チェストベッドの「ヘッドボード」、種類と選び方で眠りの質が変わる

こんにちは!ベッド通販「眠り姫」店主の佐藤です。 チェストベッドを選ぶ際、多くの方がまず注目されるのは、その圧倒的な「収納力」ですよね。 快適なベッドライフを送る上で、意外と見過ごされがちながら、実は「眠りの質」そのものを左右するほど重要なパーツがあります。 それが、「ヘッドボード」です。 就寝前のリラックスタイムの過ごし方から、夜中の安全性、お部屋のレイアウトまで、ヘッドボードの種類と選び方一つで、あなたのベッド周りの環境は劇的に変わります。 このコラムでは、あなたに最適なヘッドボードを見つけるための、プロの視点からの徹底解説をいたします。

【宮付き(棚付き)】スマホやメガネの置き場所に

「宮(みや)」とは、ヘッドボードに設けられた棚のことを指します。 この小さなスペースが、ベッド周りの快適性を劇的に向上させてくれる、非常に人気の高い仕様です。 サイドテーブルを置かずに、枕元をすっきりと整理したい方には必須の機能と言えるでしょう。

「宮付き」の基本的なメリットと活用法

宮付きヘッドボードの最大のメリットは、何と言っても「手の届く範囲に必要なものを置いておける」利便性です。 私たちは、ベッドに入ってから眠りにつくまでの間、意外と多くの時間を過ごします。 スマートフォンでSNSをチェックしたり、読書をしたり、音楽を聴いたり…。 そんな時、就寝時に外すメガネや、愛用のハンドクリーム、読みかけの本、目覚まし時計などを、いちいち起き上がってサイドテーブルに置くのは、少し面倒ですよね。 宮付きであれば、寝たままの姿勢で、手を伸ばすだけで、これらの必需品をスマートに置くことができます。 お部屋のスペースが限られていて、サイドテーブルを置く余裕がない場合にも、宮付きヘッドボードが大活躍します。 サイドテーブル分のスペースが不要になるため、お部屋をより広く、有効に使うことができるのです。 チェストベッド自体が収納家具としての役割を担っているため、さらに宮棚で枕元も整理できれば、お部屋から余計な家具を減らし、すっきりとした空間を実現できます。 まさに、省スペースと利便性を両立した、現代のライフスタイルにぴったりの機能と言えるでしょう。

棚の「奥行き」と「段差」をチェックしよう

一口に「宮付き」と言っても、その棚の形状は様々です。 購入後に「思ったより物が置けなかった…」と後悔しないために、棚の「奥行き」と「形状」を、購入前にしっかりとチェックしましょう。 まず「奥行き」。 スリムなデザインを重視したモデルでは、棚の奥行きが10cm未満の場合もあります。 この場合、スマートフォンやメガネは置けても、ボックスティッシュや文庫本を置くのは難しいかもしれません。 ご自身が枕元に何を置きたいかを具体的にイメージし、それらが収まる十分な奥行きがあるかを確認することが重要です。 12cm〜15cm程度の奥行きがあれば、多くの小物を安定して置くことができます。 次に「形状」です。 棚がフラットな一段だけのタイプが最もシンプルですが、中には棚が二段になっているものや、スマホを立てかけやすいように溝が掘られているもの、物が落ちにくいように手前に少し立ち上がり(こぼれ止め)が付いているものなど、様々な工夫が凝らされたデザインがあります。 二段式のものは、上段に時計やアロマディフューザーを、下段に本やメガネを、というように、用途に応じて使い分けることができ、非常に便利です。 こうした細かなディテールへの配慮が、日々の使い心地に大きな差を生みます。

