こんにちは。
ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。
静かな夜に寝返りを打つたび「ギシッ…」と鳴るベッドのきしみ音。
せっかくの心地よい眠りが妨げられストレスを感じている方も少なくないでしょう。
すのこベッドは構造上きしみ音が発生しやすい側面もありますがその原因を正しく理解し適切に対処すれば音を解消し静かな眠りを取り戻すことは可能です。
この記事ではベッドがきしむ主な原因からご自身で簡単にできる解消法さらには購入時にチェックしたいきしみにくいベッドの選び方までを詳しく解説します。
音のストレスから解放され朝までぐっすり眠るための知識がここにあります。
なぜきしむの 主な原因を解説
ベッドのきしみ音は一つの原因だけでなく複数の要因が絡み合って発生することがほとんどです。
音の正体を突き止めることが解決への第一歩。
この章ではきしみ音が発生する主な原因を4つのポイントに分けて詳しく解説していきます。
あなたのベッドはどれに当てはまるでしょうか。
部材同士の摩擦やこすれが音を発生させる
きしみ音の最も一般的な原因はベッドを構成する部品同士がこすれ合うことで生じる「摩擦音」です。
すのこベッドはヘッドボードやフットボードサイドフレーム床板のすのこなど多くの木材パーツを組み合わせて作られています。
私たちがベッドの上で寝返りを打つと体重移動によってフレームの各部にわずかな力がかかりパーツ同士がミシミシと擦れ合います。
特にすのことフレームが接する面やフレームの接合部分は音が発生しやすいポイントです。
木材は湿度の影響でわずかに膨張したり収縮したりするため季節によって擦れ具合が変わり音が出たり出なくなったりすることもあります。
またマットレスではなく敷布団を直接敷いて使用している場合人の動きがダイレクトにすのこに伝わるため摩擦音がより発生しやすくなる傾向があります。
この摩擦によるきしみ音はベッドの構造上ある程度は仕方のない部分もありますが後述する対策によって大幅に軽減することが可能です。
ネジの緩みが引き起こすフレームの歪み
ベッドを長期間使用していると日々の振動や負荷の蓄積によってフレームを固定している「ネジ」が少しずつ緩んでくることがあります。
ネジが緩むとパーツ同士の固定が甘くなりベッドに人が乗ったときにフレーム全体にわずかな「歪み」や「遊び」が生じます。
この歪みが発生する瞬間にパーツが大きく擦れ合い「ギシッ」「ゴトッ」といった大きなきしみ音の原因となるのです。
特にベッドの組み立て時にネジの締め付けが不十分だった場合早期にきしみ音が発生することがあります。
また引っ越しなどで一度ベッドを分解し再組み立てした場合もネジが緩みやすくなることがあります。
ネジの緩みはきしみ音の原因になるだけでなくベッドフレーム全体の強度を低下させ破損に繋がる危険性もはらんでいます。
そのため定期的にネジの状態をチェックし緩みがあれば締め直す「増し締め」はきしみ音対策と安全対策の両面から非常に重要です。
六角レンチなどの工具は購入時に付属していることが多いので大切に保管しておきましょう。
木材の乾燥や収縮による自然な音鳴り
特に天然木のすのこベッドの場合木材そのものの性質が音の原因になることがあります。
木は伐採された後も呼吸を続けており周囲の湿度に合わせて水分を吸収したり放出したりしています。
その過程で木材はわずかに膨張したり収縮したりを繰り返します。
特に冬場など空気が乾燥する季節には木材内部の水分が抜けて収縮し木材同士の接合部に隙間が生まれたり木材自体が「パキッ」と音を立てたりすることがあります。
これは「木鳴り」と呼ばれる自然現象であり必ずしもベッドの欠陥ではありません。
新品のベッドを使い始めてしばらくの間音が鳴りやすいのも木材が新しい環境に馴染もうとしている過程で起こる現象です。
この木鳴りはある程度の期間が経つと自然に収まることがほとんどです。
ただし乾燥が進みすぎると木材にひび割れ(クラック)が生じそこが擦れてきしみ音の原因になることもあります。
寝室の湿度を適切に保つことは木製ベッドを長持ちさせる上でも大切なポイントです。
脚と床の接地面の問題
意外に見落としがちなのがベッドの「脚」と「床」の接地面です。
ベッドの脚が床に対して完全に垂直に接地していない場合や床自体にわずかな凹凸や傾きがある場合ベッドに荷重がかかるたびに脚が微量に動き床と擦れて音が発生することがあります。
またフローリングの材質によってはベッドの脚の裏側と相性が悪く摩擦音が鳴りやすいケースもあります。
