こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
通気性が良く、カビ対策に最適だと人気の「すのこベッド」。
その性能に安心しきって、お手入れを怠っていませんか。
実は、すのこベッドも、間違った使い方やお手入れ不足が続けば、カビが発生するリスクはゼロではありません。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、すのこベッドの性能を最大限に引き出し、カビを徹底的に防ぐための「正しいお掃除方法」を、日常的な簡単ケアから、半年に一度の本格掃除、そして万が一カビが発生した際の対処法まで、完全網羅で解説していきます。
普段やるべきすのこベッドの日常的なお掃除
カビを防ぐための基本は、カビのエサとなる「ホコリ」と、カビが好む「湿気」を、日常的に取り除くことです。
毎日、あるいは週に一度の簡単な習慣が、数年後のベッドの状態を大きく左右します。
ベッド周りのホコリ取りと寝具のこまめな洗濯
カビの栄養源となるのは、主に、ホコリ、髪の毛、フケ、皮脂などです。
これらは、寝室の中でも、特にベッド周りに溜まりやすいものです。
まずはベッド周りを清潔に保つことを心がけましょう。
週に一度でも良いので、ベッドフレームの周りの床を、掃除機やフローリングワイパーで丁寧に掃除します。
シーツや枕カバー、ベッドパッドといった寝具類は、私たちの汗や皮脂を吸収し、カビやダニのエサの宝庫となりがちです。
これらは、最低でも週に一度は洗濯し、清潔な状態を保つようにしましょう。
汗を多くかく夏場は、より頻繁に洗濯するのが理想です。
寝具を清潔に保つことは、すのこやマットレスに、カビの栄養分を供給するのを防ぐ上で、非常に重要な役割を果たします。
フレームやヘッドボードの乾拭きを習慣に
ベッドフレーム自体も、静電気などでホコリを吸い寄せやすい場所です。
ヘッドボードの棚(宮棚)や、デザインの凹凸がある部分は、ホコリが積もりやすいポイントです。
このホコリを放置すると、湿気を吸って、カビの発生原因になります。
週に一度、寝具を洗濯するタイミングなどに合わせて、乾いた柔らかい布で、フレーム全体を優しく拭き上げる「乾拭き」を習慣にしましょう。
化学ぞうきんは、薬剤がフレームの塗装を傷める可能性があるので、使用は避けた方が無難です。
この乾拭きを習慣にするだけで、ベッドフレームを美しく保てるだけでなく、カビの栄養源となるホコリを、効果的に取り除くことができます。
ベッド下の掃除を楽にする脚付きタイプの利点
ベッドの下は、家の中でも、特にホコリが溜まりやすく、掃除がしにくい「魔の空間」です。
このベッド下のホコリも、湿気を吸ってカビの原因となります。
すのこベッドの中でも、床との間に十分なスペースがある「脚付き(レッグタイプ)」のものは、このベッド下の掃除が非常にしやすい、という大きなメリットがあります。
掃除機やフローリングワイパーが、ベッドの奥まで簡単に入り込むため、いつでも手軽に、ベッド下全体を清潔に保つことができます。
近年普及しているお掃除ロボットが通れる高さ(一般的に10cm以上)の脚付きベッドを選べば、自分は何もしなくても、毎日自動でベッド下を掃除してくれます。
カビ対策として、非常に強力な武器となります。
もし、お使いのベッドが、床との間に隙間がない「フロアタイプ」の場合は、定期的にマットレスを上げて、すのこの下を掃除する意識が、より重要になります。
毎朝の掛け布団をめくるだけの簡単湿気対策
私たちは、一晩でコップ一杯分の汗をかくと言われています。
その湿気の多くは、マットレスと、掛け布団の間の空間にこもっています。
朝起きてすぐに、掛け布団をきれいにベッドメイキングしてしまうと、この湿気の逃げ場がなくなり、マットレスの中に閉じ込められてしまいます。
ぜひ習慣にしていただきたいのが、朝起きたら、掛け布団を足元側に「めくり上げておく」という、簡単な一手間です。
一晩マットレスにこもった湿気が、空気中に発散されやすくなります。
時間は、1時間程度でも構いません。
身支度をしている間や、朝食を食べている間、掛け布団をめくっておくだけ。
たったこれだけのことで、マットレスの湿気状態は、大きく改善されます。
すのこベッドの通気性を、さらに効果的に活かすための、非常に重要な習慣です。
マットレスを上げて行う半年に一度の本格掃除術
日常的なお掃除に季節の変わり目など、年に二回は、マットレスを完全にフレームから下ろして、すのこ自体をきれいにする「本格掃除」を行いましょう。
普段は見えない部分の汚れを取り除き、カビの発生を未然に防ぎます。
安全な作業のための準備とマットレスの移動方法
本格掃除を始める前に、安全に作業を行うための準備をします。
