クイーンサイズの寝具選び方ガイド シーツや布団も解説


憧れのクイーンベッドを手に入れた次なる楽しみは肌に触れる寝具選びです。
しかしダブルやシングルと比べてクイーンサイズの寝具はどこでどう選べば良いか分からないというお声もよくお聞きします。
このコラムではベッド販売のプロである私がクイーンサイズにぴったりのシーツや布団カバーの選び方はもちろん睡眠の質を左右する敷きパッドの重要性そして寝室全体をおしゃれに彩るコーディネート術まで徹底的に解説します。
あなただけの快適で美しい寝室作りを始めましょう。

クイーンサイズのシーツと布団カバー 種類と特徴

寝具の基本となるのがシーツと布団カバーです。
サイズはもちろんですが種類や素材によって寝心地や使い勝手が大きく変わります。
まずは基本の選び方をしっかり押さえましょう。

ボックスシーツとフラットシーツの違いと選び方

マットレスにかけるシーツには主に「ボックスシーツ」と「フラットシーツ」の2種類があります。
現在主流なのは「ボックスシーツ」です。
袋状になっていてマットレスにすっぽりとかぶせるだけでゴムの力でフィットするため着脱が非常に簡単です。
シーツがずれにくく見た目もスッキリするのが最大のメリットです。
選ぶ際に最も重要なのがマットレスの「厚み(マチ)」です。
クイーンサイズの平面的な大きさは幅160cm×長さ195cmで共通ですがマットレスの厚みは様々です。
ご自身のマットレスの厚さを測りそれより5cmから10cmほど大きいマチ幅のシーツを選ぶと底面までしっかり包み込めます。
一方「フラットシーツ」は一枚の布状のシーツです。
マットレスの下に端を折り込んで使う昔ながらのタイプでホテルのベッドメイキングをイメージすると分かりやすいでしょう。
着脱に少し手間とコツが必要ですがどんな厚みのマットレスにも対応できる汎用性の高さが魅力です。
アイロンがけもしやすいです。
どちらが良いかは好みによりますが手軽さとフィット感を重視するならボックスシーツきちっとしたホテルのような寝心地を求めるならフラットシーツがおすすめです。
初めての方や着脱の手間を省きたい方には断然ボックスシーツをお勧めします。

掛け布団カバーのサイズ選びと注意点

掛け布団カバーは中に入れる掛け布団のサイズに合わせるのが鉄則です。
クイーンサイズの掛け布団は一般的に「210cm×210cm」のものが多くなっています。
まずはご自身がお持ちの掛け布団のサイズをタグなどで正確に確認してください。
カバーが布団より小さいと中身が窮屈になり布団のふっくら感が損なわれます。
逆に大きすぎると中で布団が動いてしまい体にフィットせず寝心地が悪くなります。
サイズ確認と合わせてチェックしたいのがカバーの内側についている「ズレ防止用のヒモ」です。
このヒモを布団本体のループに結びつけることでカバーの中で布団がぐちゃぐちゃになるのを防ぎます。
通常は四隅についていますが中央部分にも付いている6点留めや8点留めのものだとさらにずれにくく快適です。
またカバーの開閉部分の仕様も確認しましょう。
長い辺が全開になる「全開ファスナー」タイプは布団の出し入れがしやすく非常に便利です。
ファスナーではなくボタンやスナップで留めるタイプはおしゃれですが洗濯の際に取れてしまう可能性も考慮しておきましょう。
快適な眠りのためには体に直接触れる掛け布団カバーのフィット感がとても大切です。