さらにベッドの脚は6本またはそれ以上あるのが一般的ですが全ての脚に均等に体重がかかっていない場合もきしみの原因になります。
例えば一本の脚だけが少し浮いているような状態だと寝返りを打つたびにその脚が床に接触し「ゴトッ」という音を立てることがあります。
この問題はベッドの設置場所を変えたり脚の裏にフェルトなどの緩衝材を貼ったりすることで解決できる場合があります。
きしみ音がベッド本体からではなく下の方から聞こえると感じた場合はまず脚と床の状態を疑ってみるのが良いでしょう。
自分でできるきしみ音の解消法
きしみ音の原因が特定できたら次はいよいよ実践的な対策です。
専門の業者に頼まなくてもご家庭にあるものやホームセンターで手軽に購入できるアイテムを使ってきしみ音を大幅に改善できる方法がたくさんあります。
この章では誰でも簡単に試せる解消法を具体的にご紹介します。
まずは全てのネジを増し締めする
きしみ音対策の基本中の基本であり最も効果が期待できるのが「ネジの増し締め」です。
ベッドフレームを組み立てている全てのネジを付属の工具やドライバーを使って時計回りにゆっくりと締め直していきます。
特に負荷のかかりやすい四隅の接合部や脚の付け根のネジは念入りにチェックしてください。
一部分だけでなく全てのネジを確認するのがポイントです。
一つの緩みが他の部分に影響を与えている可能性があるからです。
ただし力任せに締めすぎるとネジ穴が破損してしまう「ネジバカ」の状態になったり木材が割れてしまったりする危険があるので注意が必要です。
ネジが「キュッ」と止まったところから少し力を加える程度で十分です。
月に一度など定期的に増し締めを行うことで緩みを未然に防ぎ常に安定したフレームの状態を保つことができます。
この作業だけで長年悩まされていたきしみ音が嘘のようになくなったというケースも少なくありません。
まずはこの増し締めから試してみてください。
接合部に緩衝材を挟む パッキンやフェルトの活用
ネジを増し締めしても音が解消されない場合部材同士の摩擦が原因である可能性が高いです。
その場合は音が発生している箇所を特定しその接合部に「緩衝材」を挟み込むという対策が有効です。
まずベッドにゆっくりと乗り体重をかけながらどの部分から音が鳴るか耳を澄まして探ります。
すのことフレームが擦れる音ならその接触面に。
サイドフレームとヘッドボードの接合部からならその間に緩衝材を挟みます。
緩衝材としては薄いフェルト生地やコルクシートゴムパッキンなどがおすすめです。
ホームセンターや100円ショップで手軽に購入できます。
これらを適切な大きさにカットし音の原因となっているパーツの間に挟み込むことで直接の接触がなくなり摩擦音が劇的に軽減されます。
一時的な応急処置としてティッシュペーパーや布を挟む方法もあります。
音の発生源を特定するのは少し根気のいる作業ですが原因箇所に的確にアプローチできれば高い効果が期待できます。
脚の裏にフェルトを貼って床との摩擦を防ぐ
きしみ音がベッドの脚と床の摩擦によって発生している場合は脚の裏に「傷防止用のフェルト」を貼るのが最も簡単な解決策です。
このフェルトは家具による床の傷を防ぐ目的で広く使われておりホームセンターなどで様々なサイズや形のものが販売されています。
シールタイプのものを選べばベッドの脚を少し持ち上げて裏側に貼り付けるだけで作業は完了です。
フェルトが緩衝材となり脚が動いた際の床との摩擦を吸収し音の発生を防ぎます。
また床のわずかな凹凸を吸収しベッドのガタつきを抑える効果も期待できます。
全ての脚に均等に荷重がかかるようになりベッド全体が安定します。
もし特定の脚だけが浮いているような場合はその脚のフェルトを二重に貼るなどして高さを微調整するのも良いでしょう。
この対策はきしみ音防止と同時に床の保護もできるので一石二鳥です。
賃貸住宅にお住まいの方には特におすすめの方法です。
市販の潤滑剤を試す際の注意点
摩擦が原因なら潤滑剤を塗れば良いのではと考える方もいるでしょう。
確かに市販の潤滑剤(シリコンスプレーなど)を音の鳴る接合部に吹きかけることで一時的に音が解消されることがあります。
しかしこの方法にはいくつかの注意点が必要です。
まず潤滑剤の種類によっては木材を傷めたり塗装を剥がしてしまったりする可能性があります。
必ず「木材用」と記載のあるものか素材を傷めないタイプの製品を選び目立たない場所で試してから使用してください。
また潤滑剤にホコリが付着してしまい逆に汚れが溜まりやすくなることもあります。
