こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
「キングサイズ」と「すのこ」という人気の組み合わせ、できれば価格を抑えて手に入れたいですよね。
ネット上には驚くほど安い「激安」のベッドが溢れていますが、その安さに飛びついて「すぐに壊れた」「きしみ音がひどくて眠れない」と後悔されるお客様も少なくありません。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、激安すのこベッドの安さの理由と隠れたデメリットから、価格を抑えつつも品質を妥協しないためのプロの見極め方まで、徹底的に解説します。
なぜ安い?激安すのこベッドの注意点とデメリット
魅力的な価格の裏には、必ず理由があります。
激安すのこベッドがなぜ安いのか、その理由と、価格と引き換えに何を妥協している可能性があるのかを正しく理解することが、後悔しないための第一歩です。
安さの理由1 材質と加工コストの削減
激安すのこベッドの安さの最も大きな理由は、原材料である「木材」と、その「加工コスト」を徹底的に削減している点にあります。
高品質なベッドが、強度や耐久性に優れたオーク材や、調湿効果の高い桐、香りも良い檜といった高級木材を使用するのに対し、激安ベッドの多くは、安価で手に入りやすい「パイン材(松)」や「杉材」、あるいは、木のチップを固めて作った「パーティクルボード」や「MDF」といった木質ボードに、木目調のシートを貼ったものが主流です。
これらの材料は、決して悪いものではありませんが、高級木材に比べると、どうしても強度が劣り、湿気による反りや歪みが生じやすいという弱点があります。
加工コストを抑えるため、部材の厚みをギリギリまで薄くしたり、すのこ板の角を丸く削る「面取り」といった、手間のかかる丁寧な仕上げが省略されたりする傾向があります。
こうした一つひとつのコストカットの積み重ねが、驚くような低価格を実現しているのです。
安さの理由2 海外での大量生産と人件費
現在、市場に出回っている激安ベッドのほとんどは、中国や東南アジアといった、人件費の安い海外の工場で、大規模な「大量生産」によって作られています。
一度に何千、何万という単位で同じ製品を生産することで、一台あたりの製造コストを劇的に下げることができるのです。
設計や品質管理も、日本の厳しい基準とは異なる、現地の基準で行われている場合が少なくありません。
もちろん、海外製でも品質の高いベッドはたくさんありますが、激安価格帯の製品に関しては、どうしても品質のばらつきや、細部の仕上げの甘さが見られる可能性が高くなります。
日本のメーカーが企画し、海外の提携工場で製造するOEM製品も多くありますが、価格を抑えるために、検品基準などを緩やかに設定しているケースも考えられます。
安さの裏には、こうしたグローバルな生産体制が背景にある、ということを理解しておく必要があります。
デメリット1 耐久性とキシミ音の問題
価格を抑えるためのコストカットが、最も顕著に表れるのが「耐久性」の問題です。
華奢な部材や、強度の低い木材で作られたベッドは、長年の使用、特にキングサイズで大人二人の体重を支え続けるうちに、フレームに歪みやたわみが生じやすくなります。
寝返りを打つたびに「ギシギシ」と鳴る「きしみ音」が発生しやすくなるのです。
このきしみ音は、安眠を妨げる大きなストレスとなり「安物買いの銭失い」の典型的なパターンです。
すのこ板が薄い場合、マットレスの重みで割れてしまったり、湿気で反ってしまったりするトラブルも少なくありません。
体重の重い方が使う場合や、お子様がベッドの上で遊ぶようなご家庭では、この耐久性の問題は、より深刻になります。
激安ベッドを選ぶ際には、ある程度の期間で、こうした問題が発生する可能性がある、ということを、あらかじめ覚悟しておく必要があるかもしれません。
デメリット2 ホルムアルデヒドなど安全性の懸念
