こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
旅先の高級ホテルで過ごす、あの静かで満ち足りた時間を、もしご自宅で毎日味わえたなら。
そんな夢のような空間を叶える鍵こそが「キングサイズベッド」です。
ベッドは寝室の主役。
その中心となるベッドをキングサイズにするだけで、空間のゆとりと心の贅沢感が生まれ、一気に非日常的な雰囲気が漂い始めます。
この記事では、ベッド販売歴17年以上の私が、単なる模倣ではない、本質的なホテルライクな寝室作りのコツから、空間を格上げするアイテム選びまで、プロの視点で徹底的に解説いたします。
ホテルライクな寝室作り3つのコツ
高級ホテルの寝室がなぜあれほどまでに心地よく、洗練されて見えるのでしょうか。
それは、空間全体に統一された美学、つまり明確な「ルール」に基づいて作られているからです。
まずはその基本的な3つのコツをマスターすることから始めましょう。
生活感を徹底的に排除する収納術
ホテルライクな寝室を実現するための最初のステップ、それは「生活感を徹底的に排除する」ことです。
ホテルの部屋に、脱ぎっぱなしの服や読みかけの雑誌、雑多な小物類が散らかっている光景は想像できませんよね。
洗練された空間とは、不要なモノが見えない、整理整頓された空間のことです。
これを実現するためには、まず寝室にあるモノを厳選し、本当に必要なもの以外は置かないという覚悟が必要です。
そして、どうしても必要なモノは、すべて見えない場所に収納することを徹底します。
ここでおすすめしたいのが、キングサイズベッドの持つ大きな床面積を活かした「収納付きベッドフレーム」の活用です。
ベッド下がまるごと大容量の引き出しになっているチェストベッドや、床板をガス圧で楽に持ち上げられる跳ね上げ式収納ベッドを選べば、寝室に余計な収納家具を置く必要がなくなります。
オフシーズンの衣類や寝具、スーツケースといった大きくて生活感の出やすいアイテムを、すべてベッド下に隠すことができるのです。
寝室のスペースを広く使えるだけでなく、視界に入る情報量が減り、すっきりと整然としたホテルのような空間が生まれます。
もし、すでにベッドをお持ちで収納機能がない場合は、ベッドサイドに置くナイトテーブルを、引き出し付きのデザインのものにしましょう。
スマートフォンや充電器、ハンドクリーム、本など、枕元に散らかりがちな小物をすべて引き出しの中に収めるだけで、ベッド周りの印象は劇的に変わります。
テレビやオーディオ機器なども、可能な限り扉付きのキャビネットに収めるのが理想です。
常に「何も置かれていない美しい平面」を意識することが、生活感を消し去るための鍵となります。
色数を絞る カラーコーディネートの基本
ホテルライクな空間が落ち着いて見える第二の理由は、使われている「色数」が巧みにコントロールされているからです。
多くの色を使いすぎると、空間全体が雑然としてしまい、落ち着きのない印象を与えてしまいます。
洗練された寝室を作るためのカラーコーディネートの基本は、空間全体で使う色を「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」の3色程度に絞り込むことです。
部屋の最も広い面積を占める「ベースカラー」(壁、天井、床)は、ホワイト、アイボリー、ライトグレー、ベージュといった、主張の少ないニュートラルな色を選びます。
空間に広がりと清潔感が生まれます。
部屋の主役となるキングサイズベッドのフレームや、カーテン、ラグといった比較的大きな面積を占める「アソートカラー」を決めます。
ホテルライクな雰囲気を目指すなら、ここはダークブラウンやチャコールグレー、グレージュといった、落ち着きと高級感のある色を選ぶのが王道です。
このアソートカラーが、空間全体を引き締める役割を果たします。
そしてクッションやベッドスロー、アートといった小さな面積で使う「アクセントカラー」で、空間に彩りと個性を加えます。
ゴールドやシルバーといったメタリックカラーを加えればラグジュアリーな雰囲気に、深みのあるブルーやグリーンを加えればシックで落ち着いた印象になります。
このアクセントカラーは、全体の5%程度に留めるのが、上品に見せるコツです。
ベースで空間を整え、アソートで格調を与え、アクセントで遊び心を加える。
この色の配分を意識するだけで、ごちゃごちゃとした印象がなくなり、統一感のある、まるでプロのインテリアデザイナーが手掛けたかのような、静かで美しい寝室が完成します。
左右対称を意識したシンメトリーな配置
