寝返りを打つたびに「ギシッ…」と鳴るベッドのきしみ音。
一度気になりだすと、なかなか寝付けないほどのストレスになりますよね。
「高かったのに、もしかして不良品？」「いつか壊れてしまうのでは…」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。
きしみ音は、その原因と正しい対策を知れば、ご家庭で解消できるケースがほとんどです。
この記事では、私が17年間培ってきた知識と経験を元に、きしみのメカニズムから、購入時の選び方、そして今すぐできる対処法まで、徹底的に解説いたします。
なぜベッドはきしむのか？そのメカニズム
不快なきしみ音の対策をするには、まず「なぜ音が鳴るのか？」という原因を理解することが大切です。
敵の正体を知れば、対策は的確になります。
ベッドのきしみ音は、主に2つの物理的な現象によって引き起こされます。
主な原因は「パーツの摩擦」と「接合部の緩み」
ベッドのきしみ音の正体、それは「振動」です。
そして、その振動を引き起こす最大の原因は、パーツ同士の「摩擦」にあります。
ベッドフレームは、ヘッドボード、サイドフレーム、フットボード、床板など、多くの部品が組み合わさってできています。
これらの部品の接合部が、私たちが寝返りを打ったり、ベッドに腰掛けたりする際の荷重によって、ごく僅かに動いて擦れ合います。
この時に「ギシギシ」「ミシミシ」といった摩擦音が発生するのです。
新品の時は鳴らなかったのに、使っているうちに鳴り始めることが多いのは、日々の使用による荷重の繰り返しで、部品を固定している「ネジやボルトが緩んでくる」ためです。
接合部に緩みが生じると、パーツの動きが大きくなり、摩擦が起こりやすくなります。
木材は湿度や温度によって僅かに膨張したり収縮したりを繰り返しています。
この木材の変化によって、パーツ間に微妙な隙間が生まれたり、逆に圧迫されたりして、新たな摩擦点を生み出してしまうこともあります。
ベッドの脚と床が接する部分や、床板（すのこ）がフレームに乗っている部分、ヘッドボードとサイドフレームの連結部分などは、荷重が集中しやすく、きしみ音の主な発生源となりやすい箇所です。
つまり、きしみ音をなくすには、この「パーツの摩擦」をいかに抑えるか、そして「接合部の緩み」をいかに防ぐか、という2点に集約されるのです。
意外な犯人？マットレスと床板の相性問題
ベッドフレームのネジをすべて締め直し、どこを揺らしてもきしまないのに、なぜかマットレスを乗せて寝ると音がする…。
そんな場合は、意外な犯人が隠れている可能性があります。
それは、「マットレス自体」あるいは「マットレスと床板の相性」です。
マットレス自体のきしみ。
内部に金属製のスプリング（コイル）が入っているボンネルコイルマットレスやポケットコイルマットレスは、長年の使用による金属疲労や、スプリングの受け皿の劣化によって、内部でスプリング同士が擦れて「ギシギシ」「キュッキュッ」と音を立てることがあります。
これはマットレスの寿命のサインである可能性が高いです。
マットレスと床板の相性の問題です。
マットレスの底面の生地と、ベッドの床板（特にすのこ）が擦れることで、「キュッキュッ」というゴムが擦れるような音が発生することがあります。
これは故障ではなく、単なる相性の問題です。
この音かどうかを確かめるには、マットレスと床板の間に、不要になったシーツや薄い毛布などを一枚挟んでみてください。
それで音が消えれば、原因はこの摩擦で間違いありません。
ベッドフレームではなく、ベッドの脚と床が擦れて音が出ているケースもあります。
この場合は、脚の下にフェルトやゴムシートを敷くことで改善します。
きしみ音の原因が必ずしもベッドフレームの構造にあるとは限りません。
フレームを疑う前に、一度マットレスを床に下ろして、その上で寝返りを打ってみるなど、原因の切り分けを行うことが、解決への近道となります。