季節に合わせた素材選び 綿サテン麻など

シーツやカバーは直接肌に触れるものだからこそ素材選びは重要です。
季節に合わせて素材を変えると睡眠の質が格段に向上します。
最もポピュラーでオールシーズン使えるのが「綿(コットン)」です。
吸湿性通気性に優れ肌触りも良く丈夫で洗濯にも強いという万能選手です。
同じ綿でも織り方によって特徴が変わりなめらかな光沢がある「サテン織り」は高級感があり肌滑りが良いです。
ガーゼを重ねた「ガーゼ素材」は柔らかく使うほどに肌に馴染みます。
夏場に特におすすめなのが「麻(リネン)」です。
吸湿性と発散性が非常に高く汗をかいてもすぐに乾きサラッとした清涼感が続きます。
シャリ感のある独特の肌触りも魅力です。
冬場には暖かさを重視した素材がおすすめです。
起毛加工された「フランネル(ネル)」はふんわりと柔らかくヒヤッと感がなくベッドに入った瞬間から暖かいです。
また軽くて暖かい「マイクロファイバー」も冬の定番素材です。
季節ごとに寝具を着替えるのは少し手間かもしれませんが衣替えと同じように寝室の環境を整えることで一年を通して快適な眠りを手に入れることができます。
まずは基本の綿素材を揃え次に季節に特化した素材を買い足していくのが良いでしょう。

意外と知らない敷きパッドの重要性と快適な選び方

シーツの上に敷く「敷きパッド」。
ベッド購入の際に見落とされがちですが実は快適な睡眠環境を作るための縁の下の力持ちです。
その役割と選び方を知ればあなたのベッドがさらに快適になります。

なぜ敷きパッドが必要なのか その3つの役割

敷きパッドには大きく分けて3つの重要な役割があります。
一つ目は「マットレスを汚れから守る」ことです。
人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくと言われています。
敷きパッドがなければその汗や皮脂はすべて下のシーツを通り抜け高価なマットレスに染み込んでしまいます。
一度汚れたマットレスを丸洗いするのはほぼ不可能です。
敷きパッドを一枚敷いておけば汗や汚れをすべて受け止めてくれます。
敷きパッド自体は家庭の洗濯機で気軽に洗えるため常に清潔な状態を保てます。
二つ目の役割は「寝心地を調整する」ことです。
マットレスが少し硬すぎると感じる場合クッション性の高い敷きパッドを敷けばふんわりとした寝心地に調整できます。
逆に柔らかすぎる場合は張りのある敷きパッドで安定感を出すことも可能です。
今のマットレスの寝心地に少し不満がある方も敷きパッド一枚で改善できるかもしれません。
そして三つ目の役割が「機能性をプラスする」ことです。
夏にはひんやりと涼しい接触冷感タイプ冬にはぽかぽかと暖かい蓄熱保温タイプなど季節に合わせた機能を持つ敷きパッドがたくさんあります。
マットレスを買い替えなくても敷きパッドを変えるだけで季節に応じた快適な寝床環境を作れるのです。

汗を吸い取りマットレスを守る素材選び

敷きパッドの最も基本的な役割である「吸湿性」を重視するならやはり天然素材の「綿(コットン)」が一番です。
特に表面がループ状になった「パイル地(タオル地)」の敷きパッドは吸水性が抜群で汗をかいてもベタつかずサラサラの肌触りを保ってくれます。
赤ちゃんや汗っかきの方には特におすすめです。
また綿は丈夫で繰り返し洗濯してもへたりにくいのも魅力です。
気軽に洗濯できることは清潔を保つ上で非常に重要です。
一方「ポリエステル」などの化学繊維は吸湿性では綿に劣りますが洗濯しても乾きが早いという大きなメリットがあります。
梅雨の時期や洗濯の回数を増やしたい方には便利です。
最近では綿とポリエステルの混紡素材も多く両方の良いところを合わせた使いやすい製品が増えています。
マットレスを長持ちさせるためにはとにかく汗や皮脂をしっかり吸収しそれをこまめに洗い流すことが大切です。
肌触りの好みも考慮しつつ吸湿性と洗濯のしやすさのバランスを考えて素材を選びましょう。
四隅にゴムバンドが付いているタイプが着脱も簡単で一般的です。