もう一つ、見過ごすことのできない、激安ベッドの潜在的なデメリットが「安全性」の問題です。
シックハウス症候群の原因となる化学物質「ホルムアルデヒド」には、注意が必要です。
ホルムアルデヒドは、安価な木質ボード(パーティクルボードやMDF)を製造する際に使われる、接着剤に多く含まれています。
日本の国産ベッドの多くが、ホルムアルデヒドの放散量が極めて少ない、最高安全ランクの「F☆☆☆☆(フォースター)」認定の部材を使用しているのに対し、海外製の激安ベッドの中には、こうした安全基準が曖昧なものも紛れています。
商品ページにホルムアルデヒドに関する表記が一切ない製品は、注意が必要です。
購入してすぐ、接着剤のツンとした刺激臭が気になる、というケースは、このホルムアルデヒドが放散されている可能性があります。
体の小さな子供や、アレルギー体質の方にとっては、健康に直接影響を及ぼす可能性も否定できません。
価格の安さの裏で、目に見えない「安全性」が、犠牲になっているかもしれない。
このリスクも、激安ベッドを選ぶ際には、必ず頭に入れておくべき重要なポイントです。
価格を抑えつつ品質を妥協しないためのポイント
激安ベッドにはリスクもある。
全ての安いベッドが悪いわけではありません。
価格が安くても、最低限の品質をクリアした「当たり」のベッドを見極めるための、プロのチェックポイントをお教えします。
ポイント1 耐荷重の数値を必ず確認する
ベッドの頑丈さを、客観的な数値で判断するための、最も分かりやすく、そして重要な指標が「耐荷重」です。
そのベッドがどのくらいの重さまで耐えられるかを示す数値で、信頼できる販売店の商品ページには、必ず記載されています。
この数値が大きいほど、それだけ頑丈な設計がされている、という証拠になります。
キングサイズベッドをご夫婦二人で使う場合、最低でも「300kg以上」の耐荷重があるものを選びたいところです。
もし、お子様も一緒に寝る可能性があるなら「500kg以上」あると、より安心です。
逆に、耐荷重が200kg未満のものは、キングサイズで大人二人が使うには、少し心許ないと言わざるを得ません。
そして、最も重要なのは、この「耐荷重」が、そもそも商品ページに明記されていない製品です。
メーカーが、自社製品の強度に自信がない、あるいは、そもそも強度試験を行っていない可能性を示唆しています。
どんなに安くても、耐荷重の記載がないベッドは、避けるのが賢明です。
ポイント2 すのこ板の厚みと本数を見る
すのこベッドの心臓部である「すのこ板」の品質も、価格を抑えつつ妥協してはいけないポイントです。
すのこ板の「厚み」を確認しましょう。
激安ベッドの中には、厚みが1cmにも満たない、ベニヤ板のように薄いすのこが使われているものもあります。
これでは、湿気で反ったり、少しの衝撃で割れてしまったりするリスクが高まります。
最低でも「15mm程度」の厚みがあるかどうかを、一つの目安にしてください。
すのこ板の「本数(=隙間の狭さ)」も重要です。
本数が少なく、隙間が広いすのこは、マットレスをしっかりと支えることができず、寝心地を損なう原因になります。
マットレスが隙間に落ち込み、劣化を早めてしまう可能性もあります。
画像や説明文で、すのこが、比較的密に敷き詰められているかを確認しましょう。
材質は、価格を考えればパイン材などが主流ですが、中には、反りや歪みに強い「LVL(単板積層材)」を使用した、コストパフォーマンスの高いすのこもあります。
ポイント3 中央脚の有無で安定性を見極める
幅が180cmもあるキングサイズベッドにおいて、フレーム中央部の「たわみ」を防ぎ、きしみ音を抑制するために、絶対に欠かせないパーツ。
それが「中央脚(サポートレッグ)」です。
この中央脚が、ベッドの中央部分を、床から直接支えることで、フレーム全体の安定性を、劇的に向上させます。
激安ベッドの中には、コストカットのために、この非常に重要な中央脚を省略しているモデルも、残念ながら存在します。