キングサイズのマットレスは、非常に大きく、そして重いものです。
コイルマットレスは、50kgを超えることも珍しくありません。
無理に一人で動かそうとすると、腰を痛めたり、壁や家具にぶつけて傷を付けたりする原因になります。
必ず、二人以上で、協力して作業を行ってください。
マットレスを立てかけるための、十分なスペースを、寝室内に確保します。
壁に立てかけるのが一般的ですが、その際は、壁紙を傷つけないように、壁との間に、古いシーツや段ボールなどを挟むと良いでしょう。
連結タイプのキングサイズベッドで、マットレスが2枚に分かれている場合は、一枚ずつなので、比較的楽に作業ができます。
マットレスを移動させたら、すのこが剥き出しの状態になります。
すのこの表面と隙間のホコリを掃除機で吸い取る
マットレスを下ろすと、普段は見えない、すのこの表面や隙間に、驚くほどたくさんのホコリや、髪の毛、繊維くずなどが溜まっていることに気づくはずです。
これらが、湿気を吸って、カビの温床となります。
まずは、掃除機のブラシ付きノズルを使って、これらのホコリを、徹底的に吸い取っていきましょう。
すのこ板の表面だけでなく、板と板の間の隙間や、すのことフレームが接する隅の部分も、念入りに掃除機をかけます。
すのこが取り外せるタイプの場合は、一枚ずつ取り外して、裏側も忘れずに掃除機をかけると、より完璧です。
この最初のホコリ取りを、丁寧に行うことが、この後の拭き掃除の効率を上げ、仕上がりをきれいにするための、重要なポイントです。
固く絞った雑巾での拭き掃除と乾燥の重要性
掃除機でホコリを取り除いたら、拭き掃除を行います。
ここで、絶対に注意していただきたいのが「水分を使いすぎない」ことです。
木材であるすのこにとって、水分はカビの原因に直結します。
使用する雑巾は、水で濡らした後、これ以上は絞れない、というくらい、固く、固く絞ってください。
そして、その固く絞った雑巾で、すのこ板の一枚一枚を、木目に沿って、丁寧に拭き上げていきます。
汚れが気になる場合は、水で薄めた中性洗剤を使っても構いませんが、その場合は、その後必ず、洗剤成分が残らないように、きれいな水で固く絞った雑巾で、再度、拭き上げてください。
拭き掃除が終わったら、すぐにマットレスを戻してはいけません。
ここからが、最も重要な「乾燥」の工程です。
乾いた布で、すのこ全体の水分を、丁寧に拭き取った後、寝室の窓を開け、扇風機やサーキュレーターの風を、直接すのこに当てて、最低でも1時間以上、完全に乾燥させます。
この乾燥を徹底することが、カビを防ぐための、最後の砦です。
もしすのこにカビが発生した場合の除去方法
どんなに対策をしていても、長期間の留守や、梅雨の時期の湿気など、悪条件が重なると、すのこにカビが、点々と発生してしまう可能性はゼロではありません。
初期段階であれば、慌てずに、正しく対処すれば、きれいに除去することが可能です。
カビ発見時の初期対応と準備するもの
すのこに、黒や緑の、点々としたカビを発見したら、まずは、被害を広げないための、初期対応が重要です。
カビの胞子は、非常に軽く、わずかな空気の動きで、部屋中に飛散してしまいます。
掃除機でいきなり吸い取ろうとすると、排気で胞子を撒き散らしてしまうことになるので、絶対にやめてください。
作業を始める前に、必ず、寝室の窓を開けて、換気を良くします。
そして、カビの胞子を吸い込んだり、肌に触れたりしないように「マスク」「ゴム手袋」「できればゴーグル」を着用し、体を保護してください。
準備するものは「消毒用エタノール(アルコール濃度70%以上のもの)」「乾いた布やキッチンペーパー」「ゴミ袋」です。
漂白剤などと違い、エタノールは、木材の色をほとんど変色させることなく、カビを殺菌できるため、すのこのお手入れに最適です。
消毒用エタノールを使った正しいカビの拭き取り方
準備が整ったら、カビの除去作業に取り掛かります。
乾いた布やキッチンペーパーに、消毒用エタノールをたっぷりと染み込ませます。
そして、その布で、カビが発生している部分を、そっと、優しく拭き取ります。
この時、ゴシゴシと強く擦らないでください。
強く擦ると、カビの菌糸が、木材の繊維の奥深くまで入り込んでしまい、再発の原因になります。
あくまで、表面のカビを、アルコールで殺菌しながら、静かに拭き取る、というイメージです。
一度拭いた面は、胞子が付着しているので、二度使わず、常に布のきれいな面を使うか、新しいペーパーに取り替えて、作業を進めてください。
カビが見えなくなったら、エタノールをスプレーボトルに入れて、カビが発生していた箇所と、その周辺に、まんべんなく吹きかけて、仕上げの殺菌をします。
その後は、アルコール分が完全に蒸発し、すのこが完全に乾くまで、窓を開け、扇風機などで風を当てて、徹底的に乾燥させます。