夏は涼しく冬は暖かい 機能性敷きパッドの選び方

敷きパッドを季節ごとに使い分けることは快適な睡眠への投資です。
特に日本の蒸し暑い夏と厳しい冬には機能性敷きパッドが大きな力を発揮します。
夏におすすめなのが「接触冷感」素材の敷きパッドです。
肌が触れると熱がすっと移動しひんやりと感じる特殊な素材(ナイロンやポリエチレンなど)が使われています。
寝苦しい夏の夜の入眠をスムーズにしてくれます。
天然素材にこだわるなら「麻(リネン)」や「ラミー(苧麻)」もおすすめです。
優れた吸湿性と発散性で常にサラッとした状態を保ちます。
冬には「吸湿発熱」や「蓄熱保温」タイプの敷きパッドが活躍します。
体から出る汗や湿気を吸収して熱に変える素材や体温を蓄えて暖かさを保つ素材が使われています。
また「フランネル」や「マイクロファイバー」といった起毛素材は肌触りが暖かくベッドに入った時のヒヤッとする感じをなくしてくれます。
電気毛布のように暑くなりすぎず自然な暖かさを保てるのが魅力です。
季節の変わり目に敷きパッドを交換するだけで寝室の温度調節が楽になり電気代の節約にもつながるかもしれません。
一年中同じ寝具で過ごすのではなく季節に合わせた最適な一枚を選んでみてください。

おしゃれなベッドリネンで寝室をトータルコーディネート

寝具は眠るための道具であると同時に寝室のインテリアを決定づける最も大きな要素です。
色や柄を上手に使ってあなただけの素敵な空間を演出しましょう。

色が与える印象と寝室のカラーコーディネート術

寝室は心と体を休める場所なのでリラックスできる色を選ぶのが基本です。
例えば「青」や「緑」といった寒色系の色は鎮静効果があり穏やかな気持ちで眠りにつくことができます。
「白」や「ベージュ」「ライトグレー」といったベーシックカラーは清潔感があり部屋を広く見せる効果もあります。
どんなインテリアにも合わせやすいのでコーディネートに自信がない方にもおすすめです。
寝室全体のコーディネートとしては壁やカーテンの色とベッドリネンの色を同系色でまとめる「統一感のあるコーディネート」が失敗しにくいです。
例えば壁が白ならベッドリネンも白やオフホワイトで揃えるとホテルのような洗練された空間になります。
逆にお部屋のアクセントとしてベッドリネンを使いたいなら壁や床とは対照的な色を選ぶのも良いでしょう。
ただしあまりに鮮やかすぎる色は神経を高ぶらせてしまう可能性があるので落ち着いたトーンの色を選ぶのが無難です。
まずはベースとなる色を1色決めそれを中心に濃淡をつけたりアクセントカラーを少し加えたりするとまとまりのあるおしゃれな寝室になります。

柄物リネンで寝室にアクセントを加える方法

無地の寝具もシンプルで素敵ですが柄物を取り入れると寝室の雰囲気がぐっと個性的になります。
柄物を選ぶ際のコツは「やりすぎない」ことです。
掛け布団カバーシーツ枕カバーすべてを派手な柄で揃えてしまうとごちゃごちゃして落ち着かない印象になってしまいます。
おすすめは掛け布団カバーか枕カバーのどちらか一つに柄物を取り入れ他のアイテムは柄の中から一色拾った無地で揃える方法です。
例えば花柄の掛け布団カバーを選んだらシーツや枕カバーは花の色の中から一色とってピンクや緑の無地にするという具合です。
こうすることですっきりとまとまりながらもおしゃれなアクセントが生まれます。
柄の種類も様々です。
「ストライプ柄」はシャープでモダンな印象を与えます。
「チェック柄」はカジュアルで温かみのある雰囲気になります。
「花柄」はエレガントでロマンチックな空間を演出します。
「幾何学模様」は北欧風やモダンなインテリアと相性が良いです。
ご自身が目指す寝室のテイストに合わせて柄を選んでみましょう。
まずは枕カバーのような小さな面積から柄物を取り入れてみるのも手軽な方法です。