中央脚のないキングサイズベッドは、早晩、中央部分がたわみ始め、きしみ音の原因となる可能性が、極めて高いと言えます。
商品画像で、ベッドを裏側から見た写真や、構造図などを確認し、この中央脚が、きちんと付いているかどうかを、必ずチェックしてください。
この一手間が、数年後の快適さを大きく左右します。
中央脚の有無は、メーカーの「頑丈さ」に対する、最低限の誠意の表れでもあるのです。
コストパフォーマンス抜群のおすすめ激安すのこベッド
では、具体的にどのようなタイプのベッドが、価格を抑えつつも、比較的、失敗のリスクが少ないのでしょうか。
コストパフォーマンス(コスパ)という観点から、おすすめのタイプをご紹介します。
おすすめ1 ベーシックな脚付きパイン材すのこベッド
激安価格帯で、最もベーシックで、かつ、失敗の少ない選択肢が、シンプルな「脚付き」の「パイン材すのこベッド」です。
パイン材は、安価な木材ですが、加工がしやすく、木の温もりも感じられる、ベッドフレームとして、非常にポピュラーな素材です。
構造が、ヘッドボードとフットボード、サイドフレーム、そして脚とすのこ、というように、非常にシンプルであるため、複雑な機能を持つベッドに比べて、壊れやすい箇所が少ない、というメリットがあります。
脚付きで、ベッド下に空間があるため、すのこベッド本来の「通気性」を、最大限に発揮できるのも、大きな利点です。
価格を抑えながらも、湿気対策という、すのこベッドの最も重要な機能を、しっかりと確保できます。
選ぶ際には、前述の「耐荷重」「すのこの厚み」「中央脚の有無」といった、基本のチェックポイントを、しっかりと確認することが大切です。
これらの基準をクリアした、シンプルなパイン材の脚付きベッドは、激安価格帯の中では、最も堅実で、コストパフォーマンスの高い選択と言えるでしょう。
おすすめ2 省スペースなヘッドレスフロアベッド
「部屋が狭いから、キングサイズを置くと圧迫感が心配」。
そんな方におすすめなのが「ヘッドレス」の「フロアベッド」です。
ヘッドボードがないことで、ベッドの全長が短くなり、省スペースに貢献します。
ベッド全体の高さを低く抑えたフロアタイプは、部屋に圧迫感を与えず、空間を広く見せる効果があります。
このタイプは、構造的に、ヘッドボードや高い脚といった、コストのかかる部材が少ないため、比較的、安価に製造することが可能です。
つまり、価格を抑えながら「部屋を広く見せる」という、大きな価値を手に入れることができるのです。
ただし、フロアベッドは、床との間に空間がないため、脚付きタイプに比べると、通気性は劣ります。
床板が、必ず「すのこ仕様」になっていることを確認し、除湿シートを併用するなど、湿気対策を、より意識して行う必要があります。
価格の安さと、省スペース効果を最優先したい、という方には、非常に魅力的な選択肢です。
セールやアウトレット品を狙うという選択肢
激安ベッドを探す、もう一つの賢い方法が、定価では手が届かないような、品質の良いベッドを「セール」や「アウトレット」で狙う、というものです。
多くのベッド通販サイトでは、季節の変わり目や、決算期などに、在庫処分や、旧モデルの入れ替えのための、大規模なセールを実施します。
輸送中に、僅かな傷がついてしまった「訳あり品」や、一度開梱されただけの「新古品」などが、アウトレット品として、通常よりも、はるかに安い価格で販売されることもあります。
これらの商品は、元々は、高品質な素材を使い、頑丈な作りで作られたものです。
最初から激安で販売されているベッドとは、品質のレベルが、根本的に異なります。
傷などが、気にならない場所であれば、まさに「お宝」を見つけるチャンスです。
お目当てのブランドや、メーカーがある場合は、その公式サイトや、メールマガジンなどを、こまめにチェックし、セールの情報を見逃さないようにしましょう。
少しの根気とタイミングが必要ですが、予算内で、ワンランク、ツーランク上の品質を手に入れることができる、最も満足度の高い、激安ベッドの探し方かもしれません。