さらに一度塗布すると後から緩衝材を挟もうとしても接着しにくくなる場合があります。
そのため潤滑剤の使用は他の方法を試しても効果がなかった場合の最終手段と考えるのが良いでしょう。
ロウソクのロウを擦り込むという昔ながらの方法もありますがこれも同様に跡が残る可能性があります。
まずは増し締めや緩衝材といった物理的な対策から試すことを強くおすすめします。
購入時にチェックしたいきしみにくいベッドの構造
きしみ音は発生してから対策するよりもそもそも発生しにくいベッドを選ぶことが最も理想的です。
ベッドは長く使うものですから購入時の選択が将来の快適な睡眠を左右します。
この章ではベッド販売のプロの視点からきしみ音が出にくいベッドフレームの構造的な特徴について解説します。
脚が太く頑丈なフレームを選ぶ
ベッドの安定性を支える最も重要なパーツは「脚」です。
脚が細く華奢なデザインのベッドは見た目がおしゃれですが体重を支える力が弱く揺れやきしみが発生しやすい傾向にあります。
一方角材のように太くがっしりとした脚を持つベッドはフレーム全体をどっしりと支え安定感が抜群です。
寝返りを打った際の揺れも少なくきしみ音の発生を根本から抑え込みます。
一般的に脚の断面積が大きければ大きいほど強度は高くなります。
商品を選ぶ際にはぜひ脚の太さに注目してみてください。
また脚の材質も重要です。
無垢材などの頑丈な木材を使用しているかどうかもチェックポイントです。
見た目のデザイン性だけでなくこうした構造的な堅牢さに目を向けることが静かな眠りを手に入れるための第一歩です。
中央にも脚があるセンターレール付き構造
ダブルサイズ以上の大きなベッドの場合ベッドの中央部分が体重でたわみやすいという弱点があります。
このたわみがすのことフレームの摩擦を引き起こしきしみ音の大きな原因となります。
この問題を解決するのがベッドの中央を縦に貫く「センターレール」とそのレールを支える「中央脚(サポートレッグ)」です。
センターレールと中央脚があることでマットレスの重みをベッド全体でバランス良く分散して支えることができます。
これにより中央部分のたわみが劇的に減少しフレーム全体の剛性が高まります。
結果としてきしみにくく安定した寝心地が得られるのです。
ベッドを裏側から見る機会は少ないかもしれませんがこのセンターレールと中央脚の有無はベッドの耐久性と静音性を見極める上で非常に重要なポイントです。
特に体格の良い方や二人以上でベッドを使用する場合にはこの構造は必須と言えるでしょう。
フレームの接合部分が少ないデザイン
きしみ音はパーツ同士の接合部で発生しやすいという性質があります。
つまり理論上はフレームの接合部分が少なければ少ないほどきしみ音のリスクは低減します。
例えばヘッドボードやフットボードがなく4本の脚とサイドフレームだけで構成されたシンプルな「ヘッドレスタイプ」のベッドは構造的に接合部が少なくきしみにくい傾向にあります。
また脚がフレームと一体になっている「脚付きマットレス」のようなタイプも音の発生源が少なく静音性が高いと言えます。
もちろん宮付きのベッドなど機能的なデザインにも魅力はありますがもし静かさを最優先するならばできるだけ構造がシンプルなベッドを選ぶというのも一つの賢い選択です。
デザインを選ぶ際にはどこにネジや金具が使われているかパーツがどのように組み合わさっているかを少し意識して見てみるとそのベッドのきしみにくさがある程度予測できます。
静かな眠りを約束する頑丈すのこベッド
最後にきしみ音に悩まされたくないというお客様に私たちが自信を持っておすすめする「頑丈すのこベッド」の特徴についてお話しします。
これらのベッドは静かな眠りを実現するために素材や設計に様々な工夫が凝らされています。
耐荷重性能が高いベッドはきしみにくい
ベッドの頑丈さを示す客観的な指標として「耐荷重」があります。
これはベッドが静止した状態でどれくらいの重さまで耐えられるかを示した数値です。
耐荷重が高いベッドはそれだけ頑丈な部材を使い強度を重視した設計がなされている証拠です。
フレームが頑丈であればあるほど人の体重がかかっても歪みやたわみが生じにくく結果としてきしみ音の発生を抑えることができます。
一般的なすのこベッドの耐荷重が100kgから150kg程度であるのに対し当店で扱う頑丈すのこベッドの中には耐荷重500kg以上を誇る製品もあります。
こうしたベッドは安心して体を預けられるだけでなく長期的に見てもへたりにくくきしみが発生しにくいという大きなメリットがあります。