きしみにくいチェストベッドの構造とは？「ボックス構造」のすすめ
そもそも、きしみ音が発生しにくいベッドを選ぶことができれば、後の心配も少なくなります。
特にチェストベッドは、その構造上、一般的なベッドフレームに比べてきしみに強いという大きなメリットがあります。
その秘密は「ボックス構造」にあります。
「面」で支えるボックス構造が、きしみに圧倒的に強い理由
一般的な4本脚のベッドフレームは、脚とフレームの接合部に荷重が集中する「点」で支える構造です。
フレームに歪みやねじれが生じやすく、これがきしみ音の大きな原因となります。
ほとんどのチェストベッドが採用している「ボックス構造」は、ベッド下が引き出しユニットなどの頑丈な「箱」で構成されており、ベッド全体を「面」で支える構造になっています。
イメージとしては、ベッドフレーム自体が、いくつかの頑丈な箱を組み合わせた一つの塊になっているようなものです。
この構造には、きしみ音に対して絶大なメリットがあります。
荷重がベッド全体に均等に分散されるため、特定の場所に負荷が集中することがありません。
フレームの歪みやねじれが極めて起こりにくくなります。
パーツ同士が広い面で接合されているため、接合部の安定性が非常に高く、ネジの緩みによる摩擦も発生しにくいのです。
脚付きベッドのように、フレームが「しなる」ことがほとんどないため、寝返りを打ってもベッド全体がどっしりと安定しており、不快な揺れや音を感じることがありません。
耐荷重性能も非常に高く、重いマットレスを乗せても、二人で寝ても、びくともしない安心感があります。
「面」で支えるボックス構造は、きしみ音の発生要因となる「歪み」「ねじれ」「接合部の緩み」を根本から排除する、非常に優れた構造なのです。
静かで快適な眠りを追求するなら、この「ボックス構造」は最強の選択肢と言えるでしょう。
きしみにくいベッドフレームの見分け方と選び方のポイント
では、これからチェストベッドを購入する際に、よりきしみにくい製品を見分けるには、どこに注目すれば良いのでしょうか。
私がお客様にご案内する際のチェックポイントをお伝えします。
商品説明で「ボックス構造（BOX構造）」というキーワードを探してください。
この記載があれば、きしみに強い構造である可能性が非常に高いです。
使用されている「板材の厚み」に注目しましょう。
引き出しユニットを構成する側板や仕切り板が、ペラペラな薄い板ではなく、厚みが15mm以上あるような、しっかりとした板材で作られているかを確認します。
板が厚いほど、箱としての強度が上がり、歪みに対する抵抗力も増します。
ウェブサイトの商品画像で、引き出しを抜いた状態の内部構造が見られる場合は、ぜひチェックしてみてください。
「引き出しの作り」も重要です。
引き出しの底板が、薄いベニヤ板をはめ込んでいるだけの「あり溝式」よりも、四方をしっかりとネジで固定し、底板にも厚みがある作りの方が、ベッド全体の剛性を高めるのに貢献します。
可能であれば「背面の化粧仕上げ」の有無も確認しましょう。
引き出しの奥側や、長物収納の壁側など、普段は見えない部分まできれいに化粧板で仕上げられている製品は、見えない部分にも手を抜かない、丁寧な作りである証拠です。
こうした製品は、パーツの精度も高く、結果的にきしみ音が発生しにくい傾向があります。
価格だけで選ばず、こうした構造的な部分にまで目を向けることが、長く快適に使える、きしみにくいチェストベッドと出会うための秘訣です。
組み立て時にできる、きしみ防止のコツ
きしみ音の発生は、ベッドの組み立て方によっても大きく左右されます。
購入後の快適な睡眠のために、組み立ての段階でできる、プロ直伝のきしみ防止のコツを2つご紹介します。
このひと手間で、ベッドの寿命が変わると言っても過言ではありません。
ネジは「仮締め」から「本締め」へ 均等に締めるのがプロの技
