頑丈なキングサイズすのこベッドの選び方 耐荷重と構造を大解説


こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
「キングサイズベッドは欲しいけれど、体重が重めなので壊れないか心配」「子供がベッドの上で遊ぶので、とにかく頑丈なものが良い」。
そんな、ベッドの「頑丈さ」を何よりも重視するお客様へ。
その選択眼は、絶対に正しいです。
ベッドは、毎日の体重を何年、何十年と支え続ける、家の中で最も過酷な役割を担う家具の一つです。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、見た目だけでは分からない、本当に頑丈なすのこベッドを見極めるための、プロのチェックポイントを徹底的に解説します。

体重が気になる人でも安心 耐荷重のチェック方法

ベッドの頑丈さを、客観的な数値で判断するための、最も信頼できる指標が「耐荷重」です。
この数字を正しく理解することが、安心して眠れるベッドを選ぶための、第一歩となります。

耐荷重とは何か 静止耐荷重と動的耐荷重

耐荷重とは、そのベッドが、どのくらいの重さまで、安全に耐えられるかを示した数値のことです。
これには、大きく分けて「静止耐荷重」と「動的耐荷重」の二種類があります。
ベッドの商品ページに記載されている「耐荷重」は、ベッドの上に、静かに重りを乗せた状態で、どこまで耐えられるかを測定した「静止耐荷重」を指します。
ベッドの基本的な強度を示す、重要な指標です。
寝返りを打ったり、ベッドに腰掛けたり、あるいは子供が上で遊んだりといった、瞬間的に大きな力がかかる場合の耐久性を示すのが「動的耐荷重」です。
こちらは、通常、数値として明記されることは稀ですが、静止耐荷重が大きいベッドは、それだけ頑丈な部材と構造で作られているため、結果として、動的耐荷重にも優れている、と考えることができます。
つまり、私たちがベッドを選ぶ際に、まず注目すべきは、この「静止耐荷重」の数値なのです。

キングサイズで必要な耐荷重の目安

では、キングサイズベッドを選ぶ際に、どのくらいの耐荷重があれば、安心なのでしょうか。
基本的な考え方として、ベッドにかかる重さは、寝る人の体重だけでなく、マットレス自体の重さも、加える必要があります。
キングサイズのマットレスは、素材にもよりますが、30kgから、重いものでは60kgを超えることもあります。
ご夫婦の体重が、それぞれ70kgと60kg(合計130kg)、マットレスの重さが40kgとすると、合計で170kgの重さが、常にベッドにかかっていることになります。
そして、安全な耐荷重の目安は、この合計重量の「最低でも2倍」、できれば「3倍以上」あることが望ましい、とされています。
つまり、このケースでは、最低でも340kg以上、安心して長く使いたいのであれば、510kg以上の耐荷重が、一つの目安となります。
体格の良い方や、お子様も一緒に寝るご家庭、あるいは、ベッドの上で過ごす時間が長い方は、より余裕を持った、高い耐荷重のベッドを選ぶことを、強くお勧めします。

商品ページでの耐荷重表記の確認ポイント

耐荷重の数値は、通常、ベッド通販サイトの商品ページの、下の方にある「商品仕様」や「スペック」といった欄に、明記されています。
「静止耐荷重:約500kg」といったように、具体的な数値で書かれているかを確認しましょう。
この時、注意したいのが、その耐荷重が、第三者機関による、客観的な試験に基づいた数値であるかどうかです。
信頼できるメーカーの製品は「第三者機関による、JIS基準に基づいた耐荷重試験をクリア」といった、表記がされていることがあります。
自社で独自に設定した基準ではなく、公的な基準に則った、信頼性の高い数値であることの証です。
キングサイズのような連結ベッドの場合、耐荷重が、ベッド一台あたり(例えばシングルサイズ)の数値で書かれているのか、連結した状態での、全体の数値で書かれているのかも、確認が必要です。
もし、記載が分かりにくい場合は、購入前に、販売店に問い合わせて、必ず確認するようにしましょう。

耐荷重表記がないベッドは避けるべき理由

ベッドのプロとして、声を大にしてお伝えしたいことですが、もし、購入を検討しているベッドの商品ページに「耐荷重」の表記が、どこにも見当たらない場合は、そのベッドの購入は、見送るべきです。
耐荷重を記載していない、ということは、メーカーが、自社製品の強度に、責任を持っていない、ということと同義です。
つまり「どのくらいの重さまで耐えられるか、保証できません」と、言っているようなものです。
市場価格に比べて、極端に安い、いわゆる「激安ベッド」の中には、この耐荷重表記がないものが、残念ながら、数多く存在します。
これらのベッドは、コストを削減するために、強度の低い、華奢な部材で作られている可能性が、非常に高いと言わざるを得ません。
大切な体を預け、毎晩、安心して眠るためのベッドです。
その、最も基本的な安全性を示す、耐荷重という情報を、明確に提示していない製品を、選ぶべきではありません。

