キングサイズすのこベッドに布団は敷ける? 正しい知識と選び方


こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
「畳や床に直接布団を敷く寝心地が好き。
でも、立ち座りのしやすさや衛生面を考えると、ベッドも魅力的…」。
そんなお悩みから「すのこベッドの上に、今使っている布団を敷いて使えませんか」というご質問を、大変多くのお客様からいただきます。
結論から申し上げますと、それは「条件付きで可能」です。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、布団でも快適に眠れる頑丈なすのこベッドの条件から、メリット・デメリット、そして布団派の方が特に注意すべき湿気対策まで、プロの視点から徹底的に解説していきます。

布団が使える頑丈なすのこベッドの条件

すべてのすのこベッドで、布団が快適に使えるわけではありません。
マットレスの使用を前提としたベッドに無理に布団を敷くと、体を痛めたり、ベッドを破損させたりする原因になります。
安全で快適な睡眠のために、必ず守るべき条件を解説します。

条件1 すのこの隙間が狭いことの重要性

布団を敷いて使うすのこベッドを選ぶ上で、最も、そして絶対に確認しなければならないのが「すのこの隙間(間隔)」です。
一般的なすのこベッドは、マットレスを置くことを前提に設計されているため、通気性を重視して、すのこの隙間が広く取られているものが多くあります。
このような隙間の広いすのこの上に、薄い布団を直接敷いてしまうと、どうなるでしょうか。
体重がかかった部分の布団が、すのこの隙間に落ち込んでしまい、床板が非常に凸凹した状態になります。
これでは、まるで洗濯板の上で寝ているようなもので、背中や腰が痛くなるのは当然です。
快適な睡眠どころか、健康を害する原因にさえなりかねません。
布団を敷いて使うためには、この隙間が限りなく狭い「桟木(さんぎ)タイプ」とも呼ばれる、高密度なすのこを選ぶ必要があります。
具体的な目安としては、すのこの板と板の間の隙間が「1cm以下」であることが望ましいです。
このくらい隙間が狭ければ、布団が落ち込むことなく、体を面でしっかりと支えることができ、畳の上で寝ているのに近い、安定した寝心地が得られます。
商品を選ぶ際には、必ずスペック表などで、すのこの隙間の寸法を確認するか、「布団使用可能」と明記されている製品を選ぶようにしてください。

条件2 十分な耐荷重があることの確認方法

布団を敷いて使う場合、ベッドフレームには、マットレスを使う時とは異なる負荷がかかります。
スプリングマットレスは、内部のコイルが体を分散して支え、フレームにかかる負荷をある程度吸収してくれます。
布団の場合は、人の体重がよりダイレクトに、そして局所的にすのこ板にかかることになります。
フレーム、特にすのこ板自体の「頑丈さ」が、マットレス使用時以上に求められるのです。
その頑丈さを客観的に判断するための、最も分かりやすい指標が「静止耐荷重」です。
そのベッドがどのくらいの重さまで耐えられるかを示した数値で、商品ページなどに記載されています。
キングサイズに、ご夫婦二人とお子様、というように家族で眠ることを想定するなら、全員の合計体重の3倍から4倍程度の耐荷重があると安心です。
家族の合計体重が150kgなら、450kgから600kg程度の耐荷重を持つベッドを選ぶと良いでしょう。
耐荷重が高いベッドは、それだけ太い木材を使っていたり、補強がしっかりしていたりと、頑丈な設計になっている証拠です。
特に「布団使用可能」を謳う頑丈すのこベッドの中には、耐荷重600kg以上という、非常に頼もしいスペックを誇るモデルも多く存在します。
この耐荷重の数値を確認することが、長く安心して使えるベッドを選ぶための、重要な第一歩です。

条件3 すのこ板の厚みと面取り加工

耐荷重と合わせて、すのこ板自体の「厚み」も、頑丈さを見極める上で重要なポイントです。
布団を敷く場合、人の体重が直接すのこにかかるため、すのこ板が薄いと、たわんだり、最悪の場合、割れてしまったりする危険性があります。
安価なベッドでは、厚みが1cm程度の薄いすのこが使われていることもありますが、布団で使うには心許ありません。
目安として、すのこ板の厚みが「2cm(20mm)以上」あるものを選ぶと、安心感が高まります。
すのこの角が、きちんと「面取り(角を丸く削る加工)」されているかどうかも、チェックしたいポイントです。
この加工がされていない、角が立ったままのすのこの上に布団を敷くと、布団の生地が角に擦れて、破れてしまう原因になります。
布団の上げ下ろしの際に、手を切ってしまう危険性もあります。
細やかな部分ですが、こうした丁寧な作り込みがされているかどうかが、製品の品質を見極める上での、一つの判断材料となります。
厚く、そして優しい作りであること。
それが、布団を安心して預けられる、良いすのこの条件です。