ディスプレイスペースとしての魅力

宮棚は、単なる実用的な物置きスペースとしてだけでなく、あなたらしさを表現する「ディスプレイスペース」としても、大きな魅力を持っています。 一日の始まりと終わりに必ず目にする場所だからこそ、お気に入りのもので飾れば、気分も上がり、より心地よい空間になります。 小さな観葉植物や多肉植物を置けば、お部屋に彩りと癒やしが生まれます。 旅先で見つけたお気に入りのポストカードや、家族の写真を飾った小さなフォトフレームを置くのも素敵ですね。 就寝前にリラックス効果のあるアロマを楽しみたい方は、アロマディフューザーやアロマストーンを置くのに最適な場所です。 お気に入りの香りに包まれながら眠りにつく、という贅沢な時間を過ごせます。 宮棚を自分だけの小さなギャラリーに見立てることで、寝室は単に眠るだけの場所から、あなた自身の個性を反映した、愛着の湧くパーソナルスペースへと変わります。 季節ごとに飾るものを変えたり、その日の気分で配置を変えたりと、自分だけの空間作りを存分に楽しんでみてください。

【コンセント付き】充電に便利なマスト機能

スマートフォンやタブレットが、もはや生活必需品となった現代において、枕元で充電できるかどうかは、ベッドの快適性を左右する最重要項目の一つです。 ここでは、コンセント付きヘッドボードの重要性と、選ぶ際のチェックポイントを解説します。

なぜヘッドボードのコンセントが重要なのか?

「寝る直前までスマホを触っていたい」「アラームとして使っているから、充電が切れると不安」。 そんな方は、非常に多いのではないでしょうか。 現代の私たちの生活は、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンといった、充電が必要なデジタルガジェットに囲まれています。 これらの多くは、就寝中に充電するのが最も効率的です。 もし、ヘッドボードにコンセントがなければ、どうなるでしょうか。 壁のコンセントから、長い延長コードをベッドまで引っ張ってくる必要が出てきます。 床を這うコードは、見た目がごちゃごちゃして美しくないだけでなく、夜中にトイレに立つ際などに足を引っ掛けて転倒する危険性があり、非常に危険です。 コードが絡まったり、断線したりする原因にもなります。 ヘッドボードにコンセントが備わっていれば、こうした問題はすべて解決します。 枕元で、安全かつスマートに、複数のデバイスを充電することができるのです。 これはもはや、単なる「便利な機能」ではなく、現代のベッドにおける「必須機能(マスト機能)」と言っても過言ではないと、私は考えています。

コンセントの「数」「位置」「仕様」を確認する

コンセント付きのヘッドボードを選ぶ際には、必ず「数」「位置」「仕様」の3点を確認しましょう。 まず「数」。 コンセントの差込口は、1口タイプと2口タイプが主流です。 ご自身のスマートフォンだけであれば1口でも十分かもしれませんが、パートナーと一緒に使う場合や、タブレットやスマートウォッチなど、同時に複数のデバイスを充電したい場合は、2口タイプを選ぶのが賢明です。 次に「位置」。 コンセントが、宮棚の中央にあるのか、左右どちらかに寄っているのかを確認しましょう。 お部屋のレイアウトや、寝る位置によっては、使いやすい位置、使いにくい位置が出てきます。 左右両方に1口ずつ、合計2口付いているモデルは、二人で使う場合に非常に便利です。 最後に「仕様」。 最近では、通常のコンセント差込口に加え、USBポートが付いているモデルが増えてきました。 これなら、ACアダプタを使わずに、USBケーブルだけで直接充電できるので非常に便利です。 最新のスマートフォンなどに採用されている「USB Type-C」に対応したポートが付いているかどうかも、将来的な利便性を考えるとチェックしておきたいポイントです。 差込口にホコリが入るのを防ぐ「スライド式カバー」が付いていると、安全性も高まり、おすすめです。

安全な使用のための注意点

非常に便利なコンセント機能ですが、安全に使うためには、いくつか注意していただきたい点があります。 最も重要なのが「定格容量(許容ワット数)」を守ることです。 家庭用のコンセントは、一般的に合計1500Wまでと定められています。 ヘッドボードのコンセントも、これに準じていることがほとんどです。 スマートフォンの充電程度であれば全く問題ありませんが、ここに消費電力の大きなドライヤーや電気ケトル、暖房器具などを接続するのは絶対にやめてください。 容量オーバーは、発熱や発火の原因となり、火災につながる大変危険な行為です。 「たこ足配線」をしないこと。 ヘッドボードのコンセントに、さらに電源タップを繋いで差込口を増やすと、気づかないうちに容量オーバーを招く可能性があります。 そして、意外と見落としがちなのが「ホコリ」です。 長期間使っていないコンセントの差込口にホコリが溜まり、そこに湿気が加わると、電気ショートを起こして発火する「トラッキング現象」の原因となります。 これを防ぐためにも、定期的に乾いた布でホコリを掃除したり、ホコリ防止カバーが付いているモデルを選んだりすることが重要です。 便利な機能だからこそ、そのリスクも正しく理解し、安全に、そして大切にお使いいただきたいと思います。