すのこの強度を見極める板の厚みと枚数

ベッド全体の耐荷重と合わせて、私たちの体重を、最も直接的に支える「すのこ」自体の強度も、頑丈なベッドを選ぶ上で、極めて重要なチェックポイントです。
すのこの強度は、主に「板の厚み」「枚数」「材質」によって決まります。

すのこ板の厚みは最低でも15mm以上が理想

すのこの強度を、最も分かりやすく左右するのが、すのこ板一枚一枚の「厚み」です。
この板が、ペラペラに薄ければ、当然ながら、重さに耐えきれず、たわんだり、割れたりする原因になります。
この「たわみ」は、寝心地を損なうだけでなく、すのことフレームが擦れる「きしみ音」の、大きな原因ともなります。
安価なベッドの中には、コストを削減するために、厚みが10mmにも満たない、薄いすのこが使われていることもありますが、キングサイズで、大人二人の体重を支えるには、明らかに強度不足です。
頑丈なすのこベッドを選ぶ際の、一つの明確な基準として、すのこ板の厚みが「最低でも15mm以上」あるかどうかを、確認してください。
できれば「20mm(2cm)以上」の厚みがあれば、さらに安心感が増し、布団を直接敷いて使うことも、視野に入ってきます。
このすのこの厚みは、高品質なベッドであれば、商品ページに、必ず明記されています。
もし、記載がない場合は、その製品の強度に、疑問符が付く、と考えてよいでしょう。

すのこの枚数が多いほど体圧分散に優れる

すのこの強度と、寝心地に影響する、もう一つの要素が、すのこ板の「枚数」、つまり、すのこの「密度」です。
すのこ板の枚数が多く、板と板の間の隙間が狭いほど、マットレスや体にかかる圧力を、より多くの板で、細かく分散して支えることができます。
一枚一枚の板にかかる負荷が減り、すのこ全体の耐久性が向上します。
マットレスが、すのこの隙間に落ち込むのを防ぎ、マットレスの寿命を延ばす効果もあります。
寝心地の面でも、すのこの密度が高いほど、その下にある、すのこの存在を感じにくくなり、より安定した、フラットな寝心地が得られます。
逆に、すのこの枚数が少なく、隙間がスカスカに空いているものは、強度的にも、寝心地の面でも、お勧めできません。
具体的な枚数で言うのは難しいですが、商品画像を見て、すのこが、ぎっしりと、密に敷き詰められているか、という印象を、ぜひ確認してみてください。

材質の違い 桐パインLVLそれぞれの強度

すのこに使われる「材質」も、強度に大きく影響します。
すのこによく使われる木材として、代表的なのが「桐」「パイン材(松)」「杉」、そして「LVL(単板積層材)」です。
「桐」は、非常に軽量でありながら、湿度によって、伸縮しにくいという、優れた性質を持っています。
「パイン材」や「杉」は、安価で、木の温もりを感じられますが、材質が柔らかく、節が多いため、強度には、ばらつきがあります。
そして、頑丈さを最優先する上で、近年、最も注目されているのが「LVL」です。
LVLとは、薄くスライスした木材の板を、繊維方向を揃えて、何層にも重ねて、強力な接着剤で圧着して作られた、人工の木質材料です。
無垢の木材と違い、節などの欠点がなく、どの部分も均一で、非常に高い強度を誇ります。
湿気による反りや、歪みも、ほとんどありません。
LVLで作られたすのこは、たわみにくく、きしみ音も出にくい、という、大きなメリットを持っています。
無垢材の風合いに、強いこだわりがなければ、強度と安定性を最優先するなら、この「LVLすのこ」を採用したベッドは、非常に賢明な選択と言えるでしょう。

きしみにくいのはどんな構造のフレームか

頑丈なベッドとは、言い換えれば「きしまないベッド」のことです。
不快なきしみ音は、フレームの歪みや、パーツの緩みが原因で発生します。
ここでは、きしみ音を未然に防ぐ、頑丈なフレーム構造の見極め方を解説します。

きしみ音の最大の原因はフレームの歪みと緩み

ベッドのきしみ音は、フレームを構成する、木材などのパーツ同士が、擦れ合うことで発生する「摩擦音」です。
なぜ、摩擦が起きてしまうのか。
その根本的な原因は、ベッドにかかる重みで、フレーム全体が「歪んだり、たわんだり」すること、そして、その歪みによって、パーツを固定している「ネジやボルトが緩む」ことです。
つまり、きしみ音を防ぐためには、そもそも、歪みや、たわみが生じないような、剛性の高い、がっちりとしたフレーム構造のベッドを選ぶことが、最も重要になります。
では、その剛性の高いフレームとは、どのようなものでしょうか。
それは、部材の厚み、安定性を高めるための補助パーツ、そして、接合部の作りの良さ、といった、細部の積み重ねによって、実現されます。