布団使用OKと明記されたベッドを選ぶ安心感

ここまで、すのこの隙間や耐荷重、厚みといった、専門的な条件を解説してきました。
正直なところ、これらの数値を一つひとつ、多くの商品で比較検討するのは、なかなか大変な作業です。
最も簡単で、確実な選び方が、商品説明に「布団使用OK」「布団でもご使用いただけます」といった表記が、明確にされている製品を選ぶことです。
この表記があるベッドは、メーカーが、布団を敷いて使用することを想定し、それに耐えうる強度試験や、設計上の配慮を行っている、という証拠です。
つまり、これまで説明してきた「隙間が狭い」「耐荷重が高い」「すのこが厚い」といった、布団で使うための条件を、すでにクリアしている製品であると判断できます。
ベッドの専門知識に自信がない方や、選ぶ手間を省きたい方は、この「布団使用OK」の表記を、製品選びの絶対条件にすることをお勧めします。
私たちベッドのプロも、お客様に布団での使用をご提案する際には、必ずこの表記があることを確認しています。
大切な布団と、そして何より、お客様ご自身の体を守るために、この「安心の証」を、ぜひ探してみてください。

すのこに直接布団を敷くメリットとデメリット

長年慣れ親しんだ布団の寝心地を、ベッドの上で実現できる「すのこベッド+布団」の組み合わせ。
そこには良い点だけでなく、知っておくべき注意点も存在します。
メリットとデメリットを正しく理解し、ご自身にとって最適な選択かを見極めましょう。

メリット1 マットレス不要で経済的

すのこベッドに布団を敷く、最大のメリットの一つが、その「経済性」です。
通常、ベッドで眠るためには、ベッドフレームとは別に、マットレスを購入する必要があります。
キングサイズともなれば、マットレスも高価になり、フレームと合わせると、かなりの出費になります。
すのこベッドに布団を敷くスタイルであれば、このマットレスが不要になります。
今、ご家庭ですでに使っている敷布団を、そのまま活用することができるのです。
ベッドを新調する際の、初期費用を大幅に抑えることができるのは、家計にとって非常に大きな魅力と言えるでしょう。
将来的に、布団が古くなって買い替える際も、マットレスに比べると、布団の方が比較的安価に購入できます。
まだ使える布団をお持ちの方にとっては、その資産を無駄にすることなく、ベッドスタイルへと移行できる、非常に合理的で、無駄のない選択と言えます。

メリット2 布団の上げ下ろしが楽で衛生的

日本で古くから愛されてきた、布団ならではの良さ。
それは、手軽に「干せる」ことです。
マットレスは、重くて大きく、天日干しをするのは非常に困難です。
布団であれば、天気の良い日に、ベランダに干すことができます。
太陽の光をたっぷりと浴びた布団は、湿気が飛んで、ふかふかの寝心地が復活します。
日光消毒による、ダニの繁殖抑制や、殺菌効果も期待できます。
すのこベッドの上に布団を敷くスタイルは、この日本の素晴らしい習慣を、そのまま継続することができます。
ベッドから布団を運び出すのは、床から持ち上げるよりも、腰への負担が少なく、楽に行えます。
毎日の布団の上げ下ろしも、ベッドの高さがある分、スムーズです。
マットレスに比べて、布団自体を、より手軽に、そして衛生的に管理できる、という点は、清潔志向の強い方や、アレルギー体質の方にとって、大きなメリットと感じられるでしょう。

デメリット1 底付き感と背中の痛み

すのこベッドに布団を敷く際に、最も注意しなければならないデメリットが「底付き感」です。
底付き感とは、敷いている布団が薄すぎて、体の重みで、その下にある硬い床板(この場合はすのこ)の感触を、背中や腰に感じてしまう状態のことです。
長年使って、中綿がへたってしまった薄い敷布団一枚だけを敷いた場合、この底付き感は顕著に現れます。
硬いすのこの上に、ただ薄い布が一枚あるだけの状態で寝ているようなもので、これでは、体圧がうまく分散されず、お尻や肩甲骨といった、体の出っ張った部分に圧力が集中してしまいます。
背中や腰の痛みを引き起こしたり、眠りが浅くなったりと、健康を害する原因になりかねません。
この底付き感を防ぐためには、十分な厚みのある敷布団を使うことが絶対条件です。
目安として、厚みが10cm以上あるような、ボリュームのある敷布団や、体圧分散性に優れた機能を持つ敷布団を選ぶようにしましょう。
あるいは、今お使いの敷布団の下に、もう一枚、厚さ5cm程度のウレタンマットレス(アンダーマットレス)を敷く、という方法も非常に効果的です。