【照明付き】夜中の目覚めにも安心

ヘッドボードに付いている柔らかな光は、寝室をホテルライクな上質な空間に演出してくれるだけでなく、実用面でも、私たちの安全と快適な眠りをサポートしてくれる、頼もしい機能です。

間接照明がもたらす、入眠前のリラックス効果

質の高い睡眠を得るためには、眠りにつく前の「入眠儀式(スリープセレモニー)」が重要だと言われています。 その一つが、「光のコントロール」です。 天井のシーリングライトのような、煌々とした強い光は、脳を覚醒させ、眠りを促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。 寝る直前まで明るい部屋で過ごしていると、いざ布団に入っても、なかなか寝付けない、という事態に陥りがちです。 そこでおすすめなのが、ヘッドボードに付いている「間接照明」の活用です。 光源が直接目に入らない、ぼんやりとした柔らかな光は、心を落ち着かせ、自然な眠りへと誘うのに最適です。 オレンジがかった温かみのある色の光は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があると言われています。 部屋全体の電気は消して、このヘッドボードの明かりだけを灯し、好きな音楽を聴いたり、穏やかな内容の本を読んだり…。 そんな、ゆったりとした時間を過ごすことで、脳は自然と「これから眠るんだ」という準備を始めます。 この入眠前の穏やかな時間が、寝つきの良さや、深い眠りにつながっていくのです。

夜中に目が覚めた時の「安全灯」としての役割

照明付きヘッドボードの、もう一つの非常に重要な役割が、夜中に目が覚めた際の「安全灯」としての機能です。 私たちは、夜中にトイレに行きたくなったり、喉が渇いて水を飲みたくなったりと、睡眠の途中で起き上がることもありますよね。 そんな時、部屋が真っ暗闇だと、方向感覚を失い、壁や家具に体をぶつけたり、床に置いてあるものに躓いて転倒したりする危険性があります。 ご高齢の方やお子様にとっては、これは大きな怪我につながりかねません。 かといって、天井の照明をつけると、その強い光で完全に目が覚めてしまい、その後なかなか再入眠できなくなってしまいます。 ヘッドボードの照明は、こうした問題を一挙に解決してくれます。 枕元のスイッチ一つで、足元や部屋全体をぼんやりと照らし、安全に移動するための、必要最低限の明かりを確保できます。 強すぎず、弱すぎない、絶妙な明るさが、脳への刺激を最小限に抑え、用事を済ませた後、再びスムーズに眠りに戻るのを助けてくれます。 夜間の授乳やおむつ替えが必要な、小さなお子様がいるご家庭にとっても、非常に便利な機能と言えるでしょう。

照明の種類(LED/蛍光灯)とスイッチの位置

照明付きのヘッドボードを選ぶ際には、「照明の種類」と「スイッチの位置」も確認しておきましょう。 現在、主流となっているのは「LED照明」です。 LEDのメリットは、何と言っても「長寿命」と「省エネ」であること。 電球の交換は、基本的にはほとんど不要で、長期間にわたって使い続けることができます。 消費電力が非常に少ないため、電気代を気にせず使えるのも嬉しいポイントです。 一昔前のモデルでは、蛍光灯が使われていることもありますが、寿命や消費電力の面で、LEDに軍配が上がります。 照明の「色」も、リラックス効果を重視するなら、温かみのある「電球色」がおすすめです。 そして、意外と重要なのが「スイッチの位置」です。 ベッドに横になった状態で、無理なく自然に手が届く位置にスイッチがあるかどうか。 これが、日々の使いやすさを大きく左右します。 モデルによっては、スイッチがヘッドボードの上部や側面にあり、少し体を起こさないと操作できないものもありますので、購入前に商品画像などで確認しておくと良いでしょう。 中には、明るさを調節できる「調光機能」が付いたモデルもあります。 こうした細かな仕様の違いが、あなたのベッドライフをより快適なものにしてくれます。