特に大柄な方やベッドの上でお子様と遊ぶ機会があるご家庭ではこの耐荷重性能を一つの基準としてベッドを選ぶことを強くおすすめします。
LVLすのこなど素材の工夫
きしみ音対策はフレームだけでなく床板である「すのこ」にも工夫が凝らされています。
特に注目したいのが「LVL(Laminated Veneer Lumber)」と呼ばれる積層単板です。
これは薄くスライスした木板を繊維方向を揃えて何層にも重ねて接着したものであり一般的な無垢材のすのこに比べて強度が高く反りや割れが起こりにくいという特徴があります。
均質で安定した品質を持つLVLすのこは湿度の変化にも強くきしみの原因となる変形が少ないため静音性に優れています。
またすのこの板一枚一枚の厚みを増したりすのことフレームが接する部分に緩衝材をあらかじめ取り付けて摩擦音を防いだりと細やかな配慮がなされた製品もあります。
こうした目立たない部分の素材や工夫こそが毎日の快適な眠りを支えているのです。
お客様の声レビューを参考にする
実際にそのベッドを使用しているお客様の声はきしみ音に関する最もリアルな情報源です。
商品の販売ページに掲載されているレビューを注意深く読んでみましょう。
「きしみ音が全く気にならない」「とても静かです」といった肯定的な意見が多い商品は信頼性が高いと言えます。
逆に「使い始めてすぐにきしむようになった」といったレビューが複数ある場合は少し注意が必要かもしれません。
もちろん使用環境や組み立て方によって音の発生状況は変わりますが多くのユーザーの意見は非常に参考になります。
私たち販売店もお客様からのレビューを真摯に受け止め製品の改善や仕入れに活かしています。
ぜひ購入前にはレビューをチェックする習慣をつけてみてください。
そこにはカタログスペックだけでは分からない生きた情報が詰まっています。
店主の解説
きしみ音はベッドの「悲鳴」。私が「耐荷重」を、品質の指標として最も重視する理由
寝返りを打つたびに聞こえる、不快な「きしみ音」。多くのお客様は、これを単なる「気になる音」として捉えられているかもしれません。しかし、17年以上、数々のベッドと向き合ってきた店主としての私の見解は、少し違います。私が考えるきしみ音とは、そのベッドが、自身の構造的な弱さや歪みから発している「悲鳴」であり、品質の低さを示す、極めて重要なサインなのです。
■なぜ、ベッドは「悲鳴」を上げるのか
きしみ音の根本的な原因は、ベッドフレームにかかる重さに対して、その「強度」が不足していることにあります。強度が不足していると、寝返りなどの動きによって、フレームの接合部や、すのことフレームが接する部分に、わずかな「歪み」や「ねじれ」が生じます。この、木材や金属がこすれ合う音が、きしみ音の正体です。つまり、きしみ音がするということは、そのベッドが、あなたの体を支えるという、本来の役割を、十分に果たせていない、ということなのです。
■ベッドの「誠実さ」は、耐荷重という数値に表れる
では、どうすれば、この「悲鳴を上げない、頑丈なベッド」を見極めることができるのでしょうか。その最も信頼できる指標が、商品ページに記載されている「耐荷重」という数値です。
耐荷重とは、そのベッドが静止した状態で何kgまでの重さに耐えられるかを示す、ベッドの頑丈さを測る最も重要な指標です。この数値が高いということは、それだけ良質な素材で、優れた設計で、そして、誠実に作られている、という証なのです。
【最低ラインの目安】
安心して体を預けるために、耐荷重は必ず確認しましょう。
- シングルベッド(一人用)の場合:最低でも120kg以上
- ダブルベッド(二人用)の場合:最低でも200kg以上
私の見解では、この数値をクリアしている製品は、きしみ音が発生しにくい、長期的な使用に耐える品質を持っている可能性が非常に高いと言えます。
私の最終的な見解は、こうです。きしみ音は、我慢するものではありません。それは、ベッド選びの段階で「避ける」ものです。
高い耐荷重を、自信を持って明記している製品を選ぶこと。それが、静かで、穏やかな夜を手に入れるための、最も確実で、賢明な選択なのです。
購入後の静寂は「組立」で決まる。きしみ音を未然に防ぐ、プロの組立術という見解
「耐荷重の高い、頑丈なすのこベッドを選んだはずなのに、なぜかきしみ音がする…」。そんな悲しいご相談をいただくことも、残念ながら少なくありません。その原因の多くは、実は、製品の品質そのものではなく、購入後の「組み立て」の精度にある、というのが私の見解です。ここでは、きしみ音を未然に防ぐための、プロの組立の秘訣と、究極の解決策について解説します。