安定性の要 中央脚サポートレッグの有無

キングサイズのような、幅の広いベッドにおいて、フレームの「たわみ」を、最も効果的に防いでくれる、最重要パーツ。
それが「中央脚(サポートレッグ)」です。
幅が180cm以上もあるキングサイズベッドは、フレームの両サイドを脚で支えるだけでは、どうしても、中央部分が、マットレスと人の重みで、僅かに下に沈み込むように、たわんでしまいます。
この中央のたわみが、フレーム全体の歪みを生み、きしみ音の最大の原因となるのです。
中央脚は、この、最も負荷がかかる中央部分を、床から直接支えることで、たわみを完全に防ぎ、ベッド全体の安定性を、劇的に向上させます。
この中央脚が、一本あるかないかで、ベッドの耐久性と、静粛性は、全く別のものになると言っても、過言ではありません。
キングサイズのすのこベッドを選ぶ際には、絶対に、この中央脚が付いているモデルを選ぶようにしてください。
脚の先端に、高さを微調整できる「アジャスター機能」が付いていれば、床の僅かな凹凸にも対応でき、より完璧な安定性が得られます。

接合部の金具の質と数が耐久性を決める

ベッドフレームは、ヘッドボード、フットボード、サイドフレームといった、複数のパーツを、金具で連結して組み立てます。
この「接合部」が、いかに強固に作られているかが、フレーム全体の剛性を決める、もう一つの重要なポイントです。
頑丈なベッドは、この接合部に、多くの、そして、質の良い金具が使われています。
ヘッドボードとサイドフレームを連結する部分。
安価なベッドでは、細いボルトが数本で留められているだけ、ということもありますが、頑丈なベッドは、厚みのある、大きなプレート状の金具で、広い面積を、がっちりと固定するような構造になっています。
特定の箇所に力が集中するのを防ぎ、長年の使用でも、緩みや歪みが生じにくくなっています。
商品画像で、ベッドの構造図や、組み立て説明図などが確認できる場合は、ぜひ、この接合部の作りに、注目してみてください。
見えない部分の、こうした実直な作り込みこそが、きしみ音のない、静かで、快適な眠りを、長期間にわたって、約束してくれるのです。

布団もマットレスも使える頑丈すのこベッドの条件

「マットレスだけでなく、慣れ親しんだ敷布団も使いたい」。
そんなご要望に応えられるのも、頑丈なすのこベッドならではの、大きな魅力です。
ただし、それには、いくつかの、絶対に守るべき条件があります。

布団使用はベッドに最も負荷がかかる使い方

ご理解いただきたいのは、ベッドの上で「敷布団」を使うことは、実は、マットレスを使うよりも、ベッドフレーム、すのこ板に、はるかに大きな負荷がかかる、ということです。
スプリングマットレスは、内部のコイルや、分厚いクッション層が、人の体重を、広い面積で分散して支えてくれます。
すのこ板にかかる圧力も、比較的、均一になります。
薄い敷布団の場合は、そのようなクッション機能がありません。
人の体重が、ほぼダイレクトに、そして局所的に、すのこ板に伝わります。
お尻などの、特に体重がかかる部分の、数枚のすのこ板に、集中的に、大きな負荷がかかるのです。
マットレスでの使用は問題なくても、布団で使うと、すのこがたわんだり、割れてしまったりするベッドは、少なくありません。
だからこそ、布団で使いたいのであれば、その過酷な負荷に耐えうる、特別な「頑丈さ」が、ベッドフレームに求められるのです。

条件1 すのこの隙間が1cm以下の高密度設計

布団を敷いて、快適に眠るための、絶対条件。
それが、すのこの「隙間が狭い」ことです。
すのこの隙間が広いと、体重がかかった部分の布団が、その隙間に落ち込んでしまい、背中に、すのこの凹凸を感じる「底付き感」が生じます。
これでは、体を痛める原因となり、安眠どころではありません。
布団で使うための、すのこの隙間の目安は「1cm以下」です。
このくらい、すのこ板が、密に敷き詰められていれば、布団が落ち込むことなく、体を、ほぼフラットな「面」で、しっかりと支えることができ、畳の上で寝ているのに近い、安定した寝心地が得られます。
商品を選ぶ際には、必ず、スペック表などで、すのこの隙間の寸法を確認するか「布団使用可能」と明記されている製品を選ぶようにしてください。

条件2 耐荷重500kg以上が一つの目安

布団での使用は、ベッドに大きな負荷がかかるため、当然ながら、ベッド全体の「耐荷重」も、より高いレベルのものが、求められます。
マットレスでの使用であれば、300kg程度の耐荷重でも、問題ないケースは多いですが、布団での使用も視野に入れるのであれば、一つの目安として「耐荷重500kg以上」の、頑丈設計のベッドを選ぶことを、お勧めします。
耐荷重500kg以上を謳うベッドは、フレームの部材が太く、すのこ板も厚く、中央脚などの補強もしっかりしている、という、頑丈さの証でもあります。
ご家族みんなで、川の字で眠る、といった使い方をされる場合は、この高い耐荷重は、絶対的な安心感に繋がります。
価格は、少し高くなるかもしれませんが、安全性と、長期的な耐久性を考えれば、その価値は、十分にあります。

店主のつぶやき 頑丈なキングサイズすのこベッドの選び方 耐荷重と構造を大解説

頑丈なキングサイズすのこベッドの選び方 耐荷重と構造を大解説   

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