やってはいけないNGな掃除方法
すのこにカビを発見した時、良かれと思ってやったことが、かえって状況を悪化させてしまう、NGな掃除方法がいくつかあります。
先述した通り「いきなり掃除機で吸う」のは厳禁です。
排気で、カビの胞子を部屋中に撒き散らし、被害を拡大させてしまいます。
掃除機を使うのは、必ず、エタノールでカビを死滅させた後、最後の仕上げにしてください。
次に「水拭きだけで済ませる」のもNGです。
水拭きでは、表面のカビは取れたように見えても、木材の内部に菌糸が残ってしまいます。
そして、木材に水分を与えることで、残った菌糸の、再繁殖を促してしまう、という最悪の結果を招きます。
カビ取りには、必ず、殺菌効果のある、消毒用エタノールを使用してください。
そして、最も注意したいのが「カビ取り用の塩素系漂白剤を使わない」ことです。
塩素系漂白剤は、カビを強力に除去できますが、木材を脱色させ、まだらに白く変色させてしまいます。
木材の繊維を傷め、すのこの寿命を縮める原因にもなります。
すのこのカビ取りは「エタノールで優しく拭き取り、徹底的に乾燥させる」。
これが、鉄則です。
すのこを長持ちさせるためのメンテナンスの秘訣
正しいお掃除に日頃からのちょっとした心がけが、すのこベッドを、より長く、快適な状態に保つための秘訣となります。
今日から始められる、簡単なメンテナンス術をご紹介します。
定期的なネジの増し締めでキシミ音と歪みを防ぐ
すのこベッドを長く使っていると、きしみ音が気になってくることがあります。
その主な原因は、日々の使用による振動で、フレームを連結しているネジやボルトが、少しずつ緩んでくることです。
この緩みを放置すると、きしみ音が大きくなるだけでなく、フレーム全体に歪みが生じ、すのこ板が正常に収まらなくなったり、最悪の場合、フレームが破損したりする危険性もあります。
これを防ぐために、半年に一度の本格掃除の際などに、ベッド全体の「ネジの増し締め」を、ぜひ習慣にしてください。
ベッドの組み立て時に使った、六角レンチやドライバーを使い、ヘッドボードとサイドフレームの接合部や、脚の付け根など、全てのネジを、ぐっと締め直します。
この僅かな一手間が、ベッドの歪みを防ぎ、すのこが常に安定した状態で、マットレスを支えられるようにしてくれます。
カビ対策だけでなく、ベッドの寿命を延ばし、安全性を保つ上でも、非常に重要なメンテナンスです。
除湿シートやベッドパッドの併用で湿気をダブルブロック
すのこベッドの通気性に、過信は禁物です。
その効果を、さらに確実なものにするために、便利な寝具アイテムを、積極的に活用しましょう。
マットレスの下に「除湿シート」を敷くことは、もはや必須の対策と言えます。
すのこが、下から湿気を逃がし、除湿シートが、上から湿気を吸い取る。
この「ダブルブロック」体制で、マットレスを、湿気から鉄壁のガードで守ります。
マットレスの上には、必ず「ベッドパッド」を敷いてください。
ベッドパッドは、寝汗の大部分を、マットレスに到達する前に吸収してくれる、第一の防波堤です。
このベッドパッドを、こまめに洗濯することで、マットレス内部に浸透する湿気の量を、大幅に減らすことができます。
防水機能のある「プロテクター」を併用すれば、お子様のおねしょや、飲み物のこぼしといった、万が一のアクシデントからも、マットレスを完全に守ることができます。
これらのアイテムは、すのこベッドの性能を、最大限に引き出すための、最高のサポーターです。
寝室全体の換気とベッドの配置を見直す
すのこベッド自体のケアと同時に、寝室全体の「空気環境」を見直すことも、長期的なカビ対策には不可欠です。
毎日の「換気」は、何よりも重要です。
朝と夕方など、一日に二回、窓を二方向開けて、空気の通り道を作り、寝室の空気を完全に入れ替えましょう。
部屋の隅や、クローゼットの中など、空気がよどみやすい場所を意識して、サーキュレーターなどで、強制的に空気を循環させるのも、非常に効果的です。
ベッドの「配置」も、通気性に大きく影響します。
壁にベッドをぴったりと付けてしまうと、その部分の空気の流れが止まり、湿気がこもって、壁とベッドの双方に、カビが発生する原因になります。
壁から「5cmから10cm」程度、隙間を空けてベッドを配置するだけで、ベッドの周りを空気が流れるようになり、通気性は劇的に改善されます。
すのこベッドの性能を、100%引き出すためにも、ぜひ、寝室全体の環境にも、目を向けてみてください。
店主のつぶやき キングサイズすのこベッドの掃除方法 カビを防ぐ正しいお手入れ
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