ホテルライクな寝室作りにおける、最後の、そして最も効果的なコツが「シンメトリー(左右対称)」を意識した家具の配置です。
人間の脳は、シンメトリーな構図に対して、無意識に安定感や安心感、そして様式的な美しさを感じ取る性質があります。
高級ホテルの寝室は、この心理的効果を巧みに利用して設計されています。
その中心となるのが、もちろんキングサイズベッドです。
寝室の主役であるキングサイズベッドを、部屋の壁面の中央に堂々と配置します。
そして、そのベッドを軸として、両サイドに同じデザイン、同じ高さのナイトテーブルを一つずつ置きます。
そのナイトテーブルの上には、同じデザインのテーブルランプをそれぞれ配置します。
たったこれだけのことで、空間に一気に整然としたリズムと、格調高い安定感が生まれるのです。
このシンメトリーの魔法は、ベッド周り以外にも応用できます。
ヘッドボードの上の壁面に、アートフレームを飾る場合も、大きなものを一枚中央に飾るか、同じサイズのものを二枚、ベッドの中心から等間隔に飾ると、美しいバランスが生まれます。
枕やクッションの配置も同様です。
奥に大きな枕を二つ並べ、その手前に少し小さなクッションを二つ、さらにその手前にアクセントとなるクッションを一つ中央に置く、といったように、シンメトリーを意識して配置すると、ベッドメイキングがプロのように美しく決まります。
もちろん、部屋の形やドアの位置によっては、完全なシンメトリーを実現するのが難しい場合もあるでしょう。
その場合でも、ベッドの両サイドの「見た目の重さ」を揃えることを意識するだけでも効果があります。
片方にナイトテーブルを置いたら、もう片方には同じくらいの高さの観葉植物を置く、といった工夫です。
この「シンメトリーの法則」を意識するだけで、あなたの寝室は、ただの部屋から、計算され尽くした美しい空間へと変貌を遂げるはずです。
高級感を演出するヘッドボードのデザイン
キングサイズベッドは、その大きさゆえにヘッドボードのデザインが寝室全体の印象を決定づけます。
ホテルのような非日常感と高級感を演出するためには、このヘッドボード選びが極めて重要になります。
素材やデザインが持つ特性を理解し、理想の空間にふさわしいものを選びましょう。
重厚感と気品漂う レザー調ヘッドボード
ホテルのような重厚感とクラシックな気品を求めるなら、レザー調のヘッドボードは最も有力な選択肢となるでしょう。
レザーが持つ独特の光沢と滑らかな質感は、空間に深みと落ち着きを与え、一気にラグジュアリーな雰囲気を高めてくれます。
ボタン留めが施された「キルティングデザイン」のヘッドボードは、クラシックホテルのスイートルームを彷彿とさせる、エレガントで華やかな印象を与えます。
光の当たり方によって生まれる陰影が、ヘッドボードに立体感と豊かな表情を生み出し、寝室の格を一段と引き上げてくれるでしょう。
色は、深みのあるブラックやダークブラウン、あるいは上品なアイボリーなどが定番です。
ブラックを選べば、シャープでモダンな高級感を、ダークブラウンなら温かみと重厚感を、アイボリーなら明るく優雅な雰囲気を演出できます。
レザー調ヘッドボードの魅力は、見た目の美しさだけではありません。
クッション性が高いため、就寝前にベッドの上で読書をしたり、映画を観たりする際に、ソファの背もたれのように快適にもたれかかることができます。
この機能性が、ベッドでのリラックスタイムをより豊かなものにしてくれるのです。
近年では、本革に近いリアルな質感を持ちながら、お手入れが簡単なPUレザー(合成皮革)を使用した製品が主流です。
水や汚れに強く、日常的なメンテナンスが楽なため、気兼ねなくその高級感を楽しむことができます。
キングサイズという大きな面積でレザーの質感を取り入れることで、寝室は単なる眠るための場所から、大人のための上質な寛ぎの空間へと昇華するでしょう。
優しい肌触りとデザイン性 ファブリック製ボード
モダンで洗練されたブティックホテルのような、温かみと柔らかさを兼ね備えた空間を目指すなら、ファブリック(布)製のヘッドボードが最適です。
ファブリックならではの優しい肌触りと、豊かな色彩や質感が、寝室に落ち着きと居心地の良さをもたらしてくれます。
レザーが持つ硬質な高級感とは対照的に、ファブリックは視覚的にも触覚的にも「癒し」や「安らぎ」を感じさせてくれる素材です。
ヘッドボードにもたれかかった時の、ふんわりとした感触は、心身の緊張を解きほぐし、リラックスした状態へと導いてくれるでしょう。
デザインのバリエーションが非常に豊富なのも、ファブリック製ヘッドボードの大きな魅力です。