【ヘッドレス】省スペースで部屋を広く見せる選択

「枕元に物は置かない」「とにかく部屋をすっきりさせたい」。 そんなミニマリストな方や、お部屋のスペースに限りがある方には、ヘッドボードのない「ヘッドレス」タイプのチェストベッドが、最適な選択となるかもしれません。

省スペース性の圧倒的なメリット

ヘッドレスタイプのチェストベッドが持つ、最大のメリットは、その圧倒的な「省スペース性」です。 一般的な宮付きのヘッドボードは、その棚の奥行き分、ベッドの全長が長くなります。 その長さは、スリムなものでも10cm程度、機能的なものになると20cm以上にもなります。 このわずか十数センチの差が、お部屋のレイアウトに大きな影響を与えることがあるのです。 6畳間のような限られたスペースでは、この十数センチの差で「クローゼットの扉が全開にできるか、できないか」「ベッドの足元に、人が一人通れるだけの通路を確保できるか、できないか」といった、死活問題に繋がることがあります。 ヘッドレスタイプのベッドは、マットレスの長さとほぼ同じ全長になるため、設置に必要なスペースを最小限に抑えることができます。 お部屋のレイアウトの自由度を最大限に高めたい、1cmでも無駄なく空間を使いたい、という方にとっては、これ以上ない選択と言えるでしょう。 身長が高く、足元のスペースに余裕を持たせたい方にもおすすめです。

部屋を広く、ミニマルに見せる視覚効果

ヘッドレスベッドは、物理的に省スペースであるだけでなく、お部屋全体を「視覚的に広く見せる」効果も持っています。 頭側に高さのあるヘッドボードがないことで、視線が壁までまっすぐに抜け、空間に圧迫感がなくなります。 お部屋全体が、実際の面積以上に広々と感じられるのです。 その極限まで無駄を削ぎ落とした、シンプルで低いフォルムは、近年人気の「ミニマリズム」や「ジャパンディ」といった、すっきりとしたインテリアスタイルと非常に相性が良いです。 生活感を感じさせない、静かで落ち着いた、まるで禅の空間のような寝室を理想とされる方には、ヘッドレスのデザインは非常に魅力的に映るでしょう。 壁面に、お気に入りのアートやファブリックパネルを飾る場合も、ヘッドボードが邪魔をしないため、より自由なディスプレイを楽しむことができます。 ベッドの存在感をできるだけ消し、空間そのものの広がりや、他のインテリアとの調和を重視したい方に、ヘッドレスベッドは最適な選択肢です。

ヘッドボードなしのデメリットと、その対策

魅力的なヘッドレスベッドですが、もちろんデメリットも存在します。 それを理解し、対策を講じることで、より快適に使うことができます。 最も多いのが「枕がベッドの後ろに落ちてしまう」という問題です。 これについては、ベッドを壁にぴったりとつけて配置することで、ある程度は防ぐことができます。 「壁紙が汚れる・傷つく」という懸念。 寝ている間の汗や、皮脂、整髪料などが壁に付着し、シミや黄ばみの原因となることがあります。 ベッドの上で読書などをする際に、背中が壁に当たることで、壁紙が擦れて傷んでしまうことも。 対策としては、壁とベッドの間に、薄いパネルやクッションボードを挟む、あるいは、汚れても拭き取りやすい、耐久性のある壁紙を選ぶ、といった方法があります。 そして、「ベッドの上で、壁にもたれて寛げない」という点。 ヘッドボードがあれば、そこが快適な背もたれになりますが、ヘッドレスの場合は、冷たくて硬い壁が直接背中に当たることになります。 この対策としては、背もたれ専用の大きな「三角クッション(レストクッション)」などを活用するのがおすすめです。 これらのデメリットと対策を天秤にかけ、ご自身のライフスタイルにとって、ヘッドレスが本当に最適かどうかを判断してください。

チェストベッドの「ヘッドボード」、種類と選び方で眠りの質が変わる   

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