クッションやスローでホテルライクな演出を

寝室を一気にホテルのような上質な空間に変える簡単なテクニックがあります。
それは「クッション」と「ベッドスロー」を活用することです。
ホテルのベッドには眠るための枕以外にいくつかの装飾用のクッションが置かれていますよね。
これを真似するだけでベッドの見た目が格段にリッチになります。
普段使っている枕をベッドのヘッドボード側に立てかけその前に正方形のクッションを2つ3つ並べてみましょう。
クッションカバーの色や素材を変えるだけで季節感や個性を表現できます。
ベッドスローとはベッドの足元に掛けられている帯状の布のことです。
ベッドライナーとも呼ばれます。
これは元々欧米で靴を履いたままベッドに腰掛ける際にベッドが汚れないようにするためのものでしたが今では装飾的な意味合いが強いです。
ベッドスローを一枚加えるだけでベッド全体が引き締まって見えまるでプロがコーディネートしたかのような洗練された印象になります。
掛け布団カバーとは違う色や素材のスローを選ぶと良いアクセントになります。
例えば無地の寝具に光沢のあるサテンのスローを合わせたりニット素材のスローで温かみを加えたり。
これらのアイテムは比較的安価で手軽に取り入れられるのでぜひ試してみてください。

クイーンサイズの寝具をお得に賢く揃える方法

クイーンサイズの寝具はシングルやダブルに比べて少し価格が高めです。
しかし探し方や買い方のコツを知っていればお得に賢く揃えることが可能です。

セット商品を活用するメリットと注意点

「何から揃えたら良いか分からない」という方や「手軽におしゃれにまとめたい」という方には「寝具セット」がおすすめです。
これは掛け布団カバーボックスシーツ枕カバーなどが同じデザインで一式揃った商品です。
最大のメリットはコーディネートに悩む必要がないことです。
プロがデザインした組み合わせなので誰でも簡単におしゃれなベッドメイキングが完成します。
またそれぞれを単品で購入するよりも価格的にお得になっている場合が多いのも魅力です。
しかしセット商品を選ぶ際にはいくつか注意点があります。
まずセット内容をよく確認しましょう。
枕カバーが1枚しか入っていないセットもあります。
クイーンベッドなら枕を二つ並べることが多いので枕カバーが2枚必要です。
またボックスシーツのマチのサイズがご自身のマットレスに合っているかもしっかり確認してください。
セット商品はデザインが統一されている分もし一部のアイテムだけ違う素材や機能のものを使いたい場合には不向きです。
すべてを一度に揃えられる手軽さと価格のメリットを享受できるかご自身のニーズと照らし合わせて検討しましょう。

通販サイトと実店舗の使い分け方

クイーンサイズの寝具を探す際「通販サイト」と「実店舗」を上手に使い分けるのが賢い方法です。
私たちのような通販サイトの最大の強みは「品揃えの豊富さ」です。
クイーンサイズのような少し特殊なサイズでも色柄素材ともに膨大な選択肢の中から探すことができます。
実店舗ではスペースの都合上クイーンサイズは隅に少ししか置かれていないことも多いです。
また価格も店舗の運営コストがかからない分通販の方が安価な傾向にあります。
お客様のレビューを参考にできるのも大きなメリットです。
一方実店舗の良さは何と言っても「商品を直接見て触れる」ことです。
生地の質感や厚み色の微妙なニュアンスなどは画面だけでは完全に伝わりません。
肌触りにこだわりたい方は一度実店舗で素材感を確認してみるのが良いでしょう。
おすすめの使い分け方はまず通販サイトでどんな商品があるのかデザインや価格の相場を広くリサーチします。
そしてどうしても肌触りが気になる素材があれば実店舗で似たような商品を触って確認します。
最終的に気に入った商品を最もお得な価格で提供している通販サイトで購入する。
これが最も効率的で満足度の高い買い方と言えるでしょう。

セールやアウトレットを狙うタイミング

寝具をお得に購入するにはセール時期を狙うのが一番です。
寝具業界の大きなセール時期は主に2回あります。
一つは「季節の変わり目」です。
具体的には春夏物が安くなる8月下旬から9月にかけてと秋冬物が安くなる2月から3月にかけてです。
シーズン終盤の在庫処分セールを狙うことで次のシーズンに使う寝具を安く手に入れることができます。
もう一つは「決算期」です。
多くの企業の決算期である3月や9月は在庫を減らすためにセールが行われやすいです。
また通販サイトでは独自のセールイベントを頻繁に開催しています。
メルマガに登録したりお気に入りのショップをこまめにチェックしたりすると良いでしょう。
さらにお得なのが「アウトレット品」です。
これは廃盤になったデザインやわずかな染めムラや縫製のズレがある訳あり品などを格安で販売するものです。
使用上の問題はほとんどない場合が多く品質の良いものを驚くほど安く購入できることがあります。
通販サイトの中に「アウトレット」のカテゴリーがないか探してみてください。
急いで揃える必要がないのであればこうしたセールやアウトレットのタイミングをじっくり待って計画的に購入するのが最も賢い方法です。