チェストベッドの組み立てで、きしみ防止のために最も重要なのが「ネジの締め方」です。
多くの方がやりがちなのが、一つのネジ穴を見つけたら、いきなり最後まで固く締めてしまい、次のネジへと進んでいく方法です。
実はこれが、後々の歪みやきしみの原因になります。
正しい手順は、まず全てのネジを、手で回せるくらいのゆるい状態で、それぞれのネジ穴に取り付けていく「仮締め」を行います。
全てのパーツが連結され、全てのネジが所定の位置に収まっていることを確認してから、ようやく「本締め」の工程に移ります。
この本締めの際にもコツがあります。
それは、対角線上のネジを順番に、少しずつ均等に締めていくことです。
四角い板を4本のネジで固定する場合、右上→左下→左上→右下といった順番で、それぞれを8割程度の力で締めていきます。
そして、また同じ順番で、今度は100%の力で完全に締め上げます。
なぜこのような面倒な手順を踏むのかというと、一箇所だけを先に強く締めると、その力でフレーム全体に僅かな歪みが生じ、他のネジ穴との位置が微妙にズレてしまうからです。
ズレた状態で無理にネジを締め込むと、フレームには常に応力がかかった状態となり、これがきしみ音に繋がるのです。
全てのネジを均等に締めることで、フレームが自然な形でしっかりと固定され、歪みのない、きしみにくいベッドが完成します。
少し時間はかかりますが、このプロの技を実践するだけで、ベッドの安定性は格段に向上します。
設置場所は水平な床に フェルト活用で微調整
ベッドフレームを完璧に組み立てても、それを置く「床」が水平でなければ、結局フレームは歪んでしまい、きしみ音の原因となります。
築年数の古いお家や、畳の上などでは、床が完全に水平でないケースも少なくありません。
ベッドを設置する前に、まずはお部屋の床が水平かどうかを確認してみましょう。
専用の水平器がなくても、スマートフォンの水平器アプリなどで簡易的にチェックすることができます。
もし床に傾きがある場合は、そのままベッドを置くと、低い方の角に荷重が集中し、フレームに常にねじれの力がかかってしまいます。
これを解消するために役立つのが、家具の脚の下に貼る「フェルトパッド」です。
100円ショップなどでも手軽に購入できます。
床が低い方の角の下に、このフェルトパッドを一枚、あるいは二枚重ねて敷き、ベッドの高さを微調整してあげるのです。
ベッドを揺すってみて、四隅がガタつくことなく、どっしりと安定すればOKです。
この微調整を行うことで、フレームにかかる無理な力がなくなり、きしみ音の発生を劇的に抑えることができます。
フェルトパッドには、床の傷つきを防止する効果もあります。
チェストベッドは非常に重いため、一度設置すると動かすのは大変です。
組み立ての最終段階で、この「水平出し」をしっかりと行うことが、後々の快適な眠りのための重要な一手間となります。
使い始めてから音が気になった時の対処法
どんなに丁寧な組み立てを心がけても、長年使っているうちに、湿度の変化や日々の荷重で、きしみ音が発生してくることもあります。
ご安心ください。
ほとんどの場合、ご家庭でできる簡単な対処法で解決可能です。
まずは「音の発生源」を特定する！特定方法とチェック箇所
きしみ音に対処する上で、最も重要なのが「どこから音が鳴っているのか」という発生源を正確に特定することです。
やみくもにネジを締めても、的外れでは意味がありません。
音の特定は、できれば二人一組で行うのが理想的です。
一人がベッドの上で、ゆっくりと寝返りを打ったり、体重をかけたりして、意図的に音を発生させます。
もう一人は、耳を澄ませながら、ベッドの周りを動き、音の発生源を探ります。
チェックすべき主な箇所は以下の通りです。
� 撻悒奪疋棔璽匹肇汽ぅ疋侫譟璽爐力�結部】：最もきしみが発生しやすい箇所です。
手でヘッドボードを揺すってみて、音が出るか確認します。
�◆攵家帖覆垢里魁砲肇侫譟璽爐寮椰�部】：床板がフレームに乗っている部分です。