シンプルな平織りの生地から、ベルベットのような光沢のある生地、あるいはツイードのような立体感のある生地まで、選ぶテクスチャーによって空間の印象を大きく変えることができます。
色は、ホテルライクな空間に合わせやすいグレーやベージュ、グレージュといったニュートラルカラーが人気です。
これらの色は、どんなリネンやインテリアとも調和しやすく、上品で飽きのこない空間を作り出します。
フレーム部分が見えない「フルカバーリングタイプ」のヘッドボードは、より一層モダンでミニマルな印象を与えます。
近年では、防汚加工や撥水加工が施された高機能なファブリックも増えており、お手入れのしやすさも向上しています。
カバーを取り外してクリーニングできる「カバーリング仕様」のものを選べば、常に清潔な状態を保つことができ、衛生的にも安心です。
冷たさを感じさせない温もりと、洗練されたデザイン性を両立させたいなら、ファブリック製ヘッドボードは、あなたの寝室を理想の空間へと導いてくれるはずです。
壁面と一体化する ウォールパネルという選択肢
より個性的で、デザイン性の高い究極のホテルライク空間を目指すなら、「ウォールパネル」あるいは「パネルベッド」という選択肢も視野に入れてみてください。
ベッドのヘッドボードが単体で存在するのではなく、壁面の一部に装飾的なパネルを施工し、そこにベッドフレームを組み合わせるスタイルのことです。
ヘッドボードが壁と一体化することで、空間に圧倒的な統一感と広がりが生まれ、まるで造作家具のように洗練された、ミニマルでモダンな空間を創り出すことができます。
海外の高級ホテルやデザイナーズホテルでよく見られる手法で、寝室を一つの完成されたアート作品のように演出することが可能です。
パネルの素材は様々で、ベッドフレームと同じ木目調のパネルで統一すれば、ナチュラルで落ち着いた雰囲気に。
レザー調やファブリックのクッションパネルを壁一面に張れば、ラグジュアリーで重厚な空間になります。
パネルの間に間接照明を仕込むことで、光が壁面に美しい陰影を作り出し、幻想的でムーディーな雰囲気を演出することもできます。
ウォールパネルは、一般的なベッドフレームと比べて施工の手間や費用がかかるため、導入のハードルは少し高くなります。
それだけの価値がある、唯一無二の特別な寝室を手に入れることができます。
壁面に凹凸が少なく、広い壁が確保できる寝室には最適な方法です。
ベッドを単なる家具として捉えるのではなく、寝室全体の空間デザインの中核として考えたい、そんなインテリア上級者の方にこそ、ぜひ挑戦していただきたい究極のスタイルです。
リネンや寝具で雰囲気を変えるテクニック
ホテルのベッドがなぜあんなにも美しく、心地よさそうに見えるのか。
その秘密は、リネンや寝具の選び方と、それらを重ね合わせる「レイヤリング」の技術にあります。
ベッドリネンは、寝室の印象を大きく左右する重要なファッションアイテムなのです。
基本は清潔感のあるホワイトリネン
ホテルライクなベッドメイキングの全ての基本となるのが「ホワイトリネン」です。
高級ホテルのベッドが、例外なく真っ白なシーツやデュベカバー(掛け布団カバー)で統一されているのには、明確な理由があります。
まず第一に、白は「清潔感」の象徴です。
汚れが一切許されない純白のリネンは、きちんと洗濯され、衛生的に管理されていることの証であり、ゲストに絶対的な安心感を与えます。
この清潔感が、心からリラックスして眠りにつくための土台となるのです。
ご自宅でも、シーツやデュベカバー、枕カバーといった肌に直接触れるアイテムをすべて白で統一することで、このホテルならではの清潔感を再現することができます。
第二に、白は光を最も反射する色であるため、寝室全体を明るく、広く見せる効果があります。
キングサイズベッドの大きな面積が白で覆われることで、部屋全体のトーンが上がり、開放的な印象になります。
第三に、白はどんな色とも調和する万能色であるということです。
この後ご紹介する、アクセントカラーとなるクッションやベッドスローのデザインを、白がキャンバスのように美しく引き立ててくれます。
季節や気分に合わせて小物で色を加えたい時も、ベースが白であればコーディネートが非常に簡単です。
そしてパリッと糊の効いた白いシーツの肌触りは、それ自体が非日常的な贅沢さを感じさせてくれます。
自宅のベッドリネンを白で統一する。
たったそれだけのことで、いつもの寝室が、まるで高級ホテルのように清らかで、洗練された空間へと生まれ変わることを、ぜひ体感してみてください。
スローやクッションでアクセントを加える ホテルスローの役割