デメリット2 布団自体の寿命が短くなる可能性

すのこベッドの上で布団を使うことは、布団自体への負担が、床や畳の上で使うよりも大きくなる可能性がある、という点も、デメリットとして理解しておく必要があります。
床や畳は、平らな「面」で布団を支えますが、すのこは、いくら隙間が狭いと言っても、板と隙間が交互に並んだ、完全な面ではありません。
体重がかかる部分は、どうしても布団に、より強い圧力がかかります。
この繰り返しの圧力によって、布団の中綿がへたりやすくなったり、側生地がすのこの角に擦れて、傷みやすくなったりする可能性があるのです。
すのこと布団の間に湿気が溜まった状態で、長期間放置してしまうと、布団の裏側にカビが発生してしまうリスクも、当然ながら存在します。
これらのデメリットを軽減するためには、やはり、十分な厚みのある、しっかりとした敷布団を選ぶこと、そして、後述する湿気対策を、徹底して行うことが重要になります。
すのこベッドは、布団にとって、必ずしも、畳の上よりも優しい環境ではない、ということを、心に留めておいてください。

布団派必見 すのこベッドの湿気対策と注意点

すのこベッドは通気性が良いから、布団を敷きっぱなしでも大丈夫だろう。
もし、そうお考えなら、それは大きな間違いです。
布団派の方が、すのこベッドを使う上で、最も注意すべき「湿気対策」について、プロの視点から解説します。

布団はマットレス以上に湿気を溜めやすい

大前提としてご理解いただきたいのが、一般的な敷布団は、スプリングマットレスに比べて「通気性が悪く、湿気を溜め込みやすい」という特性を持っている、という点です。
スプリングマットレスは、その内部の大部分が、空気の層でできています。
寝ている間にかく汗(湿気)が、比較的、内部を通過し、底面から抜けやすい構造になっています。
敷布団は、中身が、綿やポリエステル、羊毛といった、繊維の集合体です。
これらの繊維が、湿気をスポンジのように吸収し、内部に溜め込んでしまうのです。
この「湿気の溜め込みやすさ」が、布団とマットレスの、根本的な違いです。
つまり、すのこベッドの上に布団を敷く場合、マットレスを置く時以上に、意識的に、湿気を逃がしてあげるための工夫が必要になる、ということです。
すのこベッドの通気性に、過信は禁物です。
すのこは、あくまで湿気を逃がすための「手助け」をしてくれる存在であり、布団自体が溜め込んだ湿気を、自動的に乾燥させてくれる魔法の道具ではないのです。

毎日の布団の上げ下ろしは必須作業

布団を、すのこベッドの上に、一年中敷きっぱなしにする、いわゆる「万年床」の状態。
カビの発生を促す、最も危険な行為であり、絶対に避けるべきです。
すのこベッドで布団を使うのであれば、床や畳で使うのと同様に「毎日の布団の上げ下ろし」を、原則として行ってください。
朝起きたら、布団を畳んで、押し入れなどに収納するか、それが難しい場合でも、せめて、ベッドの上で、屏風のように立てて、布団の裏側に風を通すようにしましょう。
一晩で布団が吸い込んだ、コップ一杯分の湿気を、乾燥させることができます。
この毎日のひと手間を、面倒くさがらずに実践できるかどうか。
それが、すのこベッドで、布団を快適に、そして衛生的に使い続けられるかどうかの、分かれ道となります。
もし、どうしても毎日の上げ下ろしが難しい、というライフスタイルなのであれば、無理に布団にこだわらず、お手入れが楽な、通気性の良いマットレスを選ぶ、という選択も、賢明な判断と言えるでしょう。