店主の解説

クイーンサイズの「構造」を知る。連結ベッドの「すき間」をなくす、寝具の役割

クイーンサイズの寝具を選ぶ上で、お客様がまず初めに知っておくべき、最も重要な事実。それは、現在主流のクイーンサイズベッド(幅約160cm)の多くが、一枚の巨大なベッドではなく、セミシングルサイズ(幅約80cm)のベッドを2台ぴったりとくっつけて使用する「連結タイプ」である、ということです。この構造を理解することが、寝具選び、特にシーツや敷きパッドの選び方において、決定的に重要になります。

■なぜ「連結タイプ」が主流なのか?
それは、幅160cmの一枚もののマットレスが、日本の多くの住宅では廊下や階段を通れず、搬入が極めて困難であるためです。2台に分割されていることで、通常のベッドと同じように、スムーズにお部屋まで運び込むことが可能になります。

■「連結タイプ」の、寝具選びにおける課題
この合理的な構造が生み出す、唯一の課題。それが、2枚並べたマットレスの間にできてしまう「すき間(谷間)」です。このすき間問題を解決し、まるで一枚の大きなマットレスのような快適な寝心地を手に入れる鍵こそが、実は「寝具の正しい選び方」なのです。

■すき間をなくす、寝具の3ステップ
ご安心ください。以下の3つのアイテムを正しく使うことで、すき間の問題はほぼ完璧に解決できます。

  1. すき間パッドを「埋める」:まず、2枚のマットレスの間にできる「谷間」に、T字型をしたウレタン製の「すき間パッド」をぴったりと埋め込みます。これだけで、体の落ち込みはかなり軽減されます。
  2. 大きなベッドパッドで「覆う」:次に、その上からクイーンサイズの大きな「ベッドパッド」を1枚、2台のマットレスをまとめて覆うように敷きます。これにより、表面がフラットに近くなり、一体感が生まれます。
  3. 大きなボックスシーツで「固定する」:最後に、クイーンサイズの「ボックスシーツ」を1枚で全体に被せます。大きな布の力で2枚のマットレスが物理的にしっかりと固定され、ズレを防ぎ、段差を全く感じさせない、一枚の広大なベッドが完成します。

クイーンサイズの寝具選びとは、単に色や柄を選ぶだけでなく、ベッドの構造を理解し、その上で最適なアイテムを組み合わせる、という視点を持つことが、何よりも大切なのです。

ボックスシーツ選びの罠。「マットレスの厚み(マチ)」という、最重要チェックポイント

「クイーンサイズのボックスシーツを買ったのに、マットレスにうまくはまらない!」。実はこれ、寝具選びで最も多く発生する、悲しい失敗例なのです。お客様は、マットレスの「幅」と「長さ」が合っているかしっかり確認されます。しかし、プロの私たちがそれと同じくらい、いえ、それ以上に重要視するのが、三つ目の寸法、マットレスの「厚み」、そして、それに合うシーツの「マチ」です。この「マチ」を制する者こそ、寝具選びを制すると言っても過言ではありません。

■「マチ」とは何か?
マチとは、ボックスシーツの側面の部分、つまりマットレスの厚みを覆う部分の高さを指します。最近のマットレスは、寝心地を追求して厚さ20cmを超えるようなボリュームのあるモデルも増えています。シーツのマチ幅が、このマットレスの厚みより短いと、当然ながらシーツはマットレスを完全に覆うことができず、角がすぐに外れてめくれ上がってきてしまいます。これでは、見た目が悪いだけでなく、非常に不快で安眠を妨げる原因にもなります。