購入者のリアルな口コミと評判をチェック
オンラインで激安ベッドを購入する際に、スペック表の数字と同じくらい、いや、それ以上に重要な情報源となるのが、実際にその商品を購入し、使っている人たちの、正直な「口コミ(レビュー)」です。
その賢い読み解き方を、伝授します。
良いレビューだけでなく悪いレビューも熟読する
商品レビューを見る際、多くの人は、星の数が多い「良いレビュー」ばかりに目が行きがちです。
本当に重要な情報が隠されているのは、星の数が少ない「悪いレビュー」の中です。
良いレビューは「安くて満足です」といった、漠然とした感想が多いのに対し、悪いレビューには「どこが、どのようにダメだったのか」という、具体的な問題点が、詳しく書かれていることが多いからです。
例えば「すのこが薄くて、すぐに割れた」「ネジ穴がずれていて、組み立てられなかった」「使い始めて一ヶ月で、きしみ音がひどい」といった、具体的な記述は、その製品が抱える、潜在的な欠陥を知る上で、非常に貴重な情報です。
もちろん、中には、個人の組み立てミスや、過度な期待による、一方的な評価もあるかもしれません。
同様の悪いレビューが、複数件、投稿されている場合は、その製品には、構造的な問題がある可能性が高い、と判断できます。
良いレビューで期待値を上げつつ、悪いレビューで、許容できないリスクがないかを、冷静に確認する。
この両面からのチェックが、不可欠です。
キシミ音や組み立てに関する記述を探す
激安ベッドの二大トラブルは「きしみ音」と「組み立て」です。
レビューを読む際には、この二つのキーワードに関する記述がないか、意識して探してみましょう。
「きしみ」という言葉で、レビュー内を検索してみるのも、有効な方法です。
多くの人が「きしまない」「静かです」と書いていれば、その点は安心できる可能性が高いです。
逆に、きしみ音に関する不満が多ければ、それは、フレームの剛性が低い、という証拠です。
「組み立て」に関しても同様です。
「女性一人でも、簡単に組み立てられました」というレビューが多ければ、安心です。
しかし「説明書が分かりにくい」「ネジ穴が合わない」「パーツが足りなかった」といった、組み立てに関するトラブル報告が多い製品は、品質管理が、ずさんである可能性を疑うべきです。
海外製の激安ベッドは、説明書が、不親切な図だけであったり、日本語がおかしかったり、ということも少なくありません。
組み立てに自信がない方は、こうしたレビューを、特に注意深くチェックする必要があります。
写真付きレビューで実際の質感を確認する
商品ページに掲載されている、プロが撮影した、美しい写真だけでは、製品の「リアルな質感」は、なかなか分かりません。
照明や画像加工によって、実際よりも、良く見えていることがほとんどです。
非常に参考になるのが、購入者が投稿した「写真付きのレビュー」です。
一般の家庭の、普通の照明の下で撮影された写真は、製品の、ありのままの姿を、私たちに伝えてくれます。
木目のシートが、安っぽくテカテカしていないか。
塗装にムラはないか。
部材の角の処理は、丁寧に行われているか。
といった、細部の質感を、確認することができます。
実際に部屋に置いた時の「サイズ感」を掴む上でも、非常に役立ちます。
投稿者の部屋の広さなどが分かれば、自分の寝室に置いた時のイメージを、より具体的に、シミュレーションすることができるでしょう。
文章だけのレビューよりも、写真一枚の方が、多くの情報を伝えてくれることがあります。
ぜひ、写真付きのレビューを、積極的に探してみてください。
店主のつぶやき 激安キングサイズすのこベッドの選び方 安くても後悔しないコツ
・キングサイズベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
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