防ダニ布団
患者が増え続けているといわれているアレルギーですが、中でもダニアレルギーに悩む人は少なくないようです。そんなダニアレルギーの原因の80%以上は布団が原因だともいわれています。そこで防ダニ布団やダニ対策についてまとめてみました。
布団の中に潜む大量のダニ
アレルギーの原因はさまざまですが、その中でも多いといわれている原因は「ハウスダスト」です。ハウスダストにはホコリのほかダニの死骸やフンなども含まれます。布団の中に1匹のダニが入ると半年で約3万匹以上にも増えるといわれているほど繁殖力の強い虫です。ダニは体長が1ミリにも満たないので肉眼で見つけることは難しいでしょう。アレルギーのある人が触れたり吸い込いこんだりすると痒みや咳などの辛い症状を引き起こします。ハウスダストの中にいるのはチリダニやコナダニといった種類のダニですが、それらのダニを食べるツメダニという種類のダニが人間を刺し、ひどい場合は皮膚炎をおこすこともあります。そこで各メーカーからダニの繁殖を防いでくれる「防ダニ布団」という布団が次々販売されているのです。
薬剤を使った防ダニ布団
防ダニ布団には主にふたつの種類があります。ひとつは薬剤を使った防ダニ布団で布団の中綿やシーツ、カバーの繊維に薬剤を練りこんだり、生地に薬剤を付着させたりする方法です。このタイプの布団は防ダニ剤でダニが寄り付かなくなるという仕組みです。薬剤が使われているのは心配な人もいるかもしれませんが、人体に影響がないようきちんとテストをして作られているので安心です。ただし永久的に薬剤の効果があるわけではなく、時間がたつにつれて徐々に効果が薄れていくので注意が必要です。さらに防ダニ剤を使用している布団の多くは、紫外線に当てると効果が半減してしまうといわれています。天日干しをすると紫外線に当ててしまうことになるので、湿気が溜まらないように布団乾燥機などでこまめにお手入れすることが必要になるでしょう。
特殊加工した繊維でダニ対策
防ダニ布団のもうひとつの種類は繊維を特殊加工してあるタイプです。防ダニ布団の多くがこちらのタイプになっています。通常の繊維よりも細い繊維を使用して、隙間がないように編まれているのでダニが通り抜けできなくなるという仕組みです。さらに中綿には乾燥しやすいタイプを使用して、ダニが住み着きにくい湿度を保つ工夫がされているものもあります。このような繊維を使っていない布団の場合だとダニが布団の中に入り込み、大量に繁殖したりフンや死骸が発生したりして空気中にまで放散されてしまいます。そうなると布団の中だけではなく、部屋中にダニの死骸やフンが滞在している状態になりアレルギーを発症してしまうことがあるのです。このタイプの防ダニ布団は効果が高いといわれていますが、縫い目の針穴が大きいとそこからダニが侵入してしまう可能性があります。そのためダニ通過テストを行い、ダニが布団の中に入り込まないかをきちんとチェックされている製品を選ぶことが大切です。
布団の性能だけに頼らず自分でもできるダニ対策は!?
防ダニ布団を使用してダニを防ぐことも効果的ですが、自分でできる対策もあります。まずは布団にも掃除機をかけましょう。巷では布団専用の掃除機が売られていますし、普通の掃除機にも布団用のノズルが付属されているものがあります。ホームセンターなどでも掃除機につけられるノズルが販売されていることが多いのでチェックしてみてください。掃除機ですべてのダニを除去することは難しいのですが、数を減らせば死骸やフンが減るほか繁殖するスピードが遅くなります。また湿度があるとダニが住み着きやすくなるので、こまめに天日干しをして布団の中の湿度を上げないようにしましょう。人は寝ている間にもコップ1杯分の汗をかくといわれています。その汗を吸い取った布団は湿度が上がり、ダニが住みやすい環境となってしまうのです。ただし天日干しでダニを除去することは難しいようです。なぜならダニが死滅するのは50度以上になった時なのですが、天日干しでは夏場でも40度位までしか温度が上がらないからです。なるべくこのふたつを意識して実行してみてください。
ダニを防いで快適な眠りを!
目では見えにくいダニですが、防ダニ布団を使用することでダニを寄せ付けにくくすることは可能です。現在のほとんどが特殊な繊維を使用しているタイプですが、購入の際は針穴にも注意してみましょう。さらに掃除機でダニを除去する時にはしわになっている部分や、ファスナーなどの縫い目の部分にダニが多く潜んでいる可能性が高いので重点的に掃除機をあててみてください。ダニ対策のできる布団に頼るだけではなく、自分でできる対策をすることも必要です。