■きしみ音を防ぐ、組立の鉄則「仮締めの術」
これは、美しい仕上がりと、静かな寝心地を実現するための、プロの技です。多くの方が、最初の工程から、一つ一つのネジを、力一杯、固く締めてしまいがちです。しかし、これが、後々の歪みと、きしみ音の元凶となるのです。
- まず、全体のフレームが組み上がるまで、全てのネジを、指で回せるくらいの「緩め」の状態(仮締め)で組み立てていきます。
- ベッドの全てのパーツが組み上がり、全体の形が整ったことを確認します。この段階で、フレームを少し揺すり、設置場所の床の微妙な凹凸に、脚を馴染ませます。
- 最後に、対角線上のネジを交互に、少しずつ、均等な力で、固く締めて(本締め)いきます。これにより、特定の場所に力が偏ることなく、フレーム全体の歪みが、完全に取り除かれます。
この「仮締め」のひと手間をかけるだけで、ベッドの安定性は劇的に向上し、きしみ音の発生リスクを、大幅に減らすことができます。
■私の見解:最高の「きしみ音対策」は、組立設置サービス
ここまで組立のコツを解説してきましたが、私の、より本質的な見解は、こうです。特に、ダブルサイズ以上の大きなベッドや、構造が複雑な収納付きベッドにおいて、
最高の「きしみ音対策」とは、その道のプロに、最初から完璧な状態で組み立ててもらうこと、すなわち「組立設置サービス」を利用することです。
プロの作業員は、この「仮締めの術」はもちろんのこと、数多くの経験から、それぞれのベッドの特性を熟知しています。どのネジを、どのタイミングで、どれくらいの力で締めれば、最も安定し、きしまないかを、体で知っているのです。
組立設置サービスは、単に「楽ができる」というだけではありません。それは、これから何年も続く、静かで快適な眠りを手に入れるための、最も確実な「保険」であると、私は考えています。
意外な原因「マットレスとの相性」。すのことマットレス、最高の組み合わせという見解
すのこベッドのきしみ音。その原因は、フレームの強度や、組み立ての精度にある、と考えるのが一般的です。しかし、17年以上の経験の中で、私が見てきた中には、意外な、そして見落とされがちな、もう一つの原因が存在します。それは「すのこと、マットレスの相性」です。
■なぜ、マットレスが、きしみ音の原因になるのか
その原因は、すのこベッドの構造にあります。すのこは、マットレスの重さを「線(すのこ板)」で支えています。そのため、すのこの上に置かれるマットレスには、ある程度の「硬さ」と「自立性」、つまり、自身の形状を保とうとする力が必要になります。
もし、このすのこの上に、非常に柔らかく、自立性の低い「ノンコイルマットレス(低反発ウレタンなど)」を直接置いてしまうと、どうなるでしょうか。マットレスは、体の重みで、すのこの隙間に向かって、垂れ下がるように沈み込んでしまいます。
この状態は、寝心地が悪いだけでなく、フレーム全体に、不均一で、想定外の負荷をかけ続けることになります。この、部分的な負荷の集中が、フレームのわずかな歪みを生み、結果として、きしみ音の原因となり得るのです。
■私の見解:最高の相棒は「ポケットコイルマットレス」
では、すのこベッドの性能を最大限に引き出し、かつ、きしみ音のリスクも少ない、最高の相棒とは、どのようなマットレスなのでしょうか。
私の見解として、最もおすすめするのは「ポケットコイルマットレス」です。
- 理由1:優れた自立性
ポケットコイルマットレスは、その四方を、硬いウレタンフォームなどで囲む「エッジサポート」という技術で補強されています。これにより、マットレスは自身の形状をしっかりと保ち、すのこの隙間に落ち込むことなく、重さをフレーム全体に均等に分散させることができます。
- 理由2:最高の寝心地
すのこのしっかりとした土台が、マットレスを「面」で安定して支える。そして、その上で、一つ一つ独立したポケットコイルが、あなたの体の凹凸に合わせて「点」で、きめ細かくフィットする。この完璧な役割分担が、最高の寝心地を生み出します。
私の最終的な見解は、こうです。すのこベッドのきしみ音を防ぐということは、
「頑丈なフレーム」を選び、「完璧に組み立て」、そして、その上に「最高の相棒(ポケットコイルマットレス)」を乗せてあげる、という、トータルな視点を持つことなのです。
店主のつぶやき すのこベッドのきしみ音の原因と対策 寝返りを気にせず快眠する
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