除湿シートやすのこマットの活用術

毎日の布団の上げ下ろしにさらに湿気対策を万全にするための、便利なアイテムを活用しましょう。
布団の下に「除湿シート」を敷くことは、非常に効果的です。
除湿シートが、布団から放出される湿気を、直接吸収してくれるため、すのこ板が湿るのを防ぎ、カビの発生リスクを、大幅に低減できます。
キングサイズの場合は、シングル用の除湿シートを2枚並べて敷くと良いでしょう。
布団の底付き感が気になる場合や、すのこの隙間が少し広めで不安な場合に、おすすめしたいのが、布団とすのこの間に、もう一枚「すのこマット」や「アンダーマットレス」を挟む、という方法です。
薄手のすのこマット(ロール式など)を一枚挟むことで、布団がすのこの隙間に落ち込むのを防ぎ、通気性もさらに向上します。
厚さ5cm程度の、硬めのウレタンマットレス(アンダーマットレス)を敷くのも、底付き感を解消し、寝心地を改善する上で、非常に有効です。
これらのアイテムを、補助的に活用することで、より快適で、安全な、布団とすのこベッドの共存が可能になります。

布団での睡眠におすすめの国産頑丈すのこベッド

ここまで解説してきた条件を満たし、布団での睡眠を、最高の快適さと安心感で支えてくれる、おすすめのベッド。
それは、やはり「国産」の「頑丈すのこベッド」に他なりません。
その理由と、具体的な選び方をご紹介します。

国産フレームならではの安心感と品質

布団を敷いて使うベッドには、高いレベルの「頑丈さ」と「作りの丁寧さ」が求められます。
その点において、やはり「国産(日本製)」のベッドフレームには、大きなアドバンテージがあります。
日本の工場では、厳しい品質管理の下、厚みのある、十分に乾燥させられた高品質な木材が選定され、熟練の職人によって、精密に加工・組み立てが行われます。
フレーム全体の歪みが少なく、高い耐久性が実現されています。
布団使用を想定した国産の頑丈すのこベッドは、耐荷重600kg以上という、非常に高いスペックを誇るモデルも珍しくありません。
すのこの角を丸く面取りする、といった、布団を傷つけないための細やかな配慮も、使う人のことを第一に考える、日本のものづくりならではの心遣いです。
シックハウス症候群の原因となる、ホルムアルデヒドの放散量が極めて少ない、最高ランクの安全基準「F☆☆☆☆(フォースター)」認定の部材のみを使用して作られているものがほとんどである、という点も、家族の健康を考える上で、大きな安心材料となります。

檜や桐など布団と相性の良い木材

国産の頑丈すのこベッドには、日本の気候と暮らしに最適な、優れた特性を持つ木材が、積極的に使われています。
布団との相性を考える上で、特におすすめしたいのが「檜(ひのき)」と「桐(きり)」です。
まず「国産檜」は、古くから、法隆寺などの歴史的建造物にも使われてきた、世界最高レベルの耐久性を誇る木材です。
強度が高いだけでなく、その豊かな香りには、心身をリラックスさせる「フィトンチッド」という成分が含まれており、まるで森林浴をしているかのような、癒やしの睡眠環境を創り出してくれます。
抗菌・防虫効果も高いため、ダニなどを寄せ付けにくいという、衛生面でのメリットもあります。
次に「桐」は、日本の暮らしの中で、古くからタンスなどの収納家具に使われてきた、最も「調湿性」に優れた木材です。
湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥すると水分を放出する性質があるため、布団の下の湿度を、常に快適な状態に保ってくれます。
非常に軽量であるため、ベッド自体の移動や、お手入れが楽である、という利点もあります。
これらの、日本の風土が育んだ、優れた木材の力を借りることで、布団での睡眠は、さらに快適で、上質なものになります。

お客様の声から選ぶ高評価の頑丈すのこベッド

実際に、布団を敷いて、頑丈すのこベッドを使っている方々の「お客様の声(レビュー)」は、製品選びの上で、非常に参考になる、貴重な情報源です。
私たちが販売している中でも、布団派のお客様から、高い評価をいただいているベッドには、いくつかの共通点があります。
それは、やはり「全くきしまない、安定感」「すのこの作りが、しっかりしていて安心」「布団を敷いても、背中が痛くならない」といった、頑丈さと寝心地に関する、満足の声が、数多く寄せられていることです。
「檜の良い香りに癒やされる」「国産で、作りが丁寧なので、安心して使える」といった、品質や素材に対する、喜びの声も目立ちます。
これらのリアルな声は、カタログのスペック表だけでは分からない、実際の使用感を伝えてくれます。
これからベッドを選ぶ際には、ぜひ、こうしたレビューに目を通し、「布団で使っている人」が、どのような感想を持っているか、という視点で、情報を集めてみてください。
きっと、あなたにとって最適な一台を見つけるための、大きなヒントが隠されているはずです。

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