真っ白なリネンで整えられたベッドを、さらにホテルらしく、そしておしゃれに仕上げるための最後の仕上げが、アクセントとなる小物、「ベッドスロー」と「クッション」の配置です。
これらを効果的に使うことで、ベッドメイキングに立体感とリズムが生まれ、プロのような洗練された見た目が完成します。
まず「ベッドスロー(ベッドライナーやフットスローとも呼ばれます)」は、ベッドの足元部分にかけられた帯状の布のことです。
これにはいくつかの役割があります。
一つは、装飾的な役割です。
真っ白なベッドの上に、異なる色や素材のスローが一枚あるだけで、全体の印象がぐっと引き締まり、デザインのアクセントになります。
寝室のテーマカラーや、カーテンの色と合わせると、空間に統一感が生まれます。
もう一つの役割は、実用的なものです。
欧米では靴を履いたままベッドに腰掛ける習慣があるため、その際にデュベカバーが汚れるのを防ぐ目的があります。
ご自宅では、就寝前に少し腰掛けたい時や、ルームウェアのままベッドの上で寛ぎたい時に、このスローが活躍します。
次に「クッション」です。
ホテルでは、眠るための枕とは別に、装飾用のクッション(デコラティブピロー)をいくつか配置するのが一般的です。
大きさや形、素材の異なるクッションを、シンメトリーを意識しながらリズミカルに配置することで、ベッドに奥行きと華やかさが生まれます。
大きな四角いクッションを枕の前に二つ、その前に少し小さなクッションを二つ、そして最後に中央に長方形や円形の個性的なクッションを一つ置く、といった具合です。
このクッションやスローの色で、先に述べた「アクセントカラー」を取り入れるのが、おしゃれに見せる秘訣です。
この一手間が、シンプルなベッドを、思わずダイブしたくなるような、豊かで魅力的なベッドへと変身させてくれます。
質感で差をつける 上質な素材選びのポイント
ホテルライクな寝心地を追求する上で、見た目の美しさと同じくらい重要なのが、肌に触れた時の「質感」です。
上質な素材のリネンを選ぶことは、睡眠の質を向上させ、日々の満足度を大きく左右します。
シーツやデュベカバーの素材として最もおすすめしたいのが、上質な「コットン(綿)」です。
中でも、繊維が長くしなやかな「超長綿」を使用したものは、シルクのような滑らかな肌触りと、美しい光沢が特徴です。
ホテルのリネンでよく使われる「サテン織り」の生地は、この超長綿を高密度に織り上げたもので、その滑らかな感触は格別です。
糸の細さを示す「番手」という数字が大きくなるほど、糸が細く、生地はより滑らかで上質になります。
80番手以上のものを選ぶと、ご家庭でも高級ホテルに近い質感を味わうことができるでしょう。
夏場には、通気性と吸湿性に優れた「リネン(麻)」もおすすめです。
シャリ感のある独特の肌触りが、汗ばむ季節も快適な眠りへと誘います。
冬場には、保温性が高く、柔らかい「フランネル」や、高密度に織られた「コットンパーケール」も心地よいでしょう。
そして、忘れてはならないのが、掛け布団や枕の中材です。
ホテルのようなふかふかの寝心地を再現するなら、やはり「羽毛(ダウン)」が最適です。
空気を含んで軽くて温かいダウンは、体に優しくフィットし、リラックス効果を高めます。
近年では、アレルギーの方向けに、羽毛の感触を再現した高機能な化学繊維も開発されています。
ベッドスローやクッションは、見た目のアクセントだけでなく、質感のコントラストを生むためにも重要です。
滑らかなコットンの上に、ざっくりとしたニットのスローや、光沢のあるベルベットのクッションを置くことで、視覚的にも触覚的にも豊かな表情が生まれます。
上質な素材に包まれて眠る幸福感を、ぜひご自宅で体験してください。
間接照明とキングサイズベッドの相性
ホテルの部屋に入った瞬間、感じるあのムーディーで落ち着いた雰囲気。
その最大の演出家が「照明」です。
光源が直接目に入らない「間接照明」を巧みに使うことで、キングサイズベッドを中心とした寝室は、ドラマティックな非日常空間へと生まれ変わります。
陰影が創り出す非日常的な空間演出
日本の多くの家庭では、天井に設置されたシーリングライト一つで、部屋全体を煌々と均一に照らす「一室一灯」が主流です。
この照明方法では、空間に陰影が生まれにくく、のっぺりとした機能的なだけの空間になってしまいます。
ホテルライクなリラックス空間を創り出す秘訣は、この逆の発想、「一室多灯」にあります。
つまり、部屋全体を照らす主照明の明るさは控えめにし、複数の小さな照明を、必要な場所、そして光を当てたい場所に効果的に配置するのです。
