どこか懐かしく心が安らぐい草の香り。
フローリングが主流の現代でもあの香りが好きだという方は多いのではないでしょうか。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
その伝統的な畳の心地よさとベッドの機能性を融合させたのが「畳ベッド」です。
このコラムでは畳ベッドがもたらす驚くべき快眠効果とその魅力を余すところなくお伝えします。
畳ベッドがもたらす森林浴のようなリラックス効果
畳の部屋に入った瞬間に感じる清々しい香り。
そして足の裏に伝わる独特の感触。
畳には私たちの五感に働きかけ心と体をリラックスさせる不思議な力があります。
畳ベッドを寝室に置くことはその効果を毎日の睡眠に取り入れるということです。
ここでは畳がもたらす具体的なリラックス効果について解説します。
い草の香り成分フィトンチッドの秘密
畳の独特で爽やかな香りの正体。
それは原料である「い草」に含まれる香り成分です。
この香り成分の中には「フィトンチッド」と呼ばれる物質が含まれています。
フィトンチッドは樹木などが発散する揮発性の物質で森林浴の際に私たちが感じるリフレッシュ効果の源とされています。
このフィトンチッドには鎮静作用つまり人の心を落ち着かせる効果があることが科学的にも分かっています。
畳ベッドで眠るということはまさに寝室で森林浴をしているようなものです。
い草の香りが一日の緊張やストレスで高ぶった神経を優しく鎮め穏やかな眠りへと誘ってくれます。
またい草の香りにはバニラに含まれる香り成分と同じ「バニリン」なども含まれておりこれもリラックス効果を高めています。
さらにい草にはアンモニアやホルムアルデヒドといった空気中の有害物質を吸着し分解する空気清浄効果があることも研究で明らかになっています。
寝室の空気をきれいにしながら心安らぐ香りで満たしてくれる。
畳ベッドは天然のアロマディフューザーであり空気清浄機でもあるのです。
化学的な香料とは違う自然由来の優しい香りに包まれて眠る贅沢。
それが畳ベッドの持つ大きな魅力の一つです。
畳の調湿効果が作る快適な睡眠環境
畳の原料であるい草は内部がスポンジのような多孔質構造になっています。
この構造のおかげで畳は優れた「調湿効果」を持っています。
これは空気中の湿度が高い時には水分を吸収し逆に空気が乾燥している時には内部に蓄えた水分を放出する能力です。
この働きにより畳は部屋の湿度を快適な状態に保とうとしてくれます。
寝室は人が寝ている間にかく汗によって湿度が上がりやすい場所です。
特に梅雨の時期や夏場はジメジメとした不快感で寝苦しさを感じることがあります。
畳ベッドを置いておけば畳がその余分な湿気を吸収しサラリとした快適な睡眠環境を保つのに役立ちます。
逆に冬場はエアコンなどで空気が乾燥しがちです。
そんな時は畳が蓄えた水分を放出し過度な乾燥を和らげてくれます。
喉や肌の乾燥を防ぐ助けにもなるでしょう。
まさに天然の除湿機であり加湿器でもあるのです。
この調湿効果はカビやダニの発生を抑制する上でも有効です。
一年を通して寝室の湿度を適切にコントロールしてくれる畳。
それは日本の四季の変化に寄り添う非常に賢い素材なのです。
快適な温度と湿度。
これは質の高い睡眠を得るための基本条件です。
畳ベッドはその条件を自然の力で整えてくれる頼もしい存在です。
日本人のDNAに刻まれた畳への安心感
香りや調湿効果といった科学的な理由だけでなく畳にはもっと本能的なレベルで私たち日本人に安心感を与えてくれる力があるように思います。
それは日本の家屋から畳の部屋が少なくなった現代でも変わりません。
おじいちゃんやおばあちゃんの家の畳の部屋で過ごした夏の思い出。
旅館の和室で手足を伸ばしてくつろいだ記憶。
多くの日本人にとって畳は安らぎや懐かしさと結びついています。
フローリングの硬さともカーペットの柔らかさとも違う畳の適度な弾力性。
足の裏に伝わるその感触はどこか心を落ち着かせます。
畳ベッドを寝室に置くことはそんな日本人が古来から育んできた心地よさを現代の暮らしに取り入れることです。
ベッドという洋風の家具の形をとりながらもその寝心地や雰囲気は紛れもなく和のものです。