床板の一枚一枚を手で押してみて、音がしないかチェックします。
��【ベッドの脚と床の接地面】：ベッドがガタついていないか、四隅を手で押して確認します。
�ぁ攬�き出しのレール】：引き出しを動かした時にだけ音がする場合は、レールが原因の可能性が高いです。
�ァ效羆�の補強脚（ある場合）】：ベッドの中央を支える脚が緩んでいたり、高さが合っていなかったりしないか確認します。
一つ一つのパーツを丁寧にチェックし、「この動きをした時に、ここから音が鳴る」という原因を突き止めることが、的確な対処への第一歩です。
家庭でできる対処法� Д優犬料�し締めと緩み止め
きしみ音の原因として最も多い「接合部の緩み」。
音の発生源が特定できたら、まず試すべき最も効果的な対処法が、ネジの「増し締め」です。
ご家庭にあるプラスドライバーや、ベッドに付属していた六角レンチを用意してください。
音の発生源と思われる箇所のネジを中心に、ベッドフレーム全体のネジを、もう一度力強く締め直していきます。
この時も、一気に固く締めるのではなく、少しずつ均等に締めていくのがコツです。
ヘッドボードとサイドフレームを連結している長いボルトは、緩みやすいポイントなので重点的にチェックしましょう。
これだけで、大半のきしみ音は解消されるはずです。
もし、特定のネジが何度も緩んでくる、という場合は、ホームセンターなどで売っている「ネジの緩み止め剤」を使用するのも一つの手です。
ネジ山に少量塗布することで、振動による緩みを防いでくれる液体です。
ただし、一度使うと外れにくくなるタイプもあるので、説明書をよく読んで使用してください。
作業前には、引き出しの中身を一旦出すと、ベッドが軽くなり、作業しやすくなります。
半年に一度、このネジの増し締めを定期的なメンテナンスとして行う習慣をつければ、きしみ音のない快適な状態を長く保つことができます。
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ネジをすべて締め直しても、まだ音が消えない…。
その場合は、「パーツの摩擦」が原因である可能性が高いです。
床板（すのこ）と、それを受けるフレームの木材同士が擦れて「ミシッ」と鳴るケースは非常に多くあります。
この摩擦音を解消するのに効果的なのが、パーツの間に「緩衝材」を挟み込むというテクニックです。
ご家庭にあるもので簡単にできます。
おすすめの緩衝材は、「フェルト」「薄手のゴムシート」「コルクシート」「厚手の布」などです。
100円ショップなどで売っている、家具の脚に貼る傷防止用のフェルトシールが手軽で良いでしょう。
音が鳴る部分の床板を一度持ち上げます。
そして、床板がフレームに接する部分（フレームの上面）に、このフェルトシールを数カ所貼り付けます。
そして、ゆっくりと床板を元に戻します。
たったこれだけで、木材同士が直接触れなくなるため、摩擦がなくなり、驚くほど音が静かになります。
ヘッドボードとサイドフレームの接合部から音が鳴る場合は、一度ネジを緩め、その隙間に薄いフェルトなどを挟んでから締め直す、という方法も有効です。
この方法は、パーツを傷つけることなく、音の原因を根本から断つことができます。
蝋（ろうそく）を擦り込むという昔ながらの方法もありますが、木材の種類によってはシミになる可能性があるので、まずはフェルトなどの緩衝材から試してみることをお勧めします。
店主のつぶやき チェストベッドの「きしみ音」、原因と対策を店主が徹底解説
・チェストベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・跳ね上げ式ベッド
・大容量収納ベッド
・収納ベッド
・布団が使えるベッド
・チェストベッドの「きしみ音」、原因と対策を店主が徹底解説
・子供部屋にチェストベッドは最適か？メリットと注意点を解説
名前： さとうのりお