間接照明は、光源からの光を一度、壁や天井、床に反射させて、その柔らかな反射光で空間を照らすテクニックです。
直接光に比べて光が拡散するため、眩しさがなく、目に優しい穏やかな明るさが得られます。
この柔らかい光が、壁や家具に美しい「陰影」を生み出します。
光が当たる部分は明るく浮かび上がり、影になる部分はしっとりと沈む。
この光と影のコントラストが、空間に奥行きと立体感を与え、単調な部屋を表情豊かな、趣のある空間へと変えてくれるのです。
キングサイズベッドのような大きな家具がある寝室では、この効果は絶大です。
ベッドの背後の壁を間接照明で照らすと、ヘッドボードのシルエットが美しく浮かび上がり、ベッド周りが寝室のフォーカルポイントとして際立ちます。
夜、主照明を消し、間接照明の優しい光だけで過ごす時間は、日中の緊張を解きほぐし、心と体を自然に休息モードへと切り替えてくれます。
非日常的な空間とは、言い換えれば「影をデザインされた空間」のことなのです。
ベッドサイドを彩る テーブルランプとブラケットライト
間接照明の中でも、ホテルライクな寝室作りに最も手軽で効果的なのが、ベッドサイドに置く照明です。
先述した「シンメトリーの法則」に従い、キングサイズベッドの両サイドに置かれたナイトテーブルの上に、同じデザインの「テーブルランプ」を配置するのが王道スタイルです。
この一対のランプが、ベッド周りに落ち着きと安定感のあるシンメトリーな光の空間を創り出します。
シェード(傘)の付いたタイプのランプを選べば、光が上下に広がり、壁や天井に柔らかな光のグラデーションを描き出してくれます。
シェードの素材や色によっても光の質は変わります。
布製のシェードなら温かみのある光に、和紙ならさらに柔らかな光になります。
就寝前の読書灯としての実用性も兼ねており、パートナーの眠りを妨げることなく、手元だけを優しく照らすことができます。
もし、ナイトテーブルの上をすっきりとさせたい、あるいは小さなお子様がいて倒すのが心配、という場合には、「ブラケットライト(壁付け照明)」も非常にスタイリッシュな選択です。
ベッドサイドの壁面に直接取り付けるタイプの照明で、配線工事が必要な場合もありますが、空間をより有効に使うことができ、洗練されたモダンな印象を与えます。
アームが動かせるタイプなら、光の向きを自由に調節できて便利です。
これらのベッドサイドの照明は、眠るためだけの部屋を、夜の時間を豊かに楽しむための空間へと変えてくれる重要なアイテムです。
光の色は、リラックス効果の高い、暖色系の「電球色」を選ぶことを忘れないでください。
ヘッドボードに仕込むLEDテープライトの効果
よりモダンで、デザイン性の高い間接照明を取り入れたいなら、「LEDテープライト」をヘッドボードの裏に仕込むというテクニックがおすすめです。
LEDテープライトは、薄いテープ状の基盤にLEDチップが並んだ照明器具で、柔軟に曲げることができ、好きな長さにカットして使えるため、DIYでも比較的簡単に設置することが可能です。
このテープライトを、キングサイズベッドのヘッドボードの裏側の上部や側面に貼り付け、壁面を照らすように設置します。
すると、ヘッドボード自体がふわりと壁から浮き上がって見えるような、非常に幻想的で立体的な光の演出が生まれます。
この「コーブ照明」や「コーニス照明」と呼ばれる手法は、高級ホテルや商業施設で空間のアクセントとしてよく使われます。
ヘッドボードの輪郭が光によって強調され、ベッド周りが寝室の主役として、より一層ドラマティックに際立ちます。
壁の素材や色が、光によって美しく照らし出されるのも魅力です。
調光機能(明るさを調節できる機能)や調色機能(光の色を変えられる機能)が付いたテープライトを選べば、気分や時間帯に合わせて、光の雰囲気を自由自在に変えることができます。
就寝前は電球色で明るさを落としてリラックスモードに、朝は少し明るめの白い光で爽やかに目覚める、といった使い方も可能です。
配線を目立たないように処理する必要はありますが、その手間をかける価値のある、非常に効果的な演出です。
ミニマルで洗練された、究極のホテルライク空間を目指すなら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
店主のつぶやき 自宅が高級ホテルに キングサイズベッドでホテルライクな寝室
・キングサイズベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・自宅が高級ホテルに キングサイズベッドでホテルライクな寝室