■失敗しないための、店主が教える「黄金の方程式」
では、どれくらいの「マチ」があれば安心なのでしょうか。ぜひ、この方程式を覚えてください。

ボックスシーツの理想のマチ幅 ≧ マットレスの厚み + 5cm〜10cm

例えば、お使いのクイーンマットレスの厚みが25cmだったとします。その場合、最低でもマチ幅が30cmから35cm以上あるボックスシーツを選ぶ必要があります。このプラス5cm〜10cmの余裕が、マットレスの裏側に生地をしっかりと折り込み、シーツがずれ動くのを防いでくれる、非常に重要な「しろ(余白)」となるのです。

■もし迷ったら、「大は小を兼ねる」
「自分のマットレスの厚みが、22cmなのか23cmなのか、よく分からない…」。そんな時は、迷わずマチ幅が大きめのものを選んでください。マチ幅が少し余る分には、余った生地をマットレスの下に多めに折り込めば良いだけなので、何の問題もありません。しかし、マチ幅が1cmでも足りなければ、そのシーツは使うことができないのです。

クイーンサイズの寝具を選ぶ際は、商品ページのサイズ表記で「幅160cm」という平面の数字を確認した後、必ずこの「マチ」の数値と、ご自身のマットレスの「厚み」を比較検討する。このひと手間が、あなたの寝具選びを、失敗のない完璧なものにしてくれることをお約束します。

掛け布団は「一枚」?「二枚」?二人で快適に眠るための、究極の選択

お二人で眠る、広々としたクイーンサイズのベッド。その上で使う「掛け布団」を、大きな一枚にするか、それとも、一人一枚ずつ、合計二枚にするか。これは、お客様の眠りのスタイルや、お互いの関係性までを映し出す、非常に奥深い選択です。それぞれに素晴らしいメリットがあり、どちらが正解というものではありません。ここでは、お二人が最高の選択をするための、それぞれのスタイルの特徴をご紹介します。

スタイル1:【一体感重視なら】大きな掛け布団を1枚
クイーンサイズ(幅160cm)のベッドに、クイーンサイズ(幅210cm程度)か、あるいは、さらにゆとりのあるキングサイズ(幅230cm程度)の、大きな掛け布団を一枚掛けて眠るスタイルです。

  • メリット:家族の温もりを常に感じられる、強い「一体感」が最大の魅力です。見た目もすっきりと美しくまとまり、日中のベッドメイキングも一度で済みます。
  • デメリット:夜中に、無意識の「布団の取り合い」が発生する可能性があります。また、「パパは暑がり、ママは寒がり」といった、家族それぞれの体感温度の違いに対応することが難しいという、大きな課題があります。誰かが暑くて布団をはだけば、隣の人は寒くなってしまいます。
  • こんなお二人におすすめ:寝相が良い。眠っている時も、常にパートナーとの一体感を感じていたい。お互いの体感温度が似ている。

スタイル2:【それぞれの快適さ重視なら】シングルサイズの掛け布団を2枚
私の見解では、多くの場合、こちらのスタイルの方が、お二人それぞれの睡眠の質は高まります。クイーンサイズのベッドの上に、シングルサイズ(幅150cm程度)の掛け布団を、一人一枚ずつ、合計2枚使って眠ります。
  • メリット:「布団の取り合い」が、物理的に絶対に起こりえません。それぞれが、幅150cmという広々とした自分専用の布団を、相手に気兼ねすることなく自由に使うことができます。さらに、それぞれが好きな厚みや素材(羽毛、綿など)の布団を自由に選べるため、お互いの体感温度の違いも、完全に解決できます。お互いの眠りを最大限に尊重するための、最高のスタイルと言えるでしょう。
  • デメリット:ベッドメイキングの手間が少し増えます。日中の見た目を美しく保つためには、複数枚の掛け布団の上から、一枚の大きなベッドスプレッド(ベッドカバー)を掛ける、といった工夫が必要になります。
  • こんなお二人におすすめ:お互いの眠りを妨げられたくない。寝相が大きい。暑がりと寒がりなど、体感温度が大きく違う。

「みんなで一つの布団」という温かさをとるか、「それぞれの快適な眠り」という実用性をとるか。ぜひ、お二人で話し合って、最高の寝具の組み合わせを見つけてください。

クイーンサイズの寝具選び方ガイド シーツや布団も解説   

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