この和洋折衷のスタイルが現代の私たちの暮らしに不思議とフィットします。
畳の上に直接布団を敷いて眠るスタイルはまさに日本の伝統的な眠り方そのものです。
ベッドでありながら布団で眠る。
この感覚がもたらす安心感は計り知れません。
論理では説明できない心地よさ。
それが畳にはあります。
それは私たちのDNAに刻まれた記憶なのかもしれません。
国産い草と海外産い草 香りと耐久性の違い
畳ベッドに使われる畳の品質は原料となる「い草」の品質によって大きく左右されます。
現在市場に流通しているい草には主に「国産」のものと中国などの「海外産」のものがあります。
この二つは価格だけでなく香りや耐久性など様々な面で違いがあります。
長く使うものだからこそその違いを知っておくことが大切です。
豊かな香りと高い耐久性を誇る国産い草
国産い草の最大の産地は熊本県の八代地方です。
国産い草は日本の気候風土の中で丁寧に育てられています。
その最大の特徴は豊かで深みのある香りです。
新しい畳の部屋に入った時に感じるあの清々しい香りは国産い草ならではのものです。
香り成分の含有量が多くその香りも長く持続します。
また見た目にも違いがあります。
国産い草は一本一本が太く粒が揃っており織り上げた時の畳表の目が詰まっていて非常に美しいです。
色は薄い緑色で光沢があります。
そして何より「耐久性」が全く違います。
国産い草は皮が厚く中身がしっかりと詰まっているため非常に丈夫でささくれにくいです。
弾力性にも富んでいるため長年使ってもへたりにくいです。
日に焼けた時の色合いも海外産が茶色っぽく変色するのに対し国産はきれいな黄金色へと変化していきます。
この経年変化の美しさも国産い草の魅力です。
価格は海外産に比べて高価になります。
しかしその品質と耐久性を考えれば決して高い買い物ではないと私は考えます。
特に畳ベッドのように毎日肌が触れ体を預ける家具であれば安心できる国産い草を選びたいものです。
本物の品質を求めるなら国産い草。
これが私の結論です。
価格が魅力の海外産い草とその特徴
海外産い草の最大の魅力は何と言ってもその「価格」の安さです。
国産い草に比べて大幅に安価なため畳ベッド全体の価格を抑えることができます。
現在では国内で流通している畳の多くが海外産い草を使用しています。
海外産い草は主に中国で生産されています。
短期間で大量に栽培するため収穫時期が早く中身の詰まり具合が国産に比べてまばらな傾向があります。
そのため耐久性は国産に劣りささくれや擦り切れが起きやすいです。
香りも国産に比べると薄く香りが飛んでしまうのも早いです。
見た目は染土を使って青く着色されていることが多く最初は鮮やかな緑色をしていますが日に焼けると赤茶色っぽく変色しやすい特徴があります。
もちろん海外産い草の品質も向上しており一概に悪いものだとは言えません。
しかし国産い草と比較した場合香りや耐久性肌触りといった面で見劣りするのは事実です。
価格を最優先に考え数年で買い替えることを前提とするならば海外産い草の畳ベッドも選択肢の一つとなるでしょう。
しかし畳ベッドの持つ本来の心地よさや癒し効果を存分に味わいたいと考えるならば少し予算を足してでも国産い草のものを選ぶことを私は強くお勧めします。
長く使うなら国産を選ぶべき理由
ベッドは一度買うと長く使う家具です。
特に畳ベッドを選ぶ方は畳ならではの寝心地や香りを長く楽しみたいと考えているはずです。
そうであるならばやはり選ぶべきは「国産い草」です。
最初は価格差が気になるかもしれません。
しかし長期的な視点で見れば国産い草の方が結果的に満足度が高くコストパフォーマンスも良いと言えます。
まず耐久性の違いです。
海外産い草の畳は数年で表面がささくれてきてしまい寝心地が悪くなることがあります。
そのたびに畳表を交換(表替え)するとなると余計な費用と手間がかかります。
丈夫な国産い草であれば10年以上美しい状態を保つことも可能です。
次に香りの持続性です。
畳ベッドの魅力の半分は香りにあると言っても過言ではありません。
海外産い草はすぐに香りが薄れてしまいますが国産い草は長く豊かな香りを楽しませてくれます。
毎日のリラックス効果が全く違います。
そして肌触りです。
毎日直接肌に触れるものですからその感触は重要です。
国産い草の滑らかでしっかりとした肌触りは海外産では味わえない心地よさです。
最後に安全性です。
国産い草は生産者の顔が見えどのような環境で栽培されたかが明確です。
その安心感も大きな価値です。
価格という一面的な情報だけでなく耐久性や快適性安全性といった多角的な視点から判断すること。
それが長く愛せる一品と出会うための秘訣です。
畳の硬さが腰に良いと言われる本当の理由
「腰痛には硬い寝具が良い」と昔からよく言われます。
その代表格が畳の上に布団を敷くというスタイルです。
畳ベッドはこの日本の伝統的な眠り方を現代の生活に取り入れたものです。
ではなぜ畳の適度な硬さが腰に良いのでしょうか。
その科学的な理由を解説します。
柔らかすぎる寝具が腰に与える悪影響
まずなぜ柔らかすぎる寝具が腰に悪いのかを理解する必要があります。
ふわふわで体が沈み込むような柔らかいマットレスは一見心地よく感じます。
しかし長時間その上で眠ると体に様々な問題を引き起こします。
人間の体で最も重い部分は腰とお尻の部分です。
柔らかいマットレスに寝るとこの重い部分だけが深く沈み込み体が「く」の字に曲がった不自然な寝姿勢になります。
この状態が長く続くと腰回りの筋肉は常に緊張した状態になり血行も悪くなります。
これが腰痛の大きな原因となるのです。
また体が沈み込むことで寝返りが打ちにくくなるという問題もあります。
人は一晩に20回から30回程度の寝返りをうつことで体の同じ部分に圧力がかかり続けるのを防ぎ血行を促進しています。
寝返りが妨げられると体の歪みや疲労の蓄積につながります。
つまり柔らかすぎる寝具は短期的には心地よく感じても長期的には腰痛を悪化させ睡眠の質を低下させてしまう危険性があるのです。
体が喜ぶ寝具と気持ち良いと感じる寝具は必ずしもイコールではないということを知っておく必要があります。
自然な寝姿勢を保つ畳の適度な硬さ
畳ベッドと敷布団の組み合わせが腰に良いとされる理由は畳が持つ「適度な硬さ」にあります。
畳は板の間のように硬すぎることはありません。
い草を編んだ畳表とその下の畳床(たたみどこ)が持つ適度な弾力性があります。
しかし柔らかいマットレスのように体が沈み込むこともありません。
この絶妙な硬さが理想的な寝姿勢を保つための鍵となります。
畳ベッドの上に寝ると体の重い腰部分が不必要に沈み込むのを防ぎます。
そして背骨が緩やかなS字カーブを描くという立っている時と同じ自然な状態をキープしてくれます。
これにより腰回りの筋肉に余計な負担がかからずリラックスした状態で眠ることができます。
筋肉の緊張が解けることで血行も促進され腰痛の緩和が期待できるのです。
硬すぎず柔らかすぎない。
この中庸の支持力こそが畳の最大の長所です。
もちろん敷布団の厚みによっても寝心地は変わります。
腰痛が気になる方はあまり厚すぎない適度な厚みの敷布団を選ぶと良いでしょう。
畳のしっかりとした支持力と敷布団の優しいクッション性。
この二つの組み合わせが日本の風土の中で育まれた腰に優しい眠りの形なのです。
寝返りのしやすさが睡眠の質を高める
畳の適度な硬さは「寝返りのしやすさ」にも大きく貢献します。
前述の通り寝返りは質の高い睡眠のために不可欠な生理現象です。
柔らかい寝具では体が沈み込んでいるため寝返りをうつのに「よっこいしょ」と余計な力が必要になります。
この時に無意識に目が覚めてしまい睡眠が中断されることもあります。
一方畳ベッドの上では体が沈み込まないため非常にスムーズに寝返りをうつことができます。
最小限の力で自然に体を動かすことができるのです。
これにより睡眠が中断されることなく朝までぐっすりと深い眠りを維持しやすくなります。
スムーズな寝返りは体圧の分散を促し血行を促進するだけでなく布団の中の温度や湿度を調整する役割も果たしています。
寝返りによって布団の中に新しい空気が入り込み快適な寝床内環境を保つのです。
つまり寝返りがしやすいということは睡眠の質そのものを高めることにつながります。
畳ベッドが提供するのは単に腰への負担が少ないというだけでなくより深く質の高い眠りのための理想的な環境なのです。
もしあなたが夜中に何度も目が覚めたり朝起きた時に体の疲れが取れていないと感じているならその原因は寝返りのしにくさにあるのかもしれません。
畳ベッドがその悩みを解決してくれる可能性があります。
小上がりとしても使える畳ベッドの便利な活用法
畳ベッドの魅力は夜の寝心地だけではありません。
日中の使い方にも大きな可能性があります。
布団を上げてしまえば畳ベッドは寝室の中に現れた「小上がり」のような多目的スペースに変わります。
ここでは畳ベッドの便利な活用法をいくつかご紹介します。
日中はくつろぎの多目的スペースに
毎朝布団を上げる習慣がある方なら畳ベッドの可能性は無限に広がります。
布団がなくなった畳の上はあなただけの自由な空間です。
例えば座布団を置いて書斎のように使う。
静かな環境で読書や書き物に集中できます。
あるいは小さな座卓を置いてお茶を楽しむ。
い草の香りに包まれながら過ごすティータイムは格別です。
ヨガやストレッチをするスペースとしても最適です。
畳の適度な硬さと弾力性は体に負担をかけにくくエクササイズに適しています。
またお子様がいるご家庭なら最高のプレイスペースになります。
フローリングと違って柔らかく安全なので赤ちゃんを寝かせておいたりおもちゃを広げて遊んだりするのにぴったりです。
友達が遊びに来た時も畳の上にごろりと寝転がりながらおしゃべりを楽しむ。
そんな使い方も素敵です。
このように畳ベッドは夜は寝室として日中はリビングや書斎プレイルームとしてその姿を変えます。
限られた空間を多目的に有効活用できる非常に賢い家具なのです。
腰掛けるのに丁度良い高さという利点
畳ベッドの多くは立ち座りのしやすい高さに設計されています。
床に直接座る「床座」と椅子に座る「椅子座」の中間のような絶妙な高さです。
この高さが日常生活の様々な場面で便利に機能します。
例えば洗濯物を畳む時。
床に座って作業すると腰が痛くなりますが畳ベッドの上に座れば楽な姿勢で作業できます。
アイロンがけのスペースとしても丁度良い高さです。
また朝の着替えの際にちょっと腰掛ける場所としても最適です。
ソファや椅子を別に置かなくても畳ベッドがその役割を果たしてくれます。
ご年配の方にとってもこの高さは大きなメリットです。
床から立ち上がるのは膝や腰に負担がかかりますが畳ベッドの高さならスムーズに立ち座りができます。
まさにユニバーサルデザインな家具と言えるでしょう。
この「ちょっと腰掛ける」場所が家の中にあるかないかで暮らしの快適さは大きく変わります。
畳ベッドはその便利なベンチとしての機能も兼ね備えているのです。
布団を収納すれば来客時も安心
急な来客があった時寝室を見られるのは少し恥ずかしいと感じることがあります。
特にベッドが部屋の大部分を占めていると生活感が出やすいです。
しかし畳ベッドならその問題もスマートに解決できます。
掛け布団や敷布団をベッド下の収納スペースやクローゼットにしまってしまえばベッドは美しい畳の小上がり空間に変わります。
生活感を完全に消すことができるのです。
これならお客様を寝室にお通ししても恥ずかしくありません。
むしろ自慢の和の空間として見せたくなるかもしれません。
お客様用の客間としても活用できます。
日中は掘りごたつのように皆でくつろぐスペースとして使い夜は布団を敷いてお客様に寝ていただく。
そんなおもてなしも可能です。
また収納付きの畳ベッドを選べば布団の収納場所に困ることもありません。
ベッド下に布団を丸ごと収納できる大容量のモデルもあります。
これにより押入れのないマンションなどでも布団での生活を手軽に実現できます。
布団を上げるという一手間はかかります。
しかしその一手間が日中の空間を広く美しく保ち暮らしにメリハリを与えてくれます。
畳ベッドは日本の伝統的な暮らしの知恵が詰まった非常に機能的な家具なのです。
店主のつぶやき い草の香りに癒される畳ダブルベッド 快眠効果と魅力
・ダブルベッド
・畳ベッド
・ベッドフレーム
・ベッドサイズ
・ベッド
・い草の香りに癒される畳ダブルベッド 